じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] レンゲ畑。撮影場所の田んぼは以前からカブトエビの繁殖地として注目しているところだが、周辺では住宅地等への転用が進み面積が減ってしまった。




4月28日(金)

【思ったこと】
_00428(金)[一般]『受験勉強は子どもを救う』か(11)大学入試改善に関する中間報告

大学審議会は28日、大学入試改善に関する中間報告をまとめ公表したという。その要旨は
  • センター試験に関して
    • 資格試験的な取り扱いを進める。
    • 過去問の再出題可能に。
    • 総合問題の導入
    • リスニングテスト導入
    • 12月、1月の2回実施。良い方の成績を活用
    • 大学の判断で2002年から前年の成績も利用可能に
    • 成績の本人への開示。
  • 専攻分野は入学後に適性や関心に基づいて決める。学科単位ではなく学部単位で募集することを検討。
  • 入学後の教育を考えて受験科目を増やすことも可能
  • 二次試験の前期・後期比の適切化
  • 入試業務合理化。事務職員の活用
  • 入試問題作成に外部の協力検討。外部試験の活用
  • 入学選抜のあり方を大学の評価対象に
  • AO入試では学力検査を2月以降に実施
となっている。これらの大まかな方向は、すでに新聞などを通じて事前に伝えられており、4月17日の日記で取り上げたことがある。今回の正式な公表をふまえて私自身の考えを整理してみると、
  • センター試験の資格化については4/17に述べたように
    もしセンター試験が資格試験になるとしたら、「高校卒業」資格とはどこが違うのかという点だ。
    • もし高卒の資格だけでは修得内容が不十分というのであれば、「中高→大学」という進学制度そのものに欠陥があることになる。となれば高卒から大学入学までの間に、予備校のような教育システムを挿入することが不可欠になる。
    • 大学入学の資格が高等学校修了程度であことを前提とした上でセンター試験を実施したところ、結果的に高卒者(見込み者を含む)の半数しか合格しなかったら、どう考えたらよいのだろう。これは、高校側がちゃんと教育せずにいい加減に卒業生を送り出していることの証拠になってしまうのではないか。
  • センター試験の年2回実施については、「本来は大学にとって求められているが、たまたまその時の緊張や不安で十分に実力を発揮できなかった受験生」を救い出すチャンスを増やすという点で大いに意味のあることだ。」と述べたが、その後2回実施の1回目をあまり早期に実施してしまうと、高校のカリキュラムを早期にクリアして受験対策に臨める進学校が有利になるという反対論があることを知った。しかし12月実施ということならそれほど弊害は無いように思える。
  • 入試業務の合理化も大いに結構。特に、監督業務に教員を駆り出す必然性は無いように思う。もっとも国立大の場合、定員削減が進む中で、これ以上事務職員に頼ることは不可能。過重な負担により思わぬミスが発生する恐れすらある。
  • 入試は学科ではなく学部単位で募集するという検討項目は初耳であった。同一学部とは言え、1年次に教えるべき基礎科目の内容は学科によって著しく異なる。例えば外国文学・語学系の専攻の場合はそれぞれの専門外国語を修得する必要があるし、私の所属する行動科学科の場合に限って言えば、むしろ統計学や情報科学、各種調査法などをきっちり学んでおく必要がある。学部単位で募集して後で振り分けるということにすると、結果的に専門基礎的な教育の導入が遅れてしまう恐れがある。どういう理念に基づくものなのか、正式の報告書を拝見した上で改めて意見を述べたいと思う。
【ちょっと思ったこと】
  • にんげんゆうゆう

     前にも日記に書いたことがあるが、私の昼食・休憩時間は、少し遅めの13時すぎからになることが多い。雨の日以外は、自転車で5分のところにある自宅アパートに戻って、残り物などを食べる。その際、さいきん、13時からのNHK教育の番組を見ることが多くなった。

     月曜日は手話ニュースと「みんなの手話」。火曜日以降の平日はにんげんゆうゆうの再放送をやっているが、これがなかなか素晴らしい番組で、時として感動を与えてくれるし、福祉や生きがいの問題についていろいろとヒントを与えてくれることも多い。

     4/28はちょうど4月に放送された番組を振り返るという内容だった。司会は柿沼アナウンサー。この日のゲストは自ら癌克服経験をお持ちの漫画家、赤星たみこさんだった。内容としては
    • 第1週「病からのカムバック」:私が拝見した記憶があるのは、バイオリニストの川畠成道さんの話。川畠さんは8歳の時に薬害で視力を失う。その後父親にバイオリンを習い、昨年はデビューCDを出しておられる。印象に残るのは、バイオリンの演奏というのは、ある一定レベル以上に達していれば、そこからあとは(演奏の技巧よりも)演奏者自身の人格が反映するものだという考え方。
    • 第2週「これが私の生きる道」:この週で記憶に残っているのはバルセロナで視覚障害者柔道銅メダルを獲得した宮内栄司さんの話。視覚障害者が外界を知る手がかりとしては、第一には音だが、2番目に顔面の圧覚(風の流れで障害物の存在を感じる)、第3には髪の毛だという。雨の日に傘をさしていて戸惑うのは、雨の音に遮られるからではなく、髪に風が当たりにくくなるためだそうだ。
      同じ週に登場された、鶴田浩二さんの娘さんのカーロン愛弓さんの話も印象に残っている。
    この時間帯より少し前には、みのもんたの健康情報番組もあるが、こちらは主として食べ物の効用の話ばかり。しかし、いくら物を食べても、生き方についての基本的な考えがしっかりしていなければ真の健康は保たれない。この点では、「にんげんゆうゆう」のほうがはるかに価値の高い情報を提供しているように思った。


【今日の畑仕事】

ゴボウの種まき。トウモロコシ用の畑耕す。
【スクラップブック】