じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 台風やら秋雨前線の影響やらで蒸し暑い日が続いている。岡大事務局前にも何種類かのキノコが出現。昨年秋にきのこやまの久保さんに伺ったところでは、写真のキノコはシロオニタケもしくはササクレシロオニタケという名前だそうだ。生える場所も時期も昨年と殆ど同じ。

9月21日(火)

【思ったこと】
990921(火)[天文]大地震と月、惑星、台風

 台湾中部で21日午前1時47分(日本時間では2時47分)に大きな地震がおこり多数の犠牲者が出ているという。地震の規模を示すマグニチュードは7.6。台湾で過去100年間に起こった大地震は6.2〜7.0であるから過去最大規模。阪神大震災のマグニチュード7.2に比べても4倍の規模にあたるそうだ。

 皆既日食見物でイランに行った時、日食は不吉な出来事の前触れになるなどと書かれた宗教団体のパンフ(英文)を目にしたことがあったが、1カ月あまりのうちにトルコ、ギリシャ、台湾と3回も大地震が起こると、あるいはひょっとして?と思う人も出てくるかもしれない。

 皆既日食それ自体は、当該地域で一時的に気温を下げる効果(体感温度で5度ぐらい涼しくなったように感じた)と、鳥や昆虫に多少の影響を与えること(皆既食中はブヨのような虫がいっぱい出てきた)はあっても、地殻変動に特別な影響を及ぼすとは考えにくい。ただ、一般的に満月とか新月の前後には地震が起こりやすいとの説があると聞いたことがある。周知のように満月や新月の前後は大潮になる。あれだけ海面を持ち上げる力があるのだから、地殻変動の引き金になっても不思議ではないと言われると簡単には反論できない。もっとも、今回の台湾の地震は月齢11前後で半月がちょっと膨らんだ程度。むしろ「大地震=満月・新月相関説」への反例になると言ったほうがよいだろう。

 地震の発生と台風とを関連づける説もあるらしい。台風が来ると気圧が下がるために海面が通常の潮位より大幅に上がる(=高潮)。海面を1mも上げる力があるのなら断層に影響を与えても不思議ではないと言われるとこれも簡単には反論できない。今回は台風18号がすぐ近くにあるのでいくらでもコジツケができそうだ。

 以上は多少なりとも科学的根拠のありそうな話だが、世の中、すでに起こってしまった出来事に対してはいろいろなコジツケができるものだ。きのうの日記で、木星と土星が近くに見えるということを書いた。これら2つの大惑星の引力が影響を与えているなどという珍説を唱える人も出てくるかもしれない。しかし、いくら大惑星とは言え、上記の月、太陽、台風に比べるとその引力の影響は無視できるほどに小さい。ためしに、太陽〜冥王星の距離(39.54031AU×149597870km= 59億1514万6155km)を富士山の高さに例えた場合、惑星の大きさや距離がどのぐらいに相当するのかを計算してみたのが下の表だ(※太陽系の大きさを富士山に例えるアイデアは『Newton別刷:自然にひそむ数のミステリー』から拝借した。計算は長谷川自身による)。
対象実際の大きさ・距離太陽〜冥王星の距離を富士山の高さとした場合
地球直径1万2742km8mm
太陽直径139万2000km88.9cm
月直径3476km2mm
木星赤道直径14万2984km9.1cm
土星赤道直径12万0536km7.7cm
太陽〜地球1億4959万7870km95.5m
太陽〜木星7億7829万7878km497m
太陽〜土星14億2939万4184km912m
地球〜月38万4401km24.5cm
 この表から読みとれるように、富士山の高さを太陽〜冥王星までの平均距離とした場合、太陽の直径は運動会のたまころがしで使うような89センチほどの球となる。地球はわずか8ミリの錠剤にすぎない。木星と土星はソフトボール程度。地球からの最短距離は木星で400メートル、土星が800メートル余りとなる。天文の本などでは惑星は相当大きめに、また惑星間の距離は圧縮して描かれているために木星や土星がずいぶん近くにあるように錯覚してしまうが、実際には東京タワーのてっぺんにソフトボールを取り付けた場合よりさらに遠くにある計算になる。ま、どんな大木でも切り倒す直前は指一本の力でも影響を与えるので、用心するに越したことは無い。ちなみに、木星が地球に最接近するのは10月22日(衝は10月24日)、10月の満月は25日、土星の衝は11月7日となっている。とはいえ、特定の日だけ警戒して他の日は気を緩めるというよりは、いつ何時たりとも警戒を怠らない心構えが大切。
【今日の畑仕事】
雨のため一度も立ち寄れず。
【スクラップブック】