じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
ユリオプスデージー。3〜4年前に刺し芽で増やしたもの。岡山では冬に霜にあたって枯れてしまうことが多いが、講義棟南側の日当たりのよい場所に植えてあったのが幸いして大株に育った。 |
【ちょっと思ったこと】
カミに頼る人、電子媒体に頼る人 ここ数年の間に全国の大学で、授業内容(到達目標・日程・成績評価方法・受講要件等を含む)を細かく解説した「シラバス」が発行されるようになった。そしてこれまでは電話帳のような分厚い冊子で配布していたのだが、「IT革命」の流れを受けて、このシラバスを電子化しようという動きが出てきた。電子化とは、従来の冊子型シラバスに代えて、最終的にはWeb化、過渡的にはCD-ROMの配布をしようとするもの。これによって、紙資源の節約はもちろん、多様な検索機能を付加することで、特に科目数の多い一般教養科目などでは、自分の興味に合った科目を一早く探すことができるようになる。 しかし昨年度これを試行した某学部では必ずしも「電子化」の評判は良くなかったそうだ。これをふまえて問題点として指摘されたのは
このうちの1.と2.の点は、設備やサポート体制の充実である程度対応できる。また、講義番号、授業科目名、担当者、前後期の別、曜日・時限、対象学年、対象学部などを1科目1行ずつにまとめた履修可能科目一覧表を印刷して配布しておけば、学生はとりあえずそれを頼りに履修登録をすることができる。また暫定的に、
いっぽう3.のほうはかなり本質的な問題であって、いくらITが進歩しても、CD-ROMから印刷したものをホッチキスで綴じて持ち歩いてもらうしかあるまい。電子ブックのように持ち運び容易な機器が普及すれば多少は改善されるだろうが、表示画面の狭さ、ペラペラとめくって参照できない不自由さなどを考えると、紙にまさるものは無い。電子ブックの用途は、やはり、多様な検索や音声情報を必要とする辞書類に限定されがちであり文庫本や新書本にはなかなか及ばない。やはり紙には電子媒体では代替できない良さがあるように思われる。 ここからは少々脱線するが、最近、老眼がひどくなった私は、英語の書籍をそのまま読むことに煩わしさを感じるようになった。しかも物忘れがひどくなったおかげで、せっかく読んでも何がどこに書いてあったのかちっとも思い出せない。そこで、授業や論文引用で使う重要文献の場合は、あらかじめ原文をOCRで取り込み、文献ごとに1ファイルにまとめた上で、必要に応じて日本語の訳をいれたり、コメントを書き込みながら読書記録ファイルを作るようにしている。 一昔前のOCRは、「S」や「P」の大文字小文字の区別がつかなかったり、「エル」を「[」と誤変換するなどミスが多くでイライラをつのらせるだけだったが、最近のものは非常に精度が良く、複写物などをスキャナで読み込んでも1ページあたり数カ所の訂正だけで済むようになったのがまことに有り難い。[私がいま使用しているのはWinReaderPRO ver6.0、スキャナは通常400DPIで読み込み] こうしてファイル化しておけば、適当なキーワードを入れるだけで、どの文献のどこにそれが書かれてあったか瞬時に分かる。そのまま英語を書くときの表現辞典としても活用できる利点がある。著作権の問題があるので公開できないのが残念だ。少なくとも私の場合は、カミに頼る機会は非常に少なくなってしまったと言える。 |
【スクラップブック】
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