じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] レオノチスと下弦の月(月齢21.4)を撮ってみたのだが、月が見た目より小さく失敗した。



11月7日(水)

【ちょっと思ったこと】

「○○士」と「○○師」はどう違う?

 11/7の朝日新聞によれば、自民党は6日、「看護婦」「看護士」のように男女で名称が分かれている医療職を「看護師」のように「師」をつけた名称に統一する法案を議員立法で提出することに決めたという。但し、「助産婦」を「助産師」に代えることには、「助産資格の男性へ開放」につながるとの懸念、あるいは現実に助産婦は女性しか居ないので変える必要はないとの声も出ているという。

 今回の提案はあくまで医療職に限った変更のようだが、「○○士」が男性固有の呼称だとすると、「学士」、「弁護士」、「司法書士」、「税理士」、「公認会計士」、「臨床心理士」、「歯科技工士」などはどうなってしまうのだろう?という疑問がわいてくる。

 確かに国語的には「士」は「男性」を意味する。角川の『大字源』によれば、

●士:おとこ、成年の男子

という字義が記されている。また、解字には
象形。男子の性器がぴんと立った形にかたどる。「シ」の音は、たつ意と関係がある。男根が立つことから、成年男子の意味。
と書かれてあった。こりや知らなかったなあ。もっとも小学校ではまず教わらないことだろう。

 いっぽう、「師」の字義は意外なことに

●師:おおい。また、大衆。

とあった。解字は
形声。意符【つくりのほう】は臀部のむっくり盛り上がった形から小丘の意味。
などとあった。現代的な意味では「先生」、「人々を導く者」、「役人」、「特定の技芸を専門とする人」などの意味が挙げられていたが、特に男性に限定した意味は無さそうだ。

 以上、辞書で調べた限りでは、「師」に変えることはおおむね妥当ということになるだろう。

 もっとも、医療職が「医師」、「看護師」、「理学療法師」、「作業療法師」、「介護師」.....などとなってしまったら、「師」ばかりに囲まれた患者さんはさぞかし窮屈な思いをすることだろう。また、こちらにも記したように、高齢者福祉の基本は、「何かをしてあげる」のではなく「本人が主体的に何かをするのを手伝う」 ということにある。この点、「師」というのは如何にも「教えを垂れる」という印象が否めない。このさい、古めかしい呼称はヤメにして、「フレンド」とか「ヘルパー」なんて呼ぶのはどうだろうか。

 「医師」の代わりに「医学フレンド」とか「医学ヘルパー」、「看護師」の代わりに「看護フレンド」とか「看護ヘルパー」など。ついでに、愛想の悪い人は、「医学仮面」、「看護仮面」などと呼んだらよいかと思う。

 余談だが、大学の先生のことは「教師」とはあまり呼ばない。国立大の場合は、従来は「教官」、「教官」といって役人づらをしていたが、独立行政法人化の先取りのせいか、最近では「教員」と呼ばれつつある。




夕刊は要らない

 夕食時に視たNHKニュースによれば、産経新聞社は首都圏での夕刊を廃止することに決めたという。部数の減少と朝刊の充実がいちばんの理由らしいが、いまの時代、そもそも夕刊など要るのだろうか。

 私自身が住む岡山の場合は、夕刊を出しているのは地元の新聞社のみ。以前住んでいた長崎でも事情は同じだった。おそらく子どもたちは、夕刊というものがあること自体、知らないかもしれない。

 ラジオと新聞だけしかなかった時代には、夕刊は貴重な情報源になっていた。しかし、今や、食後にくつろぎながら夕刊を読む時間があれば、代わりにテレビやネットやビデオ、文字好きの人なら読書を楽しむことだろう。

 ところで、大都市圏における夕刊は、駅売店での売り上げが大きな割合を占めているはずだ。といっても、それは夕刊専用紙として内容が完結していればこそ価値があるのである。朝刊と夕刊をセットにしないと情報が欠落するような報道では、時間の無い人には却って不便になる。私が地方紙をとらない一番の理由も、一日のすべての情報が朝刊に凝縮されていたほうが便利、という点にある。
【スクラップブック】
  • 国連人口基金(UNFPA)は11/7付で、2001年「世界人口白書」を発表。地球人口が61億3千万人を超えたと発表。