じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] 2/8の21時頃、岡山市内で激しく雪が降った。1時間程度のあいだに3cmほどの積雪があり、翌朝、大学構内各所に雪だるまが出現していた。後ろの建物は文学部(法文1号館)。

2月8日(火)

【思ったこと】
_00208(火)[教育]最近の大学教育論議でおもふこと(12)教官と学生との交換日記?/受講生専用掲示板の現状

 すっかり更新をサボってしまったが1/24の日記の続き。他大学教授による「学生からのフィードバック情報による授業改善..」というテーマの基調講演の後半部分について感想をまとめておきたいと思う。

 講演の後半では、「大福帳」(「形成的授業評価」)と呼ばれる教官・学生間のコミュニケーションがどういう効果をもたらしたのかについての貴重な体験が紹介された。ここでいう「大福帳」とは、簡単に言えば教官と学生との交換日記のようなもの。厚紙のA4型カードが表裏各7回、合計14回分の升目に区切られており、出席した学生は授業終了の5〜10分前に、5行以内で考えを記して教官に提出。内容についての決まりは無く、言いたいこと、聞きたいこと何でもOKということになっている。学生記入欄の右横には3×5cmほどの空欄があり、ここに教官から学生へのコメントが次回までに書き込まれる仕組みになっている。

 講演者によれば、この「大福帳」には、「授業出席促進」、「積極的な受講態度形成」、「教師と学生との信頼関係形成」、「授業内容理解と学習の定着促進」、「自己努力・自己変容の過程の確認」、「授業内容の充実促進」などの効果があるという。このシステムについては、学生からも「大福帳さんだ〜いすき!!」、「魔法のカードよありがとう」など肯定的な感想が寄せられていた。

 講演後の質疑でも発言があったが、このシステムの最大の難点は教官側に多大な時間的負担をかけることにあるようだ。受講生が30人程度ならともかく、80人とか130人となってくると、もはや学生を個別に同定するのは不可能。交換日記と言っても、「あなたの感想はとっても参考になりました」、「今後の授業に活かしたいと思います」といった型どおりのコメントしか書けなくなる。小学生向けの通信添削だったら喜ぶ子どもも居るだろうが、大学生はそれほどウブではない。自分の感想を読んだ上でのコメントなのか、「はなまる」の判子のような型どおりのメッセージなのか、そのぐらいは簡単に区別できてしまうと思う。

 「大福帳」には授業内容についての質問も書き込めるようになっているという。本来質問というのは授業中もしくは終了直後に行うべきものだと思うが、これには時間的な限界がある。また、シャイというか、人前で目立つのを避けるためというか、実際に質問に来る学生はきわめて限られている。そういう点では、誰でも確実に質問をできる機会を設けたという別の意義はあるように思えた。

 講演では学生からの質疑応答機会としてEメイルを利用している教官のことにもふれられた。Eメイルなら時間に拘束されずいつでも気軽に発信できるというメリットがある。しかしこの場合も、返事を書く側が多大な時間的負担を強いられる。受講生から見れば教官は一対一の関係であっても、教官側からは一対多の関係。メイルを送る側は「せっかく丁寧に書いたのに返事すら来ない」などとガッカリするかもしれないが、n人から質問が寄せられれば、返事を送る側は書く側のn倍の労力を要する。これはHPやWeb日記で、開設者・執筆者と読者とのやりとりについてもあてはまることだ。

 ちなみに私の場合は、Eメイルによる質問はなるべくお断りし、代わりにフリーのネット掲示板を「受講生専用」として開設し、質問や要望などを書き込むシステムを取り入れている。これならば、すでに出された質問が重複されることがないし、受講生全体で疑問やその解決を共有できるというメリットがある。もっとも現実には、まだネット環境が整っておらず、質問する学生はそれほど多くない。受講生間のディスカッションとか自主的な疑問解決などが活発になるよう、今後とも整備を続けていきたいと思っている。
【ちょっと思ったこと】
【スクラップブック】
【今日の畑仕事】
多忙につき立ち寄れず。