じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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3月3日(土)

【思ったこと】
_10303(土)[一般]家電リサイクル法の経済効果

 4/1から家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)が本格施行されるという。対象となるのは、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビの4品目であるが、岡山市ではこれに時を合わせて粗大ゴミ回収が有料化されるため、各家庭とも、3月下旬の最後の回収日を前に、買い換えをするか、持ち続けるか、判断を迫られている。便乗商法というわけでも無かろうが、近くのディスカウント店では、有料化前の買い換えセールなるものを企画していた。

 手元にある資料によれば、4/1以降は、エアコン3500円、テレビ2700円、冷蔵庫4600円、洗濯機2400円というリサイクル料金のほか運搬料が必要であるという。また、岡山市の場合は、粗大ゴミ有料化後には、大型家具で1000〜1500円、自転車で500円程度の処理手数料をとられるということだ。

 現実問題として、4月以降には何が変わるのだろうか。私なりに勝手に予想してみると....
  • 買い換えをしなかった家庭では、いま使っている電気製品や家具を少しでも長く使い続けるだろう。結果的に消費の落ち込みが加速される恐れがある。
  • 家電一般については、耐久性や修理サポート体制が購入の決め手として重視されるようになるだろう。パソコンの場合も、ボードの取り替えだけでグレードアップできるタイプが好まれるかも。
  • フリーマーケットなどの不要品の交換市、リユーズセンターなどで大型品を買い求める人は減るかもしれない。いくら値段が安くても、使えなくなった時の処分に困るからだ。
  • 大学や公務員アパートのゴミ置き場では不法投棄に備えて、金網や施錠など完全防御態勢をとることになるだろう。
  • 回収品を発展途上国に「輸出」して国際問題が起こったり、海上で不法投棄した悪徳業者が摘発されるかも。
 ま、長期的に見れば、家電リサイクル法も粗大ゴミ有料化も地球環境にプラスに働くことは間違いないが、短期的には、買い換えによる活性化以上に、買い控えによる消費停滞を招くように思えてならない。それにしても、3月下旬の粗大ゴミ回収日にはいったいどのぐらいのゴミが捨てられることになるのだろうか。今回ばかりはさすがに私も拾う気にはなれないなあ。
【ちょっと思ったこと】

特急「白鳥」の思ひ出

 大阪と青森を12時間あまりで結んでいた昼間特急「白鳥」が3月のダイヤ改正で廃止となったという。この白鳥という特急は、大学や大学院の頃、北海道の山登りに行くときに何度か利用したことがあった。学生・院生時代はとにかくお金が無かったので、多少時間がかかってもとにかく交通費をいかに安く切り上げるかが最大の関心事だった。よく使ったのは
  • ミニ周遊券やワイド周遊券(←いずれも今は廃止)。これを使えば道内の急行はタダで乗れる。
  • 「5月31日までに購入すると2割引」、「使用の1カ月前から購入可能」、「学割で2割引」をフルに活用して6月末出発の運賃を「0.8×0.8」により3割6分引きにすることができた。
これに加えて、特急券をいかに節約するかを考えた。米原〜京都(あるいは新大阪〜京都)を新幹線(←実際は乗車せず)、京都から青森までを「白鳥」というように乗り継ぎで買えば、白鳥の特急料金が半額になった。新幹線代を払っても、京都から青森まで単独の特急券を買うより割安になったのである。

 「白鳥」は、今も昔も朝10時頃に大阪を出発した。青森着は22時過ぎ。しばらく待って青函連絡船に乗り座敷船室で仮眠して函館に渡った。帰りは、夜中に函館を出て、同じく仮眠。早朝発の「白鳥」に乗れば夕刻には京都に戻ることができた。寝台料金も、京都〜東京の新幹線料金も使わずに安上がりの北海道旅行を楽しむには「白鳥」利用が最良の方法だった。最近では大阪〜青森をフル乗車する乗客は2〜3人しか居ないという。時代は変わったものだ。

 私が学生の頃にはこのほか、白鳥と同じルートで青森に向かう一部寝台の「急行・きたぐに」、東京と西鹿児島を結ぶ「急行・桜島」、日豊線経由で東京と西鹿児島を結ぶ「寝台特急・富士」など個性的な列車があったが、今では廃止されたり運行区間が短縮されてしまった。「これに乗れば遠い世界に連れて行ってくれる」という長距離列車にはロマンや威厳を感じさせるものがあったが、「のぞみ○○号」というように数字だけで区別される新幹線にはそれが無い。今回の「白鳥」廃止で、鉄道の旅の楽しみがまた1つ失われてしまったことを残念に思う。