じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

3月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真] 馬酔木の花。昨日、辛夷の花をとりあげたが、堀辰雄路線を踏襲すれば次は当然、馬酔木の花となる。この季節、他に白い花で目立つものがもう一種ある。さて何でしょう。明日のお楽しみということで。


3月25日(木)

【思ったこと】
990325(木)[一般]二者択一思考からの脱却

 昨年の9月29日の日記に「血液型性格判断」に関連して「零から壱のあいだ」にちょっとふれたことがあった。じつはまだあの続きは書いていないのだが、あの中の
多様な可能性への理解:二者択一の議論、もっと広く言えばカテゴリカルな思考には、多様な可能性を見失ったり、排除してしまう恐れがある。時間が無いので、細かい言及は避けるが「最高裁の判事の国民審査」の問題、「あなたは憲法改正に賛成ですか」というような質問、あるいは「右翼か左翼か」など....。
という二者択一を戒める部分は、多様で複雑な情勢に対応していく上で大切な視点ではないかと思う。

 ここ数日、能登半島沖の不審船問題、NATOのユーゴ空爆というようにキナ臭い話題が新聞紙上を賑わしているけれど、単に射撃(爆撃)するかしないかという二者択一以外にもっと可能性をさぐってみる必要があるように思う。

 不審船問題の場合、なぜ領海侵入直後に発見できなかったのかという問題もあるけれど、追跡する段階で、とるべき手段が警告射撃だけしか無いというのはあまりにもお粗末であるように思う。

 日記よみ日記の3/24のところにも書いたけれど、
威嚇というのは「命令に従わなければ撃つぞ」ということなんだろうが、絶対に撃たないと決まっているならば威嚇にはなり得ない。どうせ直撃できないのだったら、爆弾など投下せずに、巨大なトロール網を空からぶっかけるとか、スクリューが回らなくなるようなネバネバ球を大量に投下するとか、真っ黒なペンキをかけてで視界を失わせるなんていう手もあったと思うのだが...。
と考えることもできる。いくら相手の船の速度が速いと言ったって航空機では追跡できたのだから、相手の船の速度を遅らせたり操縦を妨害したりするための手段は他にも考えられたはずである。食料品店で、20倍に膨張する乾燥ワカメなんかを売っているが、海中に投棄したらたちまち膨張してスクリューに絡まるような巨大ワカメを開発しておけば大いに役立つはずだ。

 もちろんこういう行動をするには事前の準備が必要だ。現実には大砲や爆弾といった破壊・殺傷手段しか装備していないから、結局は警告・威嚇にしか使えない。実際に使用でき、かつ相手に対する先制攻撃と見なされないような妨害手段を多様に検討すべきである。これこそが、二者択一的な固定観念からの脱却につながる。

 ユーゴの問題でも似たところがある。「交渉を拒否したら空爆するぞ」というのは国家レベルでの「嫌子出現阻止(=回避)」の随伴性による行動制御をめざしたものであった。ところが、ユーゴ大統領はかたくなにそれを拒んだ。そこで現段階ではNATOは「交渉を受け入れなければ空爆を続けるぞ」という「嫌子消失(=逃避)」の随伴性によって打開をめざそうとしている。ここで考えなければならないのは、空爆が本当に嫌子になりうるのか、もっと有効な嫌子は無いのかということだ。

 例えば爆弾の代わりに、偽札を大量にばらまくという方法はどうだろうか。これによって都市の経済は大混乱に陥る。偽札でなくて本物のドル紙幣でもよいだろう。多くの人がそれを拾えば、ユーゴとしては、ドル紙幣使用禁止もしくは拾ったら拠出せよとの命令を出さざるを得ない。こうなると以前からドル紙幣を蓄えておいた資産家は大いに困り交渉受諾の方向で働きかけを強めるかもしれない。

 不快な節足動物や環形動物をばらまくという方法もある。あまり大量であれば生態系を壊す恐れもあるけれど、少なくとも爆撃で犠牲者が出るよりはマシだ。単にタイヤをパンクさせるだけのマキビシのようなもの(磁石で回収できないものがよい)、覚醒剤、エッチな写真でもよいだろう。こういうことを書くとひどく不真面目で暴力肯定論者のように思われるかもしれないけれど、そう思われた、あなたは、なぜ空爆ならOKと言いきれるのか、爆弾を落とすのはOKで覚醒剤を投下してはなぜいけないのか、もういちど考えてほしいと思う。

 誤解が無いように念を押させていただくけれど、私は別に戦争肯定論者ではない。どんな場合でも、嫌子ではなく好子(例えば援助のようなもの)で交渉が進められればそれにこしたことはなく、これが大前提でなければならない。言いたいのは、不幸にして戦争状態に陥ってしまったとしても、そこでとるべき攻撃手段は必ずしも爆撃のみではないということだけだ。
【生活記録】
【5LDKKG作業】
  • 夕刻、近くのホームセンターでコンテナ10個を買う。雨ざらしになっていたので夜これを洗う。
【パズルを作る(5):Cross Breakerあるいはラッキーパズル】

[Image] [Image]  日本では、はなやま玩具から「ラッキー・パズル」という名前で市販されているもの。オリジナルはF.A.Richter and Companyによるもので、The cross breaker puzzleと呼ばれていたらしい。

 写真左側は、木製のもので市販されているかどうか不明。右側は自作。要するに4×5の長方形を2個の直角二等辺三角形、4個の台形、1個のハウス型に分割したものだから、木工品売場から直角二等辺三角形の木片を買ってきてボンドで張り合わせれば簡単に作れる。

 昨日ご紹介したタングラム同様、いろんな形ができる。はなやまからはいろいろなシルエットが何冊もの小冊子に収められていた。また、子ども向けには確かジュニア・ラッキーパズルという名前の立体版があった。アヒルとかリンゴなど、プラスチックの枠がついていて楽しめるようになっていた。形を触ろう(6)というページに紹介されているが、これもはなやま玩具製造のもの。いまも売られているかどうかは不明。

 ところで、はなやまの小冊子には確か著作権表示があったと思ったが、こうした切片を組み合わせたシルエットには果たしてどの程度の著作権が及ぶものなのだろうか。少なくとも、昨日紹介したタングラム、くもんのニュータングラム(「ニュー」といっても実際は今から250年以上に知られていた「清少納言知恵の板」と同じ切り方)、そしてこのクロス・ブレーカーに限っては、切り方自体はすでに多くの本に紹介されておりオリジナリティは全く認められないように思う。図形の組み合わせたシルエットも、コンピュータで自動的に組み合わせて作成できる程度のものであればオリジナリティがあるとは言えないだろう。

 シルエットに対するネイミング、あるいは、切片をはめ込むための枠板となればかなりのオリジナリティがありそうだ。「十字形」とか「長方形」といったように誰が見ても思い浮かべられる名前まで著作権を主張されては困るけれど、法律的にはどう処理されるのだろうか。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】