じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] サザンカ。冬を代表する花だが、あまりにもいっぱいに花をつけるので有難味に欠けるのが難点。





12月15日(土)

【ちょっと思ったこと】

寂しい雑談
以下の話は、最近の体験に基づいて構成されたフィクションです。》 某委員会が始まる前の雑談。みな50歳前後で、私と同年代だ。
  • (A先生)あれっ、長谷川さん、ずいぶん髪が白くなりましたねえ。
  • (長谷川)あっ、そうですか。前からずっと白かったのであまり気にしていないんですが。でも、シラガのことはあまり言わないほうがいいですよ。体質もありますしねえ。
    じつは、隣のB先生は100%白髪だったのである。

  • (委員長)いや、髪が白くなるのはまだいいんですよ。私なんか....
    じつは、委員長は見事に頭皮が露出していたのである。

  • (長谷川)しかし、先日もC先生と話していたんですが、最近、学生の名前を覚えられなくて.....。
  • (B先生)そういや、私も先日の演習で、ある学生に「○○さんはどう思いますか?」と尋ねたのに、ちっとも返事しない。シカトにあったのかと思ったら、じつは名前を取り違えていた。
  • (長谷川)私はそれが怖いから、学生は名前では呼ばないようにしてるんですよ。学生ばかりでなく、文学部に新しく来られた先生の名前もちっとも覚えられない。80数人のうち、顔と名前が一致するのは改組前からおられた50人前後かなあ。
  • (C先生)私など、教員の名前なんて最初から覚える気がありませんわ。
【思ったこと】
_11215(土)[教育]「インターネット時代の新しい教育」(前編)

 12/14の午後に、岡山大学・総合情報処理センターで表記の講演会が開催された。講師は、名古屋大学情報メディア教育センターの梶田将司氏。講演では、WebCT(Web Course Tools)の概略と、梶田先生ご自身の実践例が紹介された。

 WebCTは、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)で開発され、現在80カ国以上、国内でも日本語版完成により、立命館大学や名古屋大学などいくつかの大学で導入され、ボトムアップ(教員側からのニーズ)とトップダウン(大学審答申によりインターネット授業の単位拡大)の二方向からの要求に支えられて急速に広まっているという。

 そもそもWebCTとは何かということなのだが、私が理解した範囲で自分なりの言葉でまとめてみるならば、
  • 教材提示、自学自習、小テスト、成績管理、教員と受講生との双方向の対話(質問、アンケート)などの機能を統合した、パッケージ型のツールである。
  • 普通のブラウザがあれば、学生は教室でも自宅でも自由にアクセスし、学習を進めることができる。
  • 遠隔教育よりもon campusの利用が多い。
  • 教員は、手持ちのHTML、PDF、PPTファイルなどから、簡単に教材テキストを作ることもできる。テキスト中の専門用語は別立ての用語集に自動的にリンク可能。
  • いくつかのタイプのクイズ(小テスト問題)を簡単に作ることができる。
  • 各受講生がどこまで習得しているか、何回アクセスしているかを把握できる。
  • 何人かの教員で同じ教材を共用することができる。
といった特徴をもつもののようだ。

 このツールは、「知識提供型の教育」から「学生の理解を中心とした教育」へを目ざしたもので、ベンチャーのサポートを受けているものの、あくまで基本は大学に根をおろしている。あわせて、従来の対面型講義(同期型)を、インターネットを利用した非同期型の授業に変える力を持っている。

 以上が、私が理解した内容であった。ご講演後の質疑の時間にも発言させていただいたのだが、全体として、
  • すべての授業をカバーすることはできないが、カリキュラムや到達基準に共通性をもつトレーニング型の授業では大いに効果を発揮するのではないか。
  • 北米ではなく日本ならでは、という対象授業として、外国語教育がある。この方式のコンテンツを整備して、外部試験を利用した効果測定を行えば、かなりのインパクトがあるのではないか。
  • その他、国家試験合格をめざす授業にも向いていると思う。
  • 「私しかやらない」というようなユニークな講義では代替が不可能。
といった感想をもった。

 このほか、「学生の理解を中心とした教育」というモットーを、個別学習を主体として実現するのか、あくまで一斉授業を主体とし、WebCTを補助手段として用いたほうがよいのか、といった問題も重要になってくると思う。このあたりは、8月の日本行動分析学会第19回年次大会シンポジウムでも議論された点である。関連サイトとして などがあるのでご参照いただきたい。また、WebCT自体の情報については 後編では、私自身がこれを利用した場合、それぞれの授業でどういうメリット、デメリットがあるのかを考えてみることにしたい。