じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 京山の観覧車。西日が反射して金の輪を作っていた。旧会社が営業していた時、一度だけこの観覧車に乗ったことがあったが[98年8月30日の日記参照]、山頂にある上に当時はかなり老朽化しており相当にスリルがあった。最高地点の高度は、東京の葛西やベイエリアの観覧車より勝っているのではないかと思う。





3月9日(土)

【ちょっと思ったこと】

停電な日の過ごし方は、定年後の生活そのものか

 子どもたちは学校、妻はヘルパーの仕事。ということで平日どおりの業務をこなそうと大学に行ったところ、なっなんと、配電関係の大がかりな工事のため8時15分から24時まで停電になっていることに気づいた。ネットが繋がらないという知らせは受けていたのだが、停電になることまでは聞いていなかった。ディスクトップを丸ごと家に運ばない限り仕事はできない。おまけに室内は暗いし寒い。やむをえず、別のことで一日を過ごすことにした。

 まずは家に戻って(←自転車で5〜10分)、布団をベランダの手すりに並べる(←幸い、我が家では花粉症は出ていない)。それから観葉植物を並べて水やり、各種郵便物の整理。パソコンで「柿の木将棋II」を楽しむ。レベル5でやっと勝てるようになった。

 11過ぎに近くの「大統領」でラーメン。店内がガラ空きだったので窓際の4人席に座ったら、「お客さま、お一人ですか? お一人でしたらカウンターのほうでお願いします」と強制移動させられた。このあたりにも、一人で食べることの空しさを感じる。

 昼食後は、行きつけの花屋へ。日頃は処分品しか買わないのだが、この日はなぜか購買意欲旺盛で、トータルで5000円以上の買い物をしてしまった。

 14時すぎに、ひょっとして工事が早く終わっているかもしれないと大学に戻るが、停電は継続。そこで、近く駐車場工事が始まる空き地から多年草の苗を移植したり、雑草を抜くなどの環境整備作業。その後、借りている畑で長ネギの収穫と、菜豆の種蒔き。戻ってからは干していた布団や鉢の取り込み。これだけやってもう夕暮れを迎えた(いちばん上の「今日の写真」参照)。




 ふだんは仕事に追われていて深く考える余裕が無いのだが、こうやって、突然の停電で研究室から放り出されてしまったときには、自分が一日にできることがあまりにも少ないことを痛感してしまう。定年後の生活というのはこういうことを言うのだろう。そして、おそらく私の場合は、体が動くうちは、園芸作業や畑仕事の真似事をして一日を過ごすことになるのだろう。「多様な能動的行動の機会を保障することが高齢者の生きがいにつながる」などと主張したことがあるが、多様性というのは、各人の多様な個性に配慮せよということであって、個人内において行動リパートリーが多様であるほうがいいということは必ずしも意味しない。何でもかんでも手を出すというより、シンプルでよいから何か1つ、能動的な楽しみに没頭できる機会があればそれで満足と言えるのかもしれない。