じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 農学部の空き地で、ホトケノザに混じってヒメオドリコソウがたくさん生えているところを見つけた。なぜ同じ所に2種の植物が寄り集まっているのかは不明。ちなみに、ここにあるホトケノザは、春の七草に1つであるホトケノザ(=コオニタビラコ)とは全く異なる。


4月10日(土)

【思ったこと】
990410(土)[生活]「西」を知らなかった娘

 昼頃、娘が「ねえ、西ってどっち?」と聞く。いったい何のことか、まさか西の方角が分からないのではあるまいな、と思ったが、ホンマにそれが分からないのだということが判明した。娘は5年生になったばかりであるが、私が5年の頃は天文少年で、方角はもちろん、どの季節にどこにどういう星座が見えるのかまでだいたい覚えていたものだった。

 しかしこれもやむを得ないことかもしれない。文部省が98年7月に小学校2、4、6年生と中学2年生計1万1000人とその保護者に体験活動について調査した結果によれば、「太陽が昇るとことや沈むところを見た」ことが「ほとんどない」と答えた比率が男子34%、女子36%。同じく「夜空いっぱい輝く星をゆっくり見た」ことが「ほとんどない」比率が男子26%、21%と2〜4割を占めていることが分かったという【1998年12月4日の日記参照】。うちの娘の場合も、朝は6:30〜7:00頃に起きてくるし、仮に早くから起きてもわざわざベランダに出て日の出を見ようとはしない。夕刻も、友達のところ(これもアパート)や自分の部屋の中で過ごす。だから、「西ってどっち?」に対して、「そんなもの太陽の沈む方向に決まっているじゃないか」と教えるのでは意味が通じないことになってしまうのだ。

 このほか、畑を耕したり花を植える時にはどっちが南かを気にするはずだが、娘はそういうものに全く興味がない。また、街の中での道探しは、大きな建物や道路を目印にするので方角を知る必要がない。山に登っても、家族の後をついていくだけなので自分で磁石を確かめる必要がない。結局のところ、いまの娘にとって、方角というのは自分の行動の手がかり(=弁別刺激)として活用されていない無意味な情報ということになっているようだ。

 いつぞや、電車がパンタグラフから電気をもらって動いていることを息子が知らなかったと書いたことがあった。息子は、新幹線も路面電車も、ガソリンエンジンのようなもので動いていると思いこんでいたのだ。これも上記の場合と同様で、我が家では大概は自家用車で移動するので、岡山市内を走る路面電車には殆ど乗ったことが無い。いちばん近くを走る津山線はディーゼルカー、新幹線に乗るときもホームから落ちないように気を付けろとか、座席が空いているだろうかとか言われ続けているためにパンタグラフまで目をやるゆとりが無い。日常生活体験が伴わない知識などは、どんどん忘れ去られていくのがむしろ当たり前ということになるのだろう。

 この日記を読まれた方で小学校高学年のお子さんがおられたら、ぜひ一度、「西ってどっち」という質問をしてほしいと思う。その方角をどうやって知ったか、日常生活の中でどういう手がかりとして利用しているか、お互いを更新する掲示板などでお教えいただければ幸いです。
【ちょっと思ったこと】
  • 4/9の朝日新聞によれば、つくば市の共同研究グループが、1回の遺伝子操作で、乾燥、寒さ、塩水のいずれにも強い植物を開発したという。農作物への応用も近いというが、素人目からみると、もしそんな植物が雑草化してしまったら地球上にはびこるのではないかと心配になってくる。繁殖能力とか耐病性のほうはどうなっているのだろうか。
【5LDKKG作業】
  • 野菜の苗(トマト、ナス、ピーマン)を購入。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】
  • 文部省によると、今春の大学入試では、16大学で出題ミス、5大学で合否判定ミスがあった。例年に比べ、合否判定に際してのプログラムの設定ミスが目立つようになったという。甲南大学のように昨年春のミスが明らかになったケースもあった[4/9朝日]。