じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 駐車場の隅に点在するワルナスビの実。昨年6月11日の日記にこれにまつわる子育ての失敗談がある。



11月25日(土)

【思ったこと】
_01125(土)[一般]エジプト古代絵文字の解読と今どきの機械翻訳事情

 夕食時に見た「世界・ふしぎ発見!」はエジプト古代絵文字ヒエログリフの話。 ヒエログリフ(hieroglyphic character)が、1799年エジプトのロゼッタ付近で発見され石板(the Rosetta stone)を元に解読されたことは小学校の頃に教わった記憶があるが、シャンポリオン(Champollion, 1790-1832)が解読までに20年もの歳月を要したのか、何が解読の手がかりとなったのかについては何も知らなかった。

 番組によれば、解読のきっかけは、ギリシア文字で書かれた文章の単語が480余りであったのに対してヒエログリフのほうが1419種類の文字であったこと。もし、ヒエログリフが表意文字であるならばこんなに種類が多くなるはずはない、おそらく表音文字が含まれているのではないかと着想し、古代コプト語を参考に解読に成功したという。

 もっとも、すべてが表音文字であるならば文字の数は遙かに少ないはずだ。番組から得た情報によれば、
  • 発音を伴わない決定詞というのがある
  • ヒエログリフや左右両方向の横書き、縦書きも可能。そのさい、絵文字の顔の向きが読む方向を定める
ということで、おそらくこれらが見かけ上の文字の多さをもたらしているのであろう。

 表意文字と表音文字が混在している言語というのは世界では珍しいのではないかと思われるが、我々が使っている日本語、ハングルと漢字で書かれた韓国語などはまさにこれにあたる。中国語も外来語については一部表音文字的に漢字を用いる場合がある。

 ところで、映画「猿の惑星」のような形で現代人が滅亡し、英語と日本語の対訳文が遺跡の中から発見されたとする。この時、英語だけを理解できる新人類もしくは宇宙人が居たとして、日本語の文章を解読できるだろうか。ロゼッタストーンの場合と同様、まずは文字の種類の多さに注目することになるだろうが、さてどの程度まで解読できるだろうか。

 この日記でも何度か取り上げているように、日本語と英語にはかなり本質的な差違がある。相互の交流や映像を通じた共通体験があるからこそ相手の気持ちを理解できるのであって、文字面だけの比較で、対訳文だけから日本語の解読ができるとは到底思えない。というか、それが可能なら、機械翻訳がもっと可能になっているはずであろう。

 以下は、試みに、2種類の英日翻訳ソフトで日本語を英語に「翻訳」してところ。「とる」をどう訳すかを知りたかったわけだが、日本語の「とる」に対応する「weed」、「pass」、「win」といった英単語は残念ながら表れてこなかった。「英文」の間の「/」の左側が翻訳ソフトA、右側が翻訳ソフトBの訳出例(ソフトBでは翻訳不能の日本語はそのまま表示される)。もっとも、5〜6年前に比べればずいぶん精度が上がったようにも思えるが、いかがだろうか。
  1. 日曜日に庭の草を取った。
    The grass of the garden was taken on Sunday./I took grass of a garden on Sunday.
  2. 塩を取ってくれ。
    Take salt./Take salt.
  3. 私は一等賞を取った。
    I took the first prize./I took 1st grade prize.
  4. 広場で写真を撮った。
    A picture was taken in the open space./I took a photograph in a plaza.
  5. 車内で財布を盗られた。
    I had a wallet taken in the car./I had a purse stolen in the car.
  6. 山菜を採りに山に行った。
    It went to the mountain to gather wild plants./I went to a mountain for collecting a mountain dish.
  7. 我が社では今年、三人の学生を採った。
    Three students were employed in our company this year./I collected 3 students, this year in my company.
  8. 今度の釣りでは3匹の魚を獲った。
    Three fish were taken by last fishing./I hunted 3 fish with a new angle.
  9. 講演の内容を録った。
    The contents of the lecture were taped./録 った for a content of a speech.
【ちょっと思ったこと】

恐竜についての固定観念

 11/26朝の「目がテン!」は恐竜の話題。我々が子供の頃に図鑑で楽しんだ恐竜と、最近の研究で明らかにされた恐竜のあいだには随分と隔たりがあることが分かった。
  • ティラノザウルスは直立ではなく前傾姿勢で横向きに移動する
  • プラキオザウルスは地面が固いところでないと足がはまって動きにくい
  • 恒温動物ではなかったかという説もある
  • いまの動物の中ではトカゲやワニよりも鳥類に近い
恐竜は爬虫類ということですぐに巨大なトカゲやワニを創造してしまうが、確かに、卵を産むとか、二足で歩き回るところなど鳥に似ているところがあると思った。鳥というと「飛ぶもの」という印象が強いけれども、飛ぶことが適応的となるのは、大型の被子植物が繁茂した後のこと。気温の変化が激しくなければ羽毛も必要ないだろう。とすると、鳥類というのは、気温の変動に適応する形で羽毛の多い種が生き残り、被子植物の大型化によって羽根で飛ぶことが適応的になってきたと考えるべきか。
【スクラップブック】