じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

6月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真]  ブリスベーン、アデレード、シドニーいずれの都市も美しい町並みが続いていたが、それだけに街角の落書きの多さが目についた。念のため暴走族は居るかと聞いてみたところ、そういうものは居ない、落書きはどこの国でもあるものだろうという返事だった。

 ちなみにシドニーの住宅街では、家の色や庭木、雑草除去義務などについて厳しい取り決めがあり、自宅の庭の木であっても、委員会(←町内会のようなものか)の承認が無いと伐採できないと聞いた。



6月26日(火)

【思ったこと】
_10626(火)[一般]回転寿司の謎解ける

 夕食時に「たけし・所のWA風が来た!」を見た。この日の話題は「回転寿司」、長年の謎がやっと解決した。

 番組によれば、回転寿司の創始者は元禄寿司グループ会長の白石義明氏(88歳)。客と対面して注文に応じる方式では待たされる客が出てくることなどを解決するために、トランプカードを扇形に開いた様子をヒントにベルトコンベアを水平回転型に改造することに成功、1958年に大阪で一号店、その後大阪万博で人気を博し、ピーク時には240店まで店舗を拡大した。その後1997年には、元禄寿司の登録商標であった「回転寿司」を一般に解放し、いまや国内のみならず海外でも大衆向けの寿司屋の提供形態として定着している。

 回転寿司の機械を実用化する際には、移動速度を毎秒8cmにするなど、さまざまな測定・調整作業が行われた。私が特に注目したのは、回転方向がなぜ右から左(上から見て右回り)に決められたのかという点にあった。3年ほどまえに、この日記で「人間界の左と右」という連載をしたことがあり、98年6月20日の日記で、「右手にはお箸を持っているから、左手でお皿を取りやすいように右回りに決めた」という、りえさんの説を紹介したが、番組もこれと全く同じ説明であり、りえさんの説が裏付けられたことになった。

 ちなみに番組では、ロンドンの「YO! SUSHI」、オーストラリアの「Sushi train」、オランダの「ZUSHI」、店名を忘れたが台湾のミニチュア機関車型の回転寿司屋などが紹介されていたが、このうちロンドンの「YO! SUSHI」だけは、回転方向が左から右(上から見て左回り)になっていた。なぜこの店だけ方向が逆になっているのかは不明。もっとも、箸を使わず手づかみで寿司を食べるのであれば右手で取りやすい(と思われる)左回りのほうが便利であるようにも思える。

 このほか、回転寿司屋が一番多いのは金沢市(回転台の生産シェア最大)、元禄寿司が回転した当時はスプートニクにちなんで「人工衛星」のキャッチフレーズがつけられていたこと、大阪では、タッチパネル付きのディスプレイで注文したり、古い皿を自動的に廃棄するシステムを採用している店があることなどが面白かった。

 種々の飲食店の中でなぜ寿司屋ばかりに回転方式が多いのだろうか(ただし、一部、焼き肉屋でも採用しているという)。いくつか理由を考えてみると、
  • 白石氏が開発した際の動機でもあった「注文しても待たされる」が解消。
  • ネタや分量など、客の多様な好みに応えられる。
  • 客側からみて、いちいち大きな声で注文をする煩わしさが解消。
  • 何を食べているかについてのプライバシーがある程度守られる。
  • 現物を見てから手に取れるので安心できる。
  • 皿の数で値段が決まるので心配が無い。
  • 価格が均一(せいぜい5段階程度)であるので、同じ値段の中から好きなものを選んでいるという「能動的選択感」が出てくる。
  • ネタの名前を知らなくても、見た目で選択できる。
  • 小皿に分けられているので、食べ残しが少なく、コストの削減につながる。
  • 焼き物、煮物などのように暖かさを保つ必要が無いので、一定時間コンベアの上に置き続けることができる。
これらすべてを見通した上で回転寿司を考案されたとしたらスゴイ発明だったと思う。20世紀の10大発明(飲食業部門)という企画があれば、必ず含まれるのではないかと思う。