じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

1月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真] ネコの手入れ。前にも書いたように、結婚前から妻が飼っていたもので推定17歳。アパート内でペットの飼育ができないのでずっと実家に預けている。比較的温暖な気候であること、家の中にはいれず過保護にしていないことが長生きの秘訣か。岡山に戻る前に蚤よけの首輪をとりかえ、ブラシをかけてやった。

1月4日(月)

【思ったこと】
990104(月)[生活]岡山に戻る

[写真] 朝10時半に北九州を出発、山陽道経由で岡山に戻ってきた。高速に入る前に寄り道をしたので正確な値は分からないが、推定の走行距離は約380km。
 正月明けの平日とは言え、関西方面に向かう車は相当の数で、二車線とも車間距離20m以内で車が連なり、時速100kmで走る危険な場面もあった。なんとか切り抜けて、岡山県内に入ったあたりで、倉敷〜岡山間で渋滞3kmという情報。そこで子どもたちをあらかじめトイレに行かせるために道口PAに入る。20分ほどの休憩を終えて再び本線に入ったら、すぐ先から急に混雑。イヤに早く渋滞したと思ったら、これは全く別物の事故によるもので、しばらくしてからパトカー、救急車、消防車などが駆けつけてきた。写真は、事故現場手前の高梁川付近の様子。
 約40分ほどノロノロ走ったところでようやく事故現場に到着。全部で5〜6台が追い越し車線に止められており、先頭の3台は前面がペシャンコにつぶれていた。そう言えば、各所で、無理な車線変更をして、後ろの車がブレーキを踏んでいる場面を目撃した。いくら注意して運転していても、これだけ車間距離が狭められていてはどうにも防げない。道口PAに立ち寄らなかったらまさにこの衝突に巻き込まれていたかもしれない。恐ろしいことだ。
 この事故のおかげ?で、倉敷〜岡山間の渋滞は完全に解消していた。家に戻ってからは、まず観葉植物の水やり。そのあと、年賀状とEメイルのチェックなど。
 仕事始めにあたっての新年の決意を書こうかと思っていたが、時間が無くなってしまった。がはははh。
【思ったこと(2)】
990104(月)[心理]裁量労働制と強化スケジュール

 NHK6時台の「情報朝一番」で、裁量労働制について紹介していた。途中から聞いたので、細かい内容は確認できなかったが、gooで検索したところでは、要するに、労使間の協議により、給与を「時間に応じて支払う」方式から「労働の結果に応じて支払う」方式に変えることができるということらしい(政府側の資料がこちらに。この改正に批判的な意見を述べているサイトがこちらにあった)。
 番組では慶應大の清家教授がこの方式のメリットと弊害について解説しておられたが、その基本は、B・F・スキナーが50年以上も前に、「時隔スケジュール」と「比率スケジュール」という強化スケジュールの問題として論じた内容と何ら変わりない。スキナーの名は忘れられても、強化スケジュールの基本原理がちゃんと活かされているようだ。となれば、このメンバーに、行動分析学の専門家が加わっていないのは残念。

