じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] カラクリ湖に生えていたタンポポ。7000m級の山々に囲まれた標高3600mの湿地帯になぜタンポポがあるのか不明。日本でよく見かける西洋タンポポよりは小型だった。



9月30日(土)

旅行中にちょっと思ったこと(8)】
私はどういう職業に見られたか

 昨日、この連載のところで団体ツアーのことを書いた。この種のツアーではとりあえず参加者の名簿が配られるが、最近では各参加者プライバシーを保護するため、それぞれの年齢、職業、住所などはいっさい公表されない。これは当然であって、同じ会社の部長と平社員が全く偶然に同じツアーに参加することになったとしても、お客としては全く平等。いちいち上司に気を遣うようでは何のための旅行だか分かったものではない。

 私自身も旅行中は仕事のことはいっさい口にしなかったが、たまたま北京で夕食をとる時、長谷川さんはどういうお仕事をされているの?という質問が出された。そのさい、私がどういう職業に見られているのか自由に出してもらったのが↓のリスト。ぴったりの方も1名だけおられたが、分野までは当たらなかった。それだけ、仕事のことを忘れて、趣味に興じていたと言えるかもしれない。
  • 研究員
  • 生物の教員←各所で花の写真を撮ったり、ガイドに名前を尋ねていたためか
  • 花屋さん←上と同じ理由だろう
  • 文筆業←毎日Web日記を書いているせいか
  • 設計関係
  • 情報処理系の大学教授
  • 中学の教員←カシュガルの民家で、いじめや不登校についてしつこく尋ねたためだろう
  • フリーター←ボロや安物の服ばかり着ていたためか
  • ぷーたろー(奥さんのヒモ)←各所で「この景色を妻にも見せたかった」と口にしたためか
  • 不動産ブローカー←カシュガルの民家でで土地の値段などをしつこく尋ねたためかも
  • 地上げ屋←


 ご高覧いただきました「パミール高原横断旅行記」はこれをもって最終回とさせていただきます。次の旅行先としては、「青海湖→青蔵高原→ラサ」の縦断にぜひチャレンジしたいと思っています。このツアー、今年の夏は数社が案内を出していたが人が集まらず催行中止になってしまいました。これをご覧になった方が一人でも多く申し込まれることを期待させていただきます。
【ちょっと思ったこと】

インターネットのめり込みと三国志

 今年5月に西鉄高速バスを乗っ取り乗客3人を殺傷した少年(17)に対して、佐賀家裁は29日に第4回審判を開き、5年間以上の医療少年院送致とする保護処分を言い渡したという。家裁の決定は事件当時の少年の責任能力を認める一方、「解離性障害」の治療に適した措置が必要との判断に基づくもののようだが、責任能力のあった者が人を殺しても罪を償わずに済むという事例を増やすことには、個人的には納得できないところがある。

 ところで、新聞報道によれば、この犯罪の動機面では「不登校で自室に引きこもって、インターネットにのめり込み、残虐な画面を見て「実際にやってみたい」という気持ちを持つようになり、自分とは別の声が少年に犯罪の実行を促すようになった」という点が挙げられているそうだが(9/30朝日)、これは具体的に何が影響を及ぼしていると判断されたのだろうか。日常生活で相手をしてもらえないためにネット掲示板に過激な言葉を書き込んで注意を引こうとしたのか、どこかのサイトで殺人現場や死体の写真ばかりを見ていたのか、それとも裁判官の思いこみにすぎないのか、このあたりの詳しい情報が公開されないと再発防止策を講じることができない。

 もう一つ、この事件が起こって間もない5月21日の朝日新聞記事によれば、この少年は広島県警などの合同捜査本部の調べに対して「バスを乗っ取っている時、『三国志』に登場する英雄、劉(リュウ)備になった気分だった』」などと供述していたという。『三国志』に関しては数十冊の関連書を読み、また日本の戦国武将たちを題材にしたテレビゲームでは織田信長を主人公に選ぶことが多く、捕虜は見方として取り込まずに必ず殺害していたなどと伝えられていたが、今回の保護処分報道では、このことが全く取り上げられていないようだ。どこへ行ってしまったのだろう。