じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 南北通りの黄金色の絨毯。23日から始まる大学祭のポスターの取り付けられた。



11月21日(水)

【ちょっと思ったこと】

団地の在宅医療

 昼食時にNHK「にんげんゆうゆう」を2日連続で視た。今週の話題は『在宅医療・医師の挑戦』。大阪・千里ニュータウンの開業医・雨森健(あめのもり・たけし)さんの活躍ぶりが紹介された。

 この番組を視て初めて知ったのだが、千里ニュータウンは全国でも最も早く作られたニュータウンであるという。バブル前の高度成長期の中で、大阪でもたくさんの人手が必要となり、このニュータウンに多くの人々が移り住んだ。いまその人たちは高齢化を迎えている、その人たちを支えているのが73歳の雨森さんであった。

 雨森さんは午前中は外来、午後はアパート一帯を往診する。パーキンソン病など本来、大病院に入院するか、無理をしながら通院しなければならないお年寄りでも安心して自宅で検査を受けられる。やむをえず入院したお年寄りに対しても、病院の許可を得た上で個別に診察、家族歴や介護環境をふまえた上で病院側の医師と連携して治療にあたることができる。「在宅のまま最期を」という希望が満たされたお年寄りも多い。

 マンションや団地というと、隣に住む人の素性も分からないといった不安がつきまとうが、ここなら安心。もっとも、番組を視た限りでは、雨森さん個人の力に頼る部分が大きすぎるという点がちょっと気になった。

 この番組に関心を持ったのは、私自身がいま、アパート暮らしをしているという共通点があったためでとも言える。もっとも、私の住む場所が根本的に異なるのは、公務員宿舎という性格上、定年になったら必ず退居しなければならないという点であろう。それゆえ、このアパートでは永久に高齢者問題は存在しない。例えば5階に住んでいる人がエレベーター無しで困るという話は出てこない(←足をケガしたような場合は、優先的に1階に移れるようになっている)。まれに親と同居される人もいるが、スペースが少ないので長期にわたることはない。また、大学関係者以外では転任も多く、2〜3年も経つと半数近くが入れ替わってしまう。しょせん仮住まいに過ぎないのだが、そういう所であっても10年、20年と住めば、結局は生活の拠り所をそこに求めることにならざるをえない。そして定年後、どこに移り住んでも、当初はよそ者であり、ゼロから近所づきあいを始めなければならないという不安がつきまということになる。




2頭目の狂牛病

 各種報道によれば、北海道の猿払村で飼われていた乳牛が狂牛病であることが21日分かったという。9月10日に千葉県・白井市で確認された乳牛(北海道産)に続き国内2頭目ということになる。

 今回のケースは、科学的に見積もられる安全性の問題以上に、遙かに大きな心理的影響が懸念される。この問題については、10/21の日記で「牛肉安全宣言」全面広告の話題を取り上げたことがある。あの広告を見て「もう大丈夫」と思った人は、今回の結果で「裏切られた」という印象をいだくことになる。半信半疑だった人は「やっぱり」というマイナスの確信を強めることになる。

 特に「肉骨粉は今後はエサには使用しないので感染経路が断たれる。」(財団法人 日本食肉消費総合センター)や「現在、肉骨粉の輸入、製造、流通は禁止。」(JA全農)のキャッチフレーズは根拠を失ったことになり、いまさら別の理由を強調しても、言い訳にすぎないと受けとめられてしまう恐れが大きい。

 本来は、それほど恐れるべきものではなく、禁煙レストランで牛肉を食べるのと、喫煙者の居るレストランで豚肉を食べるのでは後者のほうが遙かに危険と言われるぐらいのものだ。とはいえ、食べなくても困らないという食材の場合には、ほんのちょっとしたマイナス要因が敬遠の決定的理由になる。この際必要なのは、感染源の特定と、それが今、断たれているという確実な証拠を示すことだろう。

 余談だが、私自身は、10月以降、蒜山で1回、息子の誕生日のお祝いで1回、あと、北海道フェアで、娘が冷蔵庫に入れていたステーキ弁当の残りを勝手に食べて1回、合計3回、牛肉を食べている。食べた回数まで覚えていること自体、不自然な受けとめ方をしているとも言える。