じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
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一般教育棟構内の紅葉。左はプラタナス、右はケヤキ。 |
【思ったこと】
981120(金)[心理]「死人テスト」からの発想と具体的であること(5)必要原因、十分原因と刑事責任 前回11/17の続き。前回、 ひとくちに「行動の原因」といっても、行動が生じるための十分条件(=十分原因)と必要条件(必要原因)があり、...と述べたことについて、もう少し詳しく考えてみることにしたい。 この「必要原因」、「十分原因」は『クリティカルシンキング 入門編』(ゼックミスタ・ジョンソン著、宮元ほか訳、北大路書房、1996年、ISBN4-7628-2061-X、本体1900円)で使われている言葉である。発案者が著者自身なのか、どこからの翻案なのかはまだチェックしていない。それによれば、
十分条件をそろえる必要があるのは、スペースシャトルの飛行とか、明石海峡大橋を建設するというように、ある事物や事象を人工的に作り出す場合であろう。但しこの場合も、妨害要因を事前にすべて確定することはできないから、そういうものは偶発変動要因として、つまり「現実に起こる可能性はきわめて少ないが、仮に起こっても十分に対処できる」ようにゆとりをもって設計されることになる。 問題は必要原因をどう扱うかということである。あくまで仮の話として、ある山村のお祭りで、うどんに毒物が混入され、これを最初に食べた5人のうちの1人であるAさんが不幸にして死亡したという事例を考えてみよう。のちに、この山村の住民の一人が犯人として逮捕され、じつは保険金目当ての犯罪であったことが判明したとする。 この場合、ふつう、犠牲者が死亡したのは、犯人がうどんに毒物を混入したためであるとされる。もちろんこれは紛れもない必要原因の1つであるが、必要原因はこれだけではない。
薬害エイズ事件でも同じことがあったように記憶している。あの場合、厚生省と製薬会社のいずれかがしっかり対処していればエイズは防げたはずである。つまり、いずれも必要原因の1つにすぎないわけだが、「Aがちゃんとしていれば防げたのだから自分には責任は無い」という言い逃れは成り立たない。「あなたさえちゃんと対処していれば、他の安全装置がすべて作動しなくても事件は未然に防げたはずだ」ということが実証されれば、とうぜん処罰の対象になりうるということだ。 時間が無くなったので、次回以降に続く。 |
【ちょっと思ったこと】
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【新しく知ったこと】
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【生活記録】
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【夕食後の夫婦の散歩】------62日目(妻は60日)。ピカチュウ万歩計で2641歩。----
昔住んでいたアパート〜農学部農場内。今日も晴れていたがプレアデスは6個しか見えなかった。 |
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
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