じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] カルセオラリア。巾着草。英語ではpocketbook flowerあるいはpouch flowerなどと呼ばれるそうだ。毎年この時期から花屋の店頭に並ぶ。花が終わったあとベランダの日当たりのよい所に出しておくと、2度目あるいは3度目の花を楽しむことができるが、夏越しは不可能。露地植えも無理。


3月7日(日)

【思ったこと】
990307(日)[一般]ついに私も「だんご三兄弟」ネタ(前編)

 「おかあさんといっしょ」の中で歌われた「だんご三兄弟」が人気をよんでいるという。子どもたちが大きくなってしまってこの番組を見る機会は全く無いが、「みんなのうた」か何か別の番組で流されていたのを2、3回聞いたことがある。その2、3回だけで基本的なメロディが私の頭に入ってしまったところをみると、やはり人を引きつける歌なのだろう。

 ところで50年代生まれ(←昭和50年代だったらいいんだがなあ。がはははh)の私の世代ともなると、この歌詞、どことなくNHKのラジオ番組「ヤンボー、ニンボー、トンボー」を連想させるところがある。といっても、ストーリーは殆ど記憶に残っていない。猿の三兄弟がインドのお父さんに会いに行く冒険物語であったと思うが、定かではないし結末も知らない(←ま、全員が虎に食われるという結末でもなかろう。ハッピィエンドに終わったに違いない)。確か、黒柳徹子がカラス役として登場していたと思う。

 このヤンボー、ニンボーに限らず、3人兄弟が登場する物語はたくさんある。有名なところでは、「3匹のこぶた」か。子供向けの「空飛ぶじゅうたん」、日本民話の「やまなしもぎ」など、枚挙にいとまがない。
 子供向けにアレンジしたものだとは思うが、私が読んだ「空飛ぶじゅうたん」は、3人の王子がお姫様との結婚を目当てに「空飛ぶじゅうたん」などの宝物を探してくる話。但し、宝物では決着がつかず、改めて弓を引いていちばん遠くまでとばせた王子にお嫁にやろうということになる。3人目の王子の引いた矢は遙か遠くに飛んで行方不明になり、それを探しに行くと....というように続く。

 「やまなしもぎ」は病気のお母さんがやまなしを食べたいと言ったので3人兄弟が長男から順にそれを探しに行くが、長男と次男は途中に居た婆さまの注意を守らなかったので沼の主に食べられてしまい、三男がそれを救ってやまなしを取ってくるという話。昔、「こどものとも」で読んだ。
 3人兄弟が登場する物語ではたいがい、末っ子がいちばんしっかりしていて、兄たちの失敗を克服する。これに対して長男は、藁の家を作った「3匹の子豚」に代表されるような甚六タイプもあるし、しっかりものタイプの場合もある。上記のヤンボーは主題歌では「しっかりもののヤンボー」と歌われていたと記憶している。これにひきかえ、次男は損ばかりしている。ニンボーは「あわてん坊」だったか「食いしん坊」だったか忘れたがあまりよい描写はなかったと思う。こんどの「だんご三兄弟」の次男の描写などは好意的なほうではなかろうか。
兄弟による行動特性の違いには動物でも見られる。有名なところでは、ニホンザルの群の中での優劣関係だ。この優劣は2頭のサルから等距離の位置に餌を投げてやると容易に知ることができる。まずは家系による優劣があり、ついで同一家系内での優劣がある。もし三兄弟(姉妹)とも群の中にいたとすると、まず例外なく、三男(女)が最優位、ついで次男(女)、そして長男(女)はいちばん劣位になってしまう。これは、先に生まれた子と後から生まれた子が喧嘩しそうになった時に、母親が後から生まれた子のほうを守るために後天的に形成された関係であろうと考えられているようだ。
 兄弟姉妹の特徴をよりシステマティックに考察したものとしては、畑田国男氏の『兄弟姉妹型人間学』(主婦と生活社、ISBN4-391-11610-3)がある。但しこれは3タイプではなく、第一子、末っ子、中間子(上下に兄弟がいる)、一人っ子の4タイプに分けてある。本の裏表紙には10万人のデータを集めたと書かれてあるが、データの集め方、紹介のしかた、解釈のしかたは血液型性格判断と非常に似通ったところがある。兄弟姉妹の位置が個々人の性格や行動特性に影響を及ぼすことは認めるとしても、畑田氏ご自身の分析方法の曖昧さについては血液型性格判断と同様に批判されるべき点が多々あるように思う()。
上掲の畑田氏の本は、第一章で、血液型性格判断の種々の欠点を指摘しておりそれ自体は納得できる内容になっている。
 いずれにせよ、こうした兄弟(姉妹)観はともすれば、「長男(女)だから慎重」、「次男(女)だから風来坊」、「末っ子だから甘えん坊」といったステレオタイプな偏見を助長する恐れがある。原作者にその意図が無かったとしても、列挙された各タイプの特性のうち攻撃やマイナス評価に使える部分だけが一人歩きし、あげくの果てには就職差別やお見合いの破談をもたらす恐れすらある。

 外国、少なくとも欧米では、兄弟姉妹がお互いを呼び合う時は名前を使うという。日本ではなぜか兄姉に対しては名前を使わず「兄さん」、「姉さん」と呼ぶ。相続上は平等であると言っても、死ぬまでこの「上下」関係的な呼称が続くのはあまり良い気持ちがしない。

 大規模な調査を行えば、上記の第一子、末っ子、中間子、一人っ子という4タイプにさまざまな特性についてのさまざまな有意差が見られるかもしれない。しかし仮に見られたとしても、それらは、当てっこや人事採用基準に使うのではなく、あくまで個人本位の目的と今後の子育ての改善に役立てていくべきである。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
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【5LDKKG作業】
  • 本の収納。文庫本専用の本棚搬送。絨毯敷き。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】