じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
妻と娘による手製のバレンタインチョコケーキ。 |
【思ったこと】
990214(日)[言語]数字と助数詞の読み方(2):4本、4人、四条、四国、4ドル...の読み方 2/11の日記で、マジカル頭脳パワーの番組をきっかけに、「三」のあとにくる助数詞が「三階」、「三杯」、「三千円」のように濁音になりやすいことにふれた。そのさい、「四」のあとの助数詞は必ずしも濁らないように思うと書いたところ岡島昭浩さんから、地方によっては「ヨンボン」と濁るところがあるという情報をいただいた。この情報は、岡島さんの96年9月20日の日記に記されており、三のあとがなぜ濁るかについても考察されている。 そのページにもあるように、「シ」ではなく「ヨ(ン)」という訓読みが使われるのは「しの字嫌い」の影響らしい。確かに、「四人」を「シニン」、「四年」を「シネン」とは読めないよなあ。 もっとも、何でもかんでも「シ」を避けるというわけでもなさそうだ。京都の東西の通りは「シジョウ(四条)通り」、京阪京津線には「(シノミヤ)四宮という地名もあった。 もっとも、京都の通り名は、四条以外も「シチジョウ(七条)」、「クジョウ(九条)」というように簡潔な音読みで共通しているようにも思える。それから同じ「四条」でも「旭川四条」は「アサヒカワヨジョウ」と読む。北海道を旅行した時に、あれ?と思ったことがあった。他にも「四国」、「四月」を初めてとして、「四季」、「四天王」、「四十肩」、「四十七士」、「四十九日」...というように「シ」を使うことも多いようだ。一日はニジュウヨ(24)時間なのに「ニジュウシ(二十四)の瞳」と読むのは何故かなあ。 これも余談になるが、「四月」のアクセントは東京弁では「シガツ」(赤字がアクセントの高い部分)であるはずだが、北九州出身の妻は「シガツ」と発音する。「四国」については東京弁は「シコク」だと思ったが、私自身は東京育ちであるにもかかわらず「シコク」と発音する。四国から来た人との接触が多く、ネイティブな発音にいつの間にか合わせたせいだろうか。 「ヨ」、「ヨン」、「シ」の使い分けについては、岡島さんのページやそこに紹介されている文献に説明があるものと思われるが、私のほうではまだ拝見できていない。 三省堂の『新明解』第五版によると、外来語を修飾する時は常に「ヨン」を用いるという。確かに、「4ページ」、「4ポイント」、「4クラス」、「4ドル」、「4エックス」、「(鉛筆の)4B」、「第4レーン」、「4メガバイト」、「4cm」、「4mg」というように、「ヨン」だけを使いますなあ。ただその理由は分からない。誰かが決めたのだろうか。外来語が続く場合のこのルールは「ナナ(7)」についても当てはまるように思うが、「シチミリ(7mm)」、「シチドル(7ドル)」という言い方はそれほど不自然には聞こえない。 上の「ヨン」と「シチ」の違いから想像するに、「シ」が1拍であるために聞き取りにくく、電話やラジオでの正確な数値の伝達に支障があったことも「シ」を「ヨン」と読む原因になっている可能性があるように思う。じっさい、ラジオの株式ニュースでは「二」をわざわざ「フタ」と発音していたように思うが、これも正確な伝達のためではないだろうか。もっとも気象通報で「風力2」は「フウリョク ニ」であったようにも思う。こんどちゃんと聞いてみなければ...。 最後になるが、上にリンクさせていただいた岡島さんのページには、大学名の略称(たとえば「福井大」、「福岡大」、「福島大」、「島根大」...)とか、女性名のアクセント(たとえば「はるな」と「はるえ」の違い)、京都の通り名が交差した場合の優先順位(たとえば「西大路」と「四条」のどちらが上に来るか)など、この1ページ分だけを拝見してもたいへん興味深い話題が多い。ことば会議室や目についたことばを通じて大いに勉強させていただこうと思っている。 |
【新しく知ったこと】
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【生活記録】
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【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
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