じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] ミズアオイ。用水路の片隅で9月からずっと咲き続けている、



10月3日(水)

【ちょっと思ったこと】

小田急線の高架「違法」

 各種報道によれば、東京地裁は3日、世田谷区を通る小田急線の高架工事について、事業認可処分の取り消しを命じる判決を言い渡したという。世田谷区で生まれ育ち、梅ヶ丘駅のすぐ近くの羽根木公園でよく遊んだ私としては、無関心ではいられないところがあった。

 判決自体は工事続行や高架線での運転開始を差し止める効力を持たないということだが、騒音解消に配慮せず、不十分な検討だけで認可が行われた問題点を指摘した点で重要な意義をもつと思う。

 小田急線は、私が子供の頃は、ロマンスカーに乗って箱根に行くか、江ノ島に海水浴に行くための電車という印象が強かったが、沿線の宅地開発や路線延長により、もっぱら郊外から都心に通勤客を運ぶ手段として発展してきた。それに伴う急行や快速の増発によって、世田谷区内を通る電車の半分以上は沿線住民には無縁の存在になってしまった。このあたり、沿線住民が誰でも乗れる世田谷線とは大違いである。

 もっとも単に騒音や公害の大きさだけを比較するならば、環七、環八、あるいは東名や中央道に繋がる首都高のほうがはるかに被害は大きい。高架化だけを個別に問題にするのではなく、都市全体の交通システムのあり方、公共事業のあり方全体を見直していく必要があるかと思う。
【思ったこと】
_11003(水)[電脳]吸収されるジャストネット

 So-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク株式会社とJustNetを運営する株式会社ウェブオンラインネットワークスそれぞれの社長連名によるEメイルが届いていた。それによれば10月1日をもってJustNetはSo-netのグループ会社となり、今後一年間のうちに順次So-netのサービスとの統合を実施、それ以降はJustNetドメインのSo-netドメインへの段階的な統合を図るということだった。なお、利用料金には変更は無いという。[Web版の同一文書はこちら

 少し前、アクセスポイントの縮小の知らせがあったので変だなあと思っていたが、そういうことだったのか。このWeb日記の最新版のドメインもいずれは変更せざるをえなくなるだろう。

 それにしても、今から15〜16年前は、少なくとも大学では、パソコンと言えばNECのPC-9801、ワープロソフトと言えば「一太郎」というぐらいの圧倒的シェアを誇っていた時代があった。いずれも国産品。しかも、大学の場合は、一太郎を使うだけのためにパソコンを買った教員もいた。そして、一太郎側がメモリ増設やEMSなどを要求し、それに呼応してPC9801が高性能化するというように、二人三脚で発展を遂げてきた(一部にMacが浸透したのは、舶来のソフトを使いたいというニーズがあったためではなかったかと思う)。

 それがどこで変わってしまったのか? 個人的な印象としては、やはりNECが独自OSからMS-DOSそしてWindowsへと、マイクロソフトに屈服し、いったんはジャストウィンドウを独自に開発したジャストシステムも結局は、Windows一辺倒になってしまったところにシェア下落の原因があったのではないかと思う。

 もっとも、管理工学研究所の「松」に対抗する形でいち早くMS-DOS2.11に乗っかる形でシェアを伸ばしていったことを考えると、一太郎としてはこれが宿命であったのかもしれぬ。

 とはいえ、一時期は圧倒的シェアを誇った一太郎。もう少し打つ手は無かったのだろうか。素人なりに考えてみると、
  • MS-IEがシェアを拡大する前のもっと早い時期にネットスケープと連携して、操作しやすいブラウザを開発すべきだった。一太郎とも連携し、HTML保存が簡単にできる機能をもっと早く取り入れておくべきだった。
  • ジャストネットの接続料金をもっと格安にし、ヤフーやジオシティに対抗できるだけの無料サービスを始めておくべきだった。
  • もともと大学関係のユーザーが多かったことを考えると、生協ネットと連携し、教員や大学生をターゲットに会員拡大をはかるべきだった。
  • PDFが実質標準化する前に、ネット上で表示できる独自のファイル形式を普及させておくべきだった。
  • パワーポイントが普及する前に、一太郎にプレゼン用の資料作成・表示機能を一体化させておくべきだった。
  • 「花子」よりも「三四郎」を重視し、表計算・作図ソフトを充実させておくべきだった。
  • ATOKで培われたノウハウを活かして、もっと早くから英和・和英翻訳機能や英文法チェック機能のついた一太郎を開発しておくべきだった。
というような可能性はあったと思う。

 一太郎6以降のバージョンでは、ネットスケープや辞書CDとセット販売したり、一太郎Web、インターネットディスクなどさまざまな新機軸を打ち出したものの、私の知る限りではあまり利用は広がらなかった。ワープロソフトは付録ではなくあくまで中身で勝負すべきだったと思うのだが、通常の印刷文書を作成するだけだったら今の一太郎ver11ですでに十分であり、今後のバージョンアップで新たに期待するものは思いつかない。

 一太郎の絶頂期とインターネットの普及期が時間的にもう少し近いところにあれば、かなり違った結果になっていたかもしれない。ま、ビジネスの世界であれやこれや回想しても始まらないけれど.....。

 さてネットの話題に戻るが、私自身、すでにジャストネットは、無くてはならない存在であるとは必ずしも言えなくなってきた。最近は自宅ではもっぱらこちらからアクセスをしているし、旅行先でもイオンネットのアクセスポイントに繋ぐことができる。しかもイオンネットは毎月210円の基本料金で50MBものHPを持つことができる。日記才人のオーナーの池川さんが運営している和風レンタルサーバーでは100MBまで使うことができる。今なおジャストネットに入り続けているのは、「はじめてコース」で月100円という格安料金になっているためとしか言いようが無い。

 いまでも印刷用文書はもっぱら一太郎で書いている私ではあるが、学内で受け取る添付ファイルの大半はもはやWORD文書になってしまった。せっかくの純国産。ソフトもネットも、とりあえずは力を蓄えるとして、何か劇的な変化を起こして欲しいと思うのは私だけだろうか。

]ジャストネットは、すこし昔に、一太郎を販売しているジャストシステムとは別の会社(株式会社ウェブオンラインネットワークス)に運営を移行している。念のため。