 参考までに、スキナーは『科学と人間行動』(1953年)の第6章102〜103頁の中で、裁量労働制のもととなる比率強化スケジュールについて次のように述べている[訳文は長谷川による]
[固定比率スケジュールは]教育場面でよく使われるスケジュールだ。そこでは、学生はある課題や論文やその他一定量の仕事が完成した時に強化される。専門的技能にたいして支払われる報酬、あるいは歩合制の販売などが、本質的にはこのスケジュールに基づいている。産業労働では、出来高払いの仕事として知られている。 これ自体は、ふつうは雇い主に気に入られる強化システムである。所定の結果を生むのに必要な労働コストが前もって計算できるからである。
 固定比率強化は、率があまり大きくない場合には非常に高い反応率をもたらす。これは入力-出力関係に従うはずだ。反応率がちょっと上がると強化頻度も増える。その結果、さらに反応率が増えていく。もし他の要因が介在しなければ、反応率は最高限度まで達するはずである。組織的労働場面でこれを制限する要因として感じられるものと言えば、単なる疲労である。このスケジュールによってもたらされる高率の反応と長時間の労働は、健康に危害を及ぼす危険がある。出来高払いの仕事に対してふつう労働組合が猛烈に反対する主たる理由はここにある。
 このタイプのスケジュールに対しては別の反対理由もある。反応率が増えるにつれて、強化を与える側の会社組織がより大きな率を設定していくことである。実験的検討で、最初の段階で反応10回ごとに強化したあと15回ごとの強化に切り替える。最初からは無理でも、こうすれば、100回ごとの強化でも可能であることに気づく。産業労働の場合でも、出来高払いのスケジュールによって生産性を上げた労働者は、非常に多くの週給を受け取るだろう。それを実感した雇い主は、同じ基本賃金あたりで要求する仕事の量を増やせると確信する。比率強化が続けられると、固定時隔強化と同様に、強化の直後の行動の生起確率は非常に低くなる。この効果は定率の値が大きいときに特徴的に表れる。この時点で生活体は、次の強化から「遙かに遠い」位置に置かれるからである。出来高払いのスケジュールが使われる場合、それが産業労働、教育、営業販売、専門職などどれであっても、1つの作業が終わった直後になると特に、無気力や無関心な状態が観察されることが多い。いったん反応が始まると、反応をすればするほど状況は改善され、強化が生じる確率が高まっていく。生活体がより高速で反応するにつれて、ゆるやかに加速されるカーブが描かれる。高い率を課するの定率スケジュールのもとで最終的に行き着くこのような状況は、全体的な反応遂行にとっては効率的とは言い難い。どちらかと言えば与えられた時間を有効に使わなくなるし、高速の反応をすることは著しい疲労をもたらすだろう。
 比率強化についての実験的検討によれば、生活体の種類と強化の測度に応じて、行動維持が不可能になるような率の限界値があることが明らかにされている。この限界値を越えた率のもとでは、脱力(abulia)と呼ばれる(第5章参照)極度の消去に陥る。一連の反応と反応との間に長時間、不活発な状態が起こるようになる。これは身体的な疲労ではない。別のスケジュールのもとでは容易に行動が起こるからである。これはしばしば「精神的」疲労と呼ばれる。しかしこの名称を使っても何も新しい知識を付け加わらない。一定の値以上の高比率を課する強化に対して生活体は行動しないという事実だけが意味を持っているのだ。比率強化についての実験的研究と日常生活への実用的な応用のいずれにおいても、高比率を課することによる過労の最初の徴候をこの休止期で観察することができる。ハトが完全な「脱力」に陥って反応を全く止めてしまう前に、しばしば強化後に一定時間反応を休止することがある。同様に、学期末リポートを締め切り間際に猛烈なスピードで仕上げた学生は、新しい研究課題に取り組むことに困難さを見出すであろう。
 比率強化で極度の疲労が起こるのは、自己調整メカニズムが働かないためである。時隔強化[長谷川注:時間給のようなスケジュール]はこれに対して、消去に向かうどんな行動傾向に対しても逆向きの強化が働く。というのは反応率が下がると、それに応じて、より少ない反応でも次の強化を受けられるようになるという事実があるからだ。変動時隔スケジュールにもまた自己維持機能がある。生活体は、所定の反応率のもとで、どういう長さの時隔のもとでも反応を安定させることができるからである。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【夕食後の夫婦の散歩】------105日目(妻は98日目)[娘は5日、息子は4日]。ポケット・ピカチューで4890歩----
 北九州から戻ってきたばかりでくたびれているので、大学構内への散歩は無し。かわりに、車から荷物を運び出すために階段を何度も往復する。なお、上記の歩数は、朝からの累計。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】