じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] ミモザ(たぶん)。


3月29日(水)

【思ったこと】
_00329(水)[一般]自動車の窃盗団から「なりすまし」について考える

 3/29のNHKクローズアップ現代で暗躍する自家用車窃盗団の話をとりあげていた。特に狙われるのは国産のRV車。後部座席のガラスを割ってそこからドアを開け、配線を変える。なかには自宅前の駐車場から盗まれるケースもあるとか。

 特に巧妙なのは、近隣地域で登録されている同じ車種の車のナンバープレートと車体番号を偽造し、それに「なりすまし」てしまうこと。通常の検問では盗難車のナンバープレートをつけた車があればすぐにチェックできるけれど、「なりすまし」た車が駐車違反でもしない限りは、「なりすまされた車」の持ち主がその存在に気づくことはありえない。

 ふつう「なりすまし」というのは、なりすまされた本人が何らかの不利益を被るもの。覚えの無い請求書が届くというように不利益を受けそうになった時に発覚するものだ。逆に言えば、なりすまされた本人が何も不利益を受けない「なりすまし」というのはなかなか発覚しにくいものだと言えよう。

 では具体的にはどんな「なりすまし」が考えられるだろうか。例えば、自分は絶対に車を運転しないと公言している人が山小屋で長期間のアルバイトをしている時に、別人が勝手に免許をとってしまったとする。いったん免許をとれば、事故でもおこさない限りは更新時まで確認を求められることはない。更新時に現住所宛にくる葉書を郵便受けから盗み出してしまえばそのまま更新を続けられる。さらにその本人が海外には絶対に行かないと公言していれば、「なりすまし」人はその免許証をもとにパスポートを作ることもできるかもしれない。

 大学の場合も、本人が入学手続辞退を表明している大学の書類をゴミ箱から拾い出して勝手に手続してしまい、入学金や授業料をきっちり納めてしまえば、そのまま4年間通い卒業証書をもらうこともそれほど困難ではないかもしれない。そういうなりすましをすることでどういうメリットがあるのかは定かではないけれど。

 もちろん、いずれの場合も戸籍謄本や住民票、住所確認葉書などいくつかのチェック機構があることは確かだが、公的な書類はあくまで公的な人間の同一性を保証するだけのことであって、生身の人間と公的な人間が同一であるかどうかまでは必ずしも保証してくれない。一人の公的人間に対して、本人となりすましという二人の生身が居ても、両者に競合場面がなく棲み分けができていれば誰からも気づかれることはない。

 「なりすまし」が一番起こりやすいのはネット上であろう。2/28の日記に書いたことがあるけれど、ネット上の掲示板では、インターネット弁護士協議会の牧野二郎氏になりしました発言がたくさん出てくるとか。ひょっとしたら、私の名前を語ったなりすましもどこかで行われているかもしれない。

 空メイルボタン押しなどの場合も、本人になりすまして押されるとチェックが難しい。通常、空メイルボタンのようなものは気軽な励ましを目的とするもの。押された相手も、いちいち本人確認はしていない。そこで、例えば、ある男女を仲良しにさせようと目論んだ第三者が、二人のWeb日記の空メイルボタンをそれぞれになりすまして押し続けたとする。そのうちに両者がなりすましのアドレスを本人だと思いこんでお礼のメイルを出すようになる。なりすまし人はそれぞれに好意的な返事を書き続けるということもありうるかもしれない。

 
【ちょっと思ったこと】
【今日の畑仕事】

旅行中につき何もできず。
【スクラップブック】