じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

12月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
[今日の写真] 楓と時計台。12/4は推薦入試があり、構内には受験生がたくさん来ていた。娘さんの推薦入試の付き添いをしている日記作者も居られるに違いない。

昨日から当日朝の日記 ------------------------------------------------------------>

12月4日(金)

【思ったこと】
981204(金)[心理]中年--その不安と希望
 堺屋太一経済企画庁長官は4日の閣議に、98年度の国民生活白書「中年--その不安と希望」を提出したという。まだ内容は項目程度しか拝見していないが、テレビや新聞の報道によれば、中年を正面から取り上げるのはこれが初めてであるという。

 じつは私のゼミでも3回生の2つのグループが、中年や高齢者の労働と生きがいに取り組んでいる。心理学の研究の中には、たくさんの人にアンケートをとって「何たら意識が高いと何たらと感じる傾向が高い」というような相関研究を行うものも多いようだが、私のゼミではあくまで一対一の聞き取りにこだわっている。といっても、ただ漠然とインタビューするのではなく、行動分析学の視点から、それぞれの人が日々どういう行動をしてそこにどういう結果が随伴しているのかを洗い出すという方式をとっている。

 労働に結果が随伴するといってもその内容はさまざまに異なっている。たとえば
  • 「収穫」とか「完成」のように行動が必然的に導く結果が随伴する場合と、給料のように第三者によって人工的に付加された結果が随伴する場合
  • ポジティブな結果が随伴する形で働く場合と、「現在の地位や収入が失われる」ことを阻止するために働く場合。
  • 仕事の量に応じてよりたくさんの結果が随伴する場合(いわゆる「出来高払い」型)と、従事する時間に依存して結果が随伴する場合(「時間給」型)


 この日記でも何度かとりあげてきたが、私は、高齢者の生きがいの基本は「行動し、それに応じて結果を得る」権利を保障することにあると考えている。寝たきりで介護が必要な状態ならともかく、まだ体が動かせる人の場合は、いくら食べ物や娯楽設備が保障されても、「環境に能動的に働きかけ、相応の結果を得る」権利が奪われてしまえば、檻の中で暮らしている動物園の動物たちと同じになってしまう。

 はっきりした記憶はないが、あるTVドラマのモデルになった方で今でも現役で活躍されている方(確か吉行あぐりさんだったと思う)が「定年になったらあれをしてみたい、これもしてみたいなどと夢を描いている人がいるけれど、そんなの幻想ですよ」と言っておられたのを思い出した。人間、生きている限り、真の「悠々自適」生活なんてあり得ないようにも思う。今回の白書の内容はまだ拝見していないけれど、「働いて相応の結果を得る」権利を保障するような「生涯現役社会」の実現はぜひとも必要であろうと思う。
【ちょっと思ったこと】
  • 12/3の朝日新聞家庭欄に痴呆防止策として「右脳刺激」(※)と「回想法」が有効であろうとの記事あり。前者については、散歩、花札などのゲーム(絵柄も重要か)、さらに“芸術や自然に感動し、前向きに楽しく過ごすという、常識的な生活を心がければ痴ほうが回復する”そうだが、花札はともかく、散歩をしたり自然に感動することだったら今の私でもちゃんとやっているぞ。
    ※「右脳刺激」というシンボリックな表現の独り歩きはあまり好きではないが。

    もうひとつの「回想法」は、要するに昔のことを思い出すということらしい(矢部久美子著、河出書房新社の『回想法』という本も出ているとのこと)。しかし、これも私の場合だったら日記のなかでたまにとりあげている。

    総じて、Web日記を書くということは痴呆の予防に効果がある可能性が高い。若いときからWeb日記を書き続けていた人と全く書いていなかった人のあいだで、60代、70代、80代...と年を重ねるごとに痴呆の発生率に違いが出てくればその有効性は実証されたことになるだろう。

  • 12/4の朝日新聞によると、文部省は今年7月に小学校2、4、6年生と中学2年生計1万1000人とその保護者に体験活動についての調査を初めて実施したそうだ。そのなかで「太陽が昇るとことや沈むところを見た」ことが「ほとんどない」と答えた比率が男子34%、女子36%。同じく「夜空いっぱい輝く星をゆっくり見た」ことが「ほとんどない」比率が男子26%、21%と2〜4割を占めていることが分かったという。
    興味深いのは、“自然体験の豊富な子供ほど、「友だちが悪いことをしていたらやめさせる」とか「バスや電車で席を譲る」に「している」と答えていた”とい記述だ。元のデータや相関のとりかたを確認していていないのであまり確かなことは言えないけれど、自然体験が他者への思いやりを育てるということは必ずしも言えないだろう。おそらく、何らかの生活習慣が自然体験を妨げる原因と他者への配慮を欠くことの共通原因になっているものと思われる。
    もうひとつ、これもよく言われることだが、TVゲームはなぜか男子のほうが熱中しやすい。今回の調査でも、TVゲームやコンピューターゲームをしているのは男子8割に対して女子3割だという。性ホルモンが原因であるとは到底考えられないので、おそらく、ジェンダーの問題ということになろう。誰か「女の子が男の子ほどTVゲームをしないのはなぜか」という卒論でも書かないかな。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
  • ボーナスが昨年12月より3万円も減っていた。
【夕食後の夫婦の散歩】------76日目(妻は73日目)[娘は2日、息子は1日]。ピカチュウ万歩計で5081歩。----
農学部農場横の車道〜〜東西通り〜文学部〜時計台前〜事務局〜農学部銀杏並木
 「北極では月はどう見えるか」などとクイズを出してみたが、妻は「北極で月を見たことが無いから分かんない」と答えた。ついでの太陽系の9つの惑星の名前を尋ねてみたが、天王星が抜けていたぞ。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】