じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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7月17日(土)

【夏期特別企画:看板を考える(その2)】
[写真4]

 連載2回目は「芝コン禁止」の看板。旧教養部(現・一般教育)構内の芝地にて撮影。4月からずっと設置されている。昨日の花火禁止の看板には「近隣の迷惑になるので」という理由が付されていたのに対し、こちらは特別の理由がなくまた「禁止」ではなく「厳禁」というより厳しい表現になっている。

 これと同一の看板は一般教育構内のみに設置されており、他の学部のあるキャンパスでは見かけない。そこから推測してみると、一般教育に通学している学生の場合、現役であれば4月時点で2回生まですべてが20歳未満、法律上はアルコールを摂取できないので、大学としてわざわざそれを推奨するわけにはいかないということかと思ってみたりする。もっとも20歳未満の学生が多いということで禁止するならば、同じ理由から「構内全面禁煙」措置があっても不思議ではないように思う。

 これにかわる理由として考えられるのはゴミの不始末である。たまたま今年度前期、私は月曜1コマ目に教養教育科目「心の科学」を教えるためにこの場所を通るが、4〜5月は、ゴミ籠からあふれ出したゴミが芝地に散らかっていた。その多くは食べ物の残り物。土曜日夜に芝コンをやると月曜朝までゴミは回収されないままに残る。構内には野良猫やカラスが多いので、少しでも食べ物が残っているときっちりゴミ箱に入れても引きずり出されて散らかされる。こうした清掃上の手間を省くというのが本当の理由かもしれない。

 余談だが、全国の大学の中には、構内での飲酒を一切禁止している所もあるようだ。関西学院大学に行った時そんな話を伺った。ミッション系の大学に多いようだ。
【思ったこと】
990717(土)[一般]初日なのに観客9人とは...

 期末試験が終わってヒマになった息子の提案で、妻と息子と娘の3人が、「ホーホケキョ となりの山田くん」の映画を観に行ってきた。電話で「きょうは初日ですが混んでいますか」などと問い合わせていたようだが、先方は「大丈夫です」との返事。で、車で迎えに行った時に、どうや混んでいたかと聞いてみたところ、なんと自分たちのほかには6人しか観客が居なかったという。

 この映画は、いしいひさいち原作、山田太一脚本、高畑勲監督のスタジオジブリアニメ作品であるが、直前までどこの映画館で上映しているのかさえ分からなかった。あとで調べたら、7/14の朝日新聞で広告つきで紹介されており、息子もそこから情報を得たようである。それ以外にこれといった宣伝が無かったとは言え、土曜日の午後の時間帯に1ケタの観客では映画館もジブリも経営が成り立つのだろうかと少々気の毒になった。

 そういえば、私自身、映画館まで映画を観に行くなどということは全く無くなってしまった。少なくとも昔住んでいた長崎と、越してきたあとの岡山では一度たりとも映画館に足を運んだことが無い。たぶん20年以上行ったことが無いように思う。

 私が子どもの頃はまだカラーTVなど無かったので、大人にとっても子どもにとっても映画は大きな楽しみだった。渋谷に完成したばかりの東急文化会館には大きな垂れ幕が下がり、リアルな絵が話題を呼んだものだ。ビデオ化されている「バンビ」や「白雪姫」、「眠り姫?」、「101匹わんちゃん」などのディズニー作品が夢を与えてくれた。当時は同じフィルムを複数の映画館掛け持ちで上映することもあったようで、いつぞや「西遊記」という映画を観に行った時などは、後半部分のフィルムを運ぶ車の到着が遅れて1時間近く館内で待たされたことがあった。

 中学3年ぐらいからは、土曜日の午後などに一人で観に行くようになった。高校時代には毎月2回以上は観に行ったものである。よく通ったのは東急文化会館にあった東急名画座。当時上映されていた作品で人気のあったものと言えば「卒業」とか「ロミオとジュリエット」など。大学に入ってからは、京一会館とか祇園会館?など。いずれも現在は廃館になっていたと思う。やはりカラーテレビとレンタルビデオの普及の影響は大きい。

 もとの話に戻るが、今度の映画のタイトルが「となりの山田くん」でなくて「ホーホケキョ となりの山田くん」となったのは、ジブリ所長の宮崎駿氏や高畑監督の意向によるところが大きいのだそうだ。高畑作品には「火垂るの墓」、「おもひでぽろぽろ」、「平成狸合戦ぽんぽこ」というようにタイトルに「ほ」の文字が入るという法則があったそうだ。宮崎作品のタイトルに「の」が入るという話はよく聞いたことがあるけれど、「ほ」の字の法則があるというのは知らなかった。私は結局行かなかったけれど、家族全員で楽しめるほのぼのとした作品らしい。閑古鳥の「ほーほけきょ」の鳴き声にならぬよう、お暇な方はぜひ足を運んでほしいと思う。
【ちょっと思ったこと】
  •  7/18の朝日新聞一面に“大学院の身内主義「不可」”という記事。修士課程の入学者のうち他大学の出身者の割合は3割にも満たないが、その一因として指導教授が手塩にかけた学生を手放したがらないために、学生が他の大学院への出願を希望しても推薦書の所見欄の記述を拒んだり、自分の大学院を受けさせるように「説得」する傾向が強いためという。その対策として、所見欄を廃止するなどの案が浮上しており、近くまとまる大学審議会の答申に盛り込まれるという。

     少子化が進むなかで、放置しておけば、大学院の定員分の入学者を確保するために指導教授が学生の進路を干渉する傾向がますます強くなる恐れがあるが、これは一種のアカデミック・ハラスメントであると言える。この問題を含めて、大学院生が指導教授と対立を起こしてもそれを原因として進学や博士論文審査上で不利益な扱いを受けないよう、指導方式を制度化していく必要があるだろう。

    ※念のため言っておくが、少なくとも私が指導している学生については他大学の大学院受験は何でもOK。所見欄の記載にあたってはあらかじめ当該学生に自己PR文を書かせるなどして、できる限り本人の特長がアピールできるような内容になるようにつとめている。実績としても教室全体で旧帝大系の大学院に毎年2〜3名の入学者を送り込んでいるし、その一方で他大学や外国からの入学者も高い比率で受け入れている。
【生活記録】
【今日の畑仕事】
  • 「人生の最高の意義は物を作り収穫することだ」などと息子をおだてて同伴させる。トウモロコシ4本収穫(計10本)。トマト大1個、インゲン、オクラ、ミニトマトいっぱい収穫。スイカ1号がひび割れしていたのでやむを得ず収穫。普通のスイカの味がしたが、ちょっと日がたちすぎた感じ。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】
  • くらしき作陽大は、音楽によって心身の健康回復を図る音楽療法の専修コースを2000年度から設置。音楽療法士は現在は全日本音楽療法連盟が認定しているほか、国家資格への検討が始まっているとされ、それをにらんでの開設となったという。