じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
エンドウ。5〜6年前に、子どもの「○○の科学」の付録についていた種を増やしたもの。採れすぎても飽きるばかり。けっきょくご近所に配って迷惑がられるようなものか。 |
【思ったこと】 _10511(金)[一般]末期癌の告知 昼食時に2日続けてNHK「人間ゆうゆう」の再放送を見た。5月第一週は『ガンと生きる』という、少々重いテーマであった。 木曜日は、食道癌で亡くなった俳優・三浦洋一さんの話。三浦さんは、再婚の際のスキャンダルから一時仕事の依頼が激減する。そんななか、やっとつかんだ舞台を、最後の力を振り絞って演じきった。末期癌であることの告知はかなり後になってからのことであり、本人からは「カウンターパンチをくらったようだ」という告白があった。しかしその後は、看護や見舞いに来てくれた多くの人々からの愛情に感謝し、自宅の庭のしだれ桜を妻と一緒に眺めることを最後の夢として闘病を続け息をひきとられたという。 金曜日は末期癌の告知が話題。看護部長をつとめ、自らも夫を癌でなくした女性は、
番組では他に、父親に癌の告知をできなかったことを悔やむ女性も登場した。私が見た限りでは、告知に否定的な意見はこの番組の中では出てこなかった。 じつは、私自身も告知に関しては辛い思い出がある。12年前に亡くなった私の母は、死の半年ほど前から腰痛の自覚症状があったものの自分ではリュウマチであると思いこみ、マッサージなどを続けていた。全身に重い症状が出始めて検査を受けた時にはすでに末期の胃癌であり肝臓に転移していることが判明した。私自身は告知すべきだと主張したが、近親者の中でも父が告知に猛烈に反対し、けっきょく私も父の意向を尊重して、母には「胃潰瘍と肝炎」であると虚偽の病名を伝えることに同意せざるを得なかった。母が亡くなったのは入院からわずか45日後のことである。 番組でも言っていたが「告知をする」ことによって、患者とその家族は初めて同じ困難に正面から立ち向かうことができる。嘘をつくことは結局は、患者と医師、あるいは患者と家族のあいだの信頼を損ね、「早くよくなってね」とか「治ったら○○をしよう」などといううわべだけの慰めの言葉をかけることになる。もちろん治療には最善をつくすべきであろうが、一時的な混乱や動揺をおそれず、やがてくる死を本人も家族全員が受容できるような環境を整えていく必要があるように思う。 それと、私自身の体験からも言えるが、近親者が末期癌と診断された場合にどういう対応をとるかについて、日頃からよく話し合い、考えを一致させておくことがぜひとも必要かと思う。 |
【ちょっと思ったこと】
アラン・スミシーとは誰か 夕食時に見た「クイズ!!赤恥青恥」で、「米国の映画業界用語“アラン・スミシー”とは誰か」というクイズが出された。どこかで聞いたことのある名前だと思ったが、正解は、「製作上のトラブルにより、監督が最終的に自分の名前を削ることを要求した場合に、匿名監督を意味する名称としてつけられたもの」ということであった。ネットで検索したところ、
もっとも、外国のサイトの中には のように、いかにも実在するような語り口で紹介されているところもあった。 TV番組では、「アラン」は「Allan」というように「エル」が2文字続いていたように記憶していたのだが、この検索語でヒットしたのは という正体不明?のWeb日記ぐらいのものだった。 では、なんで匿名監督が「アラン・スミシー」なのだろうか。TV番組では、 The Alias Men (偽名の男たち)のアナグラムであるというように紹介されていた(内田樹のおとぼけ映画批評に言及あり)。もっとも、アナグラムなどというのは、あとからどのようにでもコジツケられる。信憑性はどんなもんだろうか。 ちなみに、ランダムハウス英語辞典によれば「Alan」は「ケルト語でharmonyの意」があるという。いっぽう「-smith」には「tunesmith」のように「○○を作るヒト」という意味がある。となると、「ハーモニーを作るヒト」ということになるのか。あるいは「smithereens:粉々,粉微塵」とくっつけて「ハーモニーが粉々に砕けた」という意味になるのだろうか。どなたか語源について情報をいただければ幸いです。 |