じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 巨大輪のコスモス。花壇の片隅でみつけたひときわ大きな花。特別の品種ではない。この寒波のおかげで、種を結ぶには至らないと思う。

11月21日(土)

【思ったこと】
981121(土)[心理]欲求不満テストとしての流星見物
 今回の獅子座流星群は、30数年ぶりの大出現が期待されていたこともあって予想外に多くのWeb日記作者がそのことを書いておられた。19日の時点で日記猿人登録日記の検索機能を活用して「流星」というキーワードが一行コメント等に含まれる日記をチェックしてみたところ全部で60。これ以外にも、本文のなかでチラとふれておられる方が多数あり、どれだけの数にのぼるのか見当もつかない。私もこれまでに50ほどの日記を拝見した。

 これらの日記の中には、純粋に事実の記述をとどめたもの(「何時頃、どこで、どういう流れ方をするものをいくつ見たのか」)、流星に願い事したり自分との関わりを詩的に表現されたもの、一緒に見物した人たちとの交流を描いたもの、さらには一般社会現象としての「流星騒動」を論じたものなど、いろんなタイプがあって興味深かった。日頃の記述内容とどういう相関がみられるのか、検討させていただきたい課題である。

 さて、今回の流星群は、普通の年よりは多めに見られたものの、一部で過剰に報道されていたような「大流星雨」には至らなかった。また、ピークの時間帯も、当初は18日早朝の4時半ごろ(←地球が母彗星の軌道面を通過する時刻)とされていたのに、実際には半日ほど前であったことが後に判明した。

 このことでふと思い出したのが、ローゼンツヴァイクの「絵画欲求不満テスト(オリジナルは1945年。ふつう市販のテストでは、icture rustrationの頭文字をとって「P-Fスタディ」と呼ばれる)である。このテストでは、欲求不満場面への対処を、「攻撃の方向」3通り×「反応の型」3通り=9通りのパターンに分ける。24の不満場面に対する反応の型を平均的な出現頻度からの逸脱の度合いからチェックし、その人の特徴を探り出していく。具体的には、
  • 攻撃の方向としては、
    • 外罰方向(相手、物、状況など外に向けられる)E
    • 内罰方向(自分自身に向けられる)I
    • 無罰方向(欲求不満をごまかしたり避けたりする)M
  • 反応の型としては
    • 障害優位型(障害についてはっきり述べる)OD
    • 自己防御型(自我を強調)ED
    • 要求固執型(解決を強調)NP
 ローゼンツヴァイクは自己自身をネオ・フロイディヤンと称しており、その独自の人格理論をきっちり学ばなければ、このテストの真の意義を理解することはできない。ただ、その理論から離れて経験的に考えても、欲求不満事態に遭遇した時には、
  • 不満を引き起こしている障害自体に関心が向くか、自分との関わりに関心が向くか、解決の方向に関心が向くか、という3パターン
  • 責任の所在を外に向けるか、自分自身に向けるか、何にも向けないか、という3パターン
があり、それを組み合わせることで...
  • 不満を引き起こしている障害に関心が向く場合、それを丸ごと受け止めて困惑するか、本当は困っているのにわざと障害を感じていないようにふるまうか(ときには「却って良かった」ようにふるまうか)、最小限にとどめるかという3通りのパターンが現れる。
  • 自分との関わりを強調する場合には、相手や対象を責めるか、自分を責めるか、誰も悪くないとするかの3通りのパターンが現れる。
  • 解決の方向に関心が向く場合には、他者に依存するか、自分の手で解決するか、時の流れに解決を委ねるかという3通りのパターンが現れる。
 以上の3×3=9パターンはそれなりに場合を尽くしており、仮に行動論的に再構成したとしても、それほど大きな違いは生じないように思う。

 もとのPFスタディでは、たとえば、車に泥をはねかけられた人が、相手の謝罪に対してどう答えるかを、マンガの吹き出しに書き込む形となっている。ここでは、「天候は申し分なかったが予想された流星雨が観測されたなかった」という欲求不満事態に対して、どういう発言が生じるかを、同じ分類法によって予想してみた。なおこれは長谷川独自の思いつきによるものであり、妥当性は保証されませんのでご注意ください。

※なお、上記は回答者が被害者になるような不満場面であるが、もとのテストでは、回答者が花瓶を壊してしまったというように、加害者になった場合も想定されている。ここではそれにはふれない。

障害優位型自己防御型要求固執型
外罰方向【単なる不平や失望に終始】
どうしよう、弱ったな。
ぜんぜん見えないわ。
残念だ。がっかりした。
【直接攻撃】
くそーっ。あんなインチキ予報出しやがって!
天文学者のウソツキめ!
【問題の解決を相手に求める】
どうしてくれるんだ。ガソリン代を弁償しろ。
次にいつチャンスがあるか教えてもらおう
内罰方向【不満の程度を抑えたり、却って良かったして隠す】
いや、よく見えましたよ
いいや、また次の夢が持てるので却ってよかったです。
他の星がたくさん見えたからよかったですよ。
友達と楽しく話せたからよかったですよ。
【自責、自己非難】
いいえ、不確かな情報を信じた私が悪かったんです。
【自分で解決】
いいえ、今度は自分で予報を出しますよ。
33年後にまたチャレンジしますよ。
無罰方向【不満を最小限にとどめる】
少しは見えましたよ
いつもよりはたくさん見えましたよ。
【誰も悪くない、不可避だった】
流星の予報なんて外れるものですよ
【時の流れに解決を任せる】
そのうちまたチャンスがあるでしょう。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【夕食後の夫婦の散歩】------63日目(妻は61日)。ピカチュウ万歩計で52871歩。----
 農学部〜一般教育棟構内〜時計台前〜農学部というコースで、紅葉見物。大学構内は防犯用のライトが至るところに取り付けられているが、そのせいか、一部の葉が緑のまま残っていた。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】