じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] 彼岸花。暑い夏、涼しい夏に関わらずお彼岸の日に見頃となることに驚く。



9月23日(土)

【思ったこと】
_00923(土)[一般]J-POPを知らない私

 23日の夕食時、「サッカーを見たい」という私の要望は却下され、代わりに「J-POP歴代シングルTop100」を紹介する番組を見ることになった。「あみん」や「わらべ」などの懐かしい歌も登場したが、もともとJ-POP界に疎い私にとっては聞いたことのない曲ばかり。けっきょく、Top10の中で聞いたことのある曲は、第二位の「TSUNAMI」一曲だけだった。つなみにちなみにこの曲はいまでも毎週1万枚以上が売れており、年内には第一位の「君がいるだけで」(米米CLUB)を追い越して20世紀のTopの座に輝くだろうと予想されているそうだ。私でも聞き覚えがあるというのも頷ける。

 だいぶ前の話ことになるが、2000年4月4日の朝日新聞に「メガヒットの憂い(上)」という記事があった。音楽評論家の能地祐子さんによれば、大手コンビニ各社が店頭で音楽CDを売り始めた1992年ごろから、音楽の変質が始まったという。レコード店に縁のなかった人までCDを買うようになり、これに合わせてミリオンセラーCDが続出するようになった。

 もっとも、コンビニだけが原因ではないだろう。私がその記事を引き合いに出し「音楽業界の売上高は豆腐業界と同規模と言われてきた。コンビニでCDを売るようになってから音楽ファン以外まで巻き込んだ大きな市場になったそうだ」と、さも音楽通のような顔をして妻に話したら、逆に妻から「じゃあ、お豆腐はなんでたくさん売れるようにならなかったの。お豆腐だってコンビニで売っているじゃない」と反論されてしまった。

 同じ記事の中で『ミュージックマガジン』の高橋修編集長は、携帯プレイヤーの普及により、「みんなが聞いているから自分も」という軽い気持ちで変えるようになったこと、それによって音楽が会話のソースからツールになったことをミリオンセラーCD登場の一因にあげておられる。ネットにアクセス可能な人たちだけで使われていたEメイルの利用が携帯電話のEメイル送受信機能強化で一気に増えてきたのと同じように、簡便性、利用可能性が大きく影響しているのかもしれない。

 記事の最後のほうで「メロディーと歌詞が大切なことは同じでも、勝負はサビ部分だけでいい。話題をとる小細工が成功すればヒット曲は作れる」とあったが、この指摘の通りであるとすれば、これらの曲を聴いて育った世代は、10年後、20年後、おそらくサビ部分以外のところはすっかり忘れてしまうような気がする。とすると、久しぶりに同じ曲を聴いた時の懐かしさというのもずいぶん違った形になるのではないかと思う。たとえば、一曲をじっくり聴くよりも、サビ部分だけを15〜30秒程度つなげたほうが懐かしさが倍増するというようなことにはならないだろうか。
【スクラップブック】
  • プロテニスの松岡選手が「スポーツと環境」をテーマにしたHPを開設。テニスボールの再資源化運動にも取り組んでおられるとか。