じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] アイスランドポピー。和名は「シベリア・ヒナゲシ」となっている。英名は「Iceland poppy」もしくは「Arctic poppy」となっており、全般に寒い地方に咲くというイメージを与えているが、実際の原産地はシベリア、中国東北部、モンゴルのあたりだという。各種のケシの中でも草丈が低く、花壇の寄せ植えに向いている。写真は北九州市・響灘緑地のグリーンパークで5月4日に撮影したもの。花壇の後方ではフリーマーケットが開催されていたためたくさんの人たちが集まっていた。




5月6日(土)

【思ったこと】
_00506(土)[一般]ディベートを読み解く(7)「三国人」発言その後

 高速道路のSAで配布されていたニュース(道路公団の関係団体発行?)の中に石原慎太郎・東京都知事を褒め称える寄稿を見かけた。
石原知事の「三国人」発言には問題があったが、東京都内の排ガス等環境対策では抜群のリーダーシップを発揮している。
というような内容だった。

 このことでふと思ったのだが、「三国人」発言問題はけっきょくどのような形で終息してしまったのだろうか。ここでもう一度整理をしてみたいと思う。

 この問題については、
  1. 「三国人」という言葉を使用したこと自体
  2. 「騒擾事件すら想定される」ので自衛隊の治安出動の必要性があると主張した部分
という2つの側面がある。私自身は、4月10日の日記
おそらくネット上でもこの言葉の差別性をめぐって議論が展開されるものと思われるが、私は、差別語云々よりも、「大きな災害では騒擾事件すら想定される」という部分に非常に大きな問題があるように思う。
と述べたが、大方は、1.の側面だけに関心を寄せてしまったようだ。産経新聞は4/13の社説・後半
.....今回の石原発言以来の多くのマスコミの風潮を見ると、「三国人」発言だけを大々的に取り上げて反発をあおり、治安出動などにかかわる知事の考えや政治姿勢まで否定しようとしているように見える。
として大方の姿勢を批判した。それでは2.については、少数ではあるがどのような主張が展開されていたのだろうか。
  • 産経新聞の同日の社説は、石原知事を支持する方向で以下のような主張を展開した[長谷川による要約]
    • 外国人への差別意識の問題と知事が述べた治安の問題とはまったく別のものである。
    • 石原知事が述べたのは「不法入国」した外国人による犯罪が増えているという事実と、将来大災害が起きたときの混乱に乗じた不法な外国人による騒擾(そうじょう)事件の可能性。大災害に乗じた騒擾事件の可能性も将来的には否定はできない。
    • こうした事態や可能性に対して最大限の備えをすることは、知事ら為政者にとっては当たり前のことである。そういう場合の自衛隊の治安出動の必要性を自衛官に訴えたのだったのが演説の目的。


  • いっぽう、私自身は、4月13日の日記
    .....少なくとも現代の資本主義社会における犯罪組織というのは、その国の経済発展に寄生し、支配階級にはならず、あくまで少数派であり続け、かつ法体系を守らずに物やお金を手に入れる集団ということになる。となれば、大災害時に無用な混乱を起こして復興を遅らせることはかえってマイナス。逆にカモとなる人の懐が豊かになるように、復興活動に手を貸す可能性だってある。
     犯罪組織にもいろいろなタイプがあるので一概には言えないけれど、一国の経済体制に依拠して収益をあげるような組織の場合は、まずは保守的になるはずだ。体制がコロコロ変わるようでは寄生できないからである。
    として、「不法入国」した外国人による犯罪が増えている事実を論拠として、大災害に乗じた騒擾事件を想定し、治安出動の必要性を説くのは飛躍があると指摘した。
 その後、4/30の朝日新聞に、田岡俊次・編集委員が「『騒擾事件』発言こそ疑問」という主張が掲載された。これは私の指摘に近い内容を含むと同時に
  • 地震を予知する能力が無く、数十年に一回あるかないかの大地震を契機に一斉蜂起する計画を事前に作っても無意味だし、
  • 発生後に急に蜂起を思いついても連絡が困難。
  • 騒擾事件を起こす目的も見あたらない。
  • 震災後落ち着いてくれば外国人による窃盗もありうるが、これを取り締まるのは警察の役目。
  • 石原知事の「治安出動」の想定は、警察官が建物を掘り返し、自衛官が商店街の警備をさせるようなもので非合理的。
  • 災害対策の責任者である石原知事の非現実的な「想定」は、むしろ震災時の流言飛語の元になる可能性がある。
という形で、石原発言の問題点を明確に指摘していた。この指摘に対しては石原知事から反論があったという話は聞いていない。

 ところで、この連載の主目的である「ディベートを読み解く」という視点から見ると、石原知事の当初の見解
◆大きな災害では騒擾事件すら想定される
と、産経新聞社説の
◆大災害に乗じた騒擾事件の可能性も将来的には否定はできない
では、反証手段が異なることにも注目しておく必要がある。原発言の場合は、主張者側で「想定される」根拠を挙げる責任があるのに対して、産経新聞社説の言い回しでは、反対者が「否定する」根拠を挙げないと反論できないようなニュアンスがあるという点だ。
【ちょっと思ったこと】
  • 高速道路の渋滞を防ぐ方法

     連休と言えば必ず話題になるのが高速道路の大渋滞。私自身は今回の帰省を含めてめったに渋滞に巻き込まれることは無いが、それだけに、上京の際に遭遇する京阪神や東京近辺、首都高速などでの大渋滞がまことに異常に見える。連休最終日の5月7日にも、何十キロにも及ぶ渋滞の列が各所で発生するに違いない。個人が受けるストレスはもちろん、ガソリンの消費、二酸化炭素の放出、そして個々人を高速道路上に拘束することの経済的損失も莫大なものになるのではないかと思う。

     そういえば昨年6月6日の日記でも同じことを書いていたのを思い出した。これは「ザ!鉄腕DASH!!」という番組で、同年の5月1日に収録された「絵画館前から御殿場までの100kmを渋滞の高速道路を通る自動車と、一般道を通る自転車でどちらが早く着くか」という競争企画の感想として取り上げたものだった。競争の結果は自動車のほうが30分ほど早く着いたが、それでも6時間57分。平均時速15kmのノロノロ運転であったわけだ。何とかならぬものだろうか。

     その一案として、このさい連休や年末年始などには、車のナンバープレートの末尾番号による通行制限を行うことも検討してみたらどうだろうか。例えば一日交代で、末尾が偶数の車だけ通行できる日、奇数の車が通行できる日をなるべく公平になるように一日交代で設定しておく。といってもうっかり流入した車を阻止することは難しいだろうから、料金所で、「不一致車」には「渋滞防止協力金」として通行料金と同額を徴収する。真にやむを得ない事情で通行するケースもあるだろうが、その場合は、後日レシートと車検証のコピー、事情を証明する書類を郵送すればハイカで返金が受けられるようにすればよかろう。
【今日の畑仕事】

旅行中ずっと晴れていたため、乾燥はげしく、ナスが萎れる寸前だった。水撒きの後、エンドウ、小松菜、キャベツ、長ネギを収穫。
【スクラップブック】