じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] ミニシクラメン。そろそろこの季節となってきた。ひと冬に3〜4回は花を咲かせる。夏越し率は私のばあい7〜8割ぐらいといったところか。

昨日から当日朝の日記

11月26日(木)

【思ったこと】
981126(木)[数学]ジャンケンの由来と数学的背景についてさらに考える(3)
 まずこれまでの経過報告から。「少ないほーうが、かーち」ゲームが行われている事例として、昨日の日記で愛媛県のことを紹介させていただいたが、その後学生に聞いてみたところ、愛媛県以外でも各地で似たような遊び(もしくは、くじ引きとしての手段)のあることが分かった。また留学生によれば、台湾でも、手の平と手の甲という二種類の選択肢(手)を用いて同種のゲームがあるそうだ。意外に広く行われていることが分かった。

<11/27追記>掲示板にて、うえだたみおさんから、大阪で「おいもんがっちでいんじゃんほい」という遊びがあったことのご紹介とともに、「五行説における相生・相克(相剋)についてのご紹介をいただきました。どうもありがとうございました。五行説については、次回以降にとりあげさせていただきます。
<11/27追記2> さらに松井孝雄さんからも次のような情報をいただいた。ありがとうございます。
ところで、グーとパーだけのジャンケンは私の子どものころにもよく使われていました(ただし、どっちかというとグループ分けのために使われることが多かったような気がしますが)。場所は千葉県 市川市国府台です。ドーミーレーという旋律で「グーパージャン」と声をかけてやってました。ひきわけになったとき(グループわけの場合、ひきわけにならなかったとき)はそれに続いてドレミミレーという旋律で「チョキナシジャン」とやります。
 それから、ジャンケンが欧米であまり行われていない理由について、もしかしたら、これには何らかの文化的な背景があるのかもしれないと思った。日本のようなムラ社会では、トコトン話し合って最終候補を決めるやり方ではしこりを残す場合がある。特に2人の候補が激しく争った場合などそうであろう。そこで、最終決着をジャンケンという偶然性に委ねる。あまり争いが激しくなる前にジャンケンでものごとを決めていけば、お互いの顔がたつというものだ。

[図]  次にきのうの日記の続き。昨日示した図では円環上の目盛りに合わせて数値が付してあった。順序だけではなくて数値を与えたのには2つの目的があった。
 ひとつは、これによって、強弱関係が簡単な数式で判定できること。たとえば左側の図にある普通のジャンケンの場合であれば、Aさんの手をx、Bさんの手をyとしたとき、
f(x,y)=((x+12-y) mod 12)-((y+12-x) mod 12)
ただし「t mod 12」は、整数tを12で割った時の余りを表す
を算出し、この値がプラスならばyのほうが強、マイナスならばxのほうが強というように自動的に判定される。一例をあげれば、Aさんが紙、Bさんが鋏を出したときは、x=4、y=8だから、((4+12-8) mod 12)=8、-((8+12-4) mod 12)=4となって、f(4,8)=8-4=4、この値はプラスだからBさんのほうが勝ちと判定されるわけだ。単なるジャンケンの勝敗判定にこんな式は不要と思われるかもしれないが、右下の図のように選択肢(手)が4とおりになっても、判定の複雑さが変わらないところが、強弱関係を円環上の数値として表すことのメリットと言える。
[図]  数値を与えたもう1つの理由は、昨日も述べたように、順列以上の情報を与えつつ、有向グラフよりも直感的に強弱関係を把握するためであった。右側の4択ジャンケンは左下の有向グラフと同じ強弱関係を表すが(昨日アップの図は矢印の向きが全部逆になっていたので図を差し替えました。失礼)、有向グラフでは関係を一目で理解することは難しいしとうて覚えきれない。円環上に表すならば、4個の数値を覚えるだけでよいし、上にも述べたように簡単な計算で強弱の判定ができる。但し、すべての有向グラフの関係が円環上で表せるとは限らないだろう。たとえば伊藤さんの頁の終わりのほうに紹介されていた“手の数5の面白さ最大の(しかも唯一の)ジャンケン”は円環上に数値で表せるだろうか(私はまだ考えてない)。
<11/27昼追記>たぶんこんな形で表すことになるのかと思います。紙から石への矢印はワープ回路です。がははh。
[図]  それから、昨日の日記で述べた「無意味な手」だが、ここの図に示した4択ジャンケン(フランス式?とは強弱関係が異なっているのでご留意願いたい)の場合には、「壺」が無意味な手になっている。「壺」は「石」には負けて「紙」には勝てるが、これは「鋏」を出しても同じ。ならば「壺」より強い「鋏」を出しておいたほうがゼッタイお得という訳だ。この「無意味な手」は円環上では、
壺と鋏は、他の2点(石と紙)いずれから見ても、中心方向から左右いずれか一方の側に揃って位置している
という関係にあることが分かる。つまり、石から見ても紙から見ても手をつないでくっついたように見えており、この場合、左側の手は無意味な手ということになる。
円周上に、対角線が中心を通らないように(かつ重ならないように)4点を配置した場合、そのうちの2点を一辺とし、他の2点のうちのそれぞれを頂点として作られる2組の三角形の中には、必ず中心を三角形内に取り込まない組が存在する
なんていう定理もできるが、これは当たり前といえば当たり前で、竜頭蛇尾の結論みたいになってしまった。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
  • 東京地検は26日、昨年11月28日に小2男児をトラックでひいて死亡させながら不起訴となった運転手を、当初の不起訴処分が誤りだったと認めたうえで東京地裁に起訴したという[各種報道]。この件については、5/14の日記及びその翌日に取り上げたことがあった。犠牲者の両親が開設しているページはこちらです。
  • 11/27の朝日新聞によれば、26日に開かれた自民党の全国幹事長会議で「自自」連立に関して、岩手県の代表が「不倶戴天の敵と連立を組むことは信じられない」と述べたそうだ。「不倶戴天」は、もともとの意味は「ともに天をいだかず」からきている。『新明解』によれば「一緒にこの世に生きていたくないと思うほどの恨みのある相手」という意味。また電子ブック版三省堂現代国語辞典では「相手を、どうしても生かしておきたくないと思うほど、憎しみ、うらんでいること」となっている。政治家がこの表現を使うとはよっぽどのことがあったのだろう。
【生活記録】
【夕食後の夫婦の散歩】------68日目(妻は66日)。ピカチュウ万歩計で3743歩。----
 農学部の銀杏並木〜事務局往復。農学部建物横で、香りのよい白い花を見つける。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 高知県の橋本知事が「飲酒運転、即懲戒免職」の方針を決めてから丸1年。これまでに県職員4人(うち公立中教員3人)が懲戒免職に。[11/27朝日]
  • 岡山県邑久町で21日に現金預入払出機(ATM)がパワーシャベルを使って盗まれた事件で、牛窓署は26日、ATM内部の奥のケースに現金408万4000円が残っており、被害額は10万3000円であったことを明らかにした。[11/27朝日]
  • 大阪浪速区の路上で昨年4月に小3児童が刺殺された事件で、大阪地裁は26日、被告の男性(46)を「精神分裂病のため心神喪失の状態にあり、責任能力はなく、刑事責任は問えない」として無罪を言い渡した。[11/27朝日]
  • 読売傘下に入る中央公論社が、エッセー集の文庫化にあたって讀賣新聞や渡辺社長を批判した章を差し替えていた問題で、著者の林伸吾氏は25日までに、新会社「中央公論新社」には出版権を移転しないことを通告。[11/27朝日]