じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 農場の洋梨。残暑厳しいとはいえ、空の色は秋模様。



9月10日(月)

【思ったこと】
_10910(月)[電脳]フロッピーディスク不要の時代来るか

 某会議で、来年度のシラバスをどのような形で提出してもらうかということが話題になった。私は、大学のサイトに送信フォームを用意し、各教員がその枠内に文字をコピー&ペーストする形で送信してもらえばよいのではないかと発言したが、その方法だけではネットを使わない(使えない?)教員が戸惑ってしまう。従来通り、「3.5インチフロッピーディスクによる提出」というのが主要なルートになりそうだ。

 このことでふと思ったのだが、各種記憶媒体が次々と開発されていく中にあって、2HDの3.5インチフロッピーディスクほど長く愛され続けている媒体は他にはないのではないだろうか。

 はっきりした年代は覚えていないが、私がパソコンを始めた20年ほど前の時代は、8インチから5インチフロッピーディスクへの移行が進んだ頃であり、PC-9801Fなどの機種が普及していたと思う。私自身が科研費で初めて買ったPC-9801VM2も5インチ専用機種。その後、3.5インチ機種が次第に普及し、3.5インチディスクドライブを外付けして対応するようになってきた。

 3.5インチのフロッピーディスクは、2D、2DD、2HDというように進化して現在に至っているが、その後、さらに開発された同型の高密度のディスクは(少なくとも私の大学では)普及しなかった。代わりに、個人データ保管用にはMOやZIPディスク、ソフトの配布ではCD-ROMが主要な媒体となっていくが、フロッピーディスクが消え去ることは無かった。

 大容量の媒体が登場していく中で、同じ規格、同じ容量のフロッピーディスクがここまで生き延びたのはスゴイことだと思う。このように長年にわたり使われてきたのはなぜだろうか。思いつくままに挙げてみると、
  • 丈夫で容易に郵送できる。
  • 大量生産により低価格化が実現した(返却の必要が無い)。
  • 論文や報告書などの文書ファイルは1.2MBないし1.4MBの容量があれば十分。
  • インストール用や緊急時の起動ディスクとしての用途があった。
 要するに、ハード、ソフト両面で大容量のメモリや記憶媒体が必要になっても、生身の人間が作成できる文章量は大概は1枚のフロッピーディスクに収まってしまう。フロッピーディスクが生き延びたということは、どんなに技術が進歩しても人間自体は変わらないことの証明にもなるのではないかと思ってみたりする。

 もっとも、最近のパソコンの仕様を見ていて、特にモバイル型の場合、フロッピーディスクドライブがオプションという機種の多いことに気づく。確かに、個人だけでパソコンを使う場合に、文書ファイルをフロッピーディスクに保管する必要は必ずしもなくなった。ファイルのコピーやバックアップはPCカード仕様の各種媒体で十分。また、リポートの提出や委員会議事録なども、最近ではEメイルの添付ファイルとして送られてくるようになった。

 オーディオ分野でのカセットテープ、VHSビデオテープ、3.5インチフロッピーディスクは、20世紀の終わりの20年間におけるハイテク産業の象徴であったとも言える。これらが姿を消すのは21世紀のいつ頃になるだろうか。個人的には「カセットテープ→VHSビデオテープ→3.5インチフロッピーディスク」の順ではないかと思うのだがいかがだろうか。