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6月12日(金)

【思ったこと(1)】
980612(金)[一般]二人で楽しむトランプゲーム(3):七並べ
 きのうの日記の続き。一昨日の大貧民、昨日のナポレオンと異なり、本日御紹介する七並べには何ら特別のルールは付加されていない。
  1. 52枚のカードとジョーカー2枚を使用。
  2. すべてのカードを配る。相手の持ち札も全部分かっているので全部オープンにしてゲームを進める。
  3. ダイヤの7を出した人から始める。
  4. パスは3回まで可能。
  5. 特定のスーツが1または13に達したら、残された空所は逆順で並べなければならない。例えば、6、5、4、3、2というようにカードを並べた時点で、8〜12が空いていたとする。1が出された瞬間に、そのスーツの8〜13の部分は、13、12、11、10、9、8の順で並べなければならない。
  6. ジョーカーを使う時は、必ず次の札を並べて出さなければならない。
    • 例えば、8のところにジョーカーを置くためには、9のカードを合わせて出す必要がある。
    • 上記5.のルールにより、たとえば、6から2までが並んでいる時に、1にジョーカーを置いて13を出すということが可能。
    • ジョーカーを一度に2枚使うことはできない。
  7. ジョーカーを使われた相手は、その位置のカードを出さなければならない。またその時、ジョーカーを自分のカードとして受け取るか、そのままそこに置くかを選ぶことができる。
  8. ゲームの終了と勝敗
    • どちらかがすべてのカードを出し切った場合、もしくはどちらかが破産した場合にゲーム終了となる
    • どちらかが破産した時点で二人が1枚ずつジョーカーを持っていた場合は、破産した方が勝ち。
    • ゲーム終了時点でどちらか一人だけがジョーカーを持っていた場合は、持っていた方が負け。
    • 上記以外の場合は、すべて先にカードを出しきるか、相手を破産させたほうが勝ち。
 このゲームは、数学的には、カードを分配した時点でどちらかの勝利が確定している。しかし、ジョーカーを使われた時点でそれを取るか取らないか、相手にどのようにジョーカーを使わせるかなどの読みが大切であり、相手の1回のミスにつけこんで逆転することも可能である。かなり高度な思考ゲームであると言えるだろう。
【思ったこと(2)】
980612(金)[教育]大学ランキングを見て思ったこと(2)上位が不名誉となる指標
 こちらもきのうの日記の続き。『朝日オリジナル大学ランキング'99』(98年5/1発行、通巻48号、朝日新聞社)を眺めた感想を書いていきたい。
 さて、昨日も述べたように、ランキングに序列化してものを見るというのはいろいろ問題点が多い。1つは、そもそも多様な特徴を一次元上に序列化できるのかという問題。また、それはしょせん相対比較であり平均値からの逸脱の度合いを調べているだけのものであること。それゆえ、ある一例だけに固有のすぐれた特徴は浮かび上がって来ないし、また絶対値ではないから、全体のレベルが上がるか下がるかというだけでも大きく変動しうるものである。
 以前に都道府県別の豊かさ指標値のランキングが公表された時にも、最下位や最下位から2番目の某県の知事がカンカンに怒っていたのがTVで紹介されていた。平均からの逸脱の度合いを数値化してその合計点を総合指標として並べてみたところでどれだけ妥当な物差しになりうるのか、はなはだ疑問であろう。
 とはいえ、平均からの逸脱があまりにも大きい場合、つまり良くても悪くてもランキングの最上位や最下位に位置するような場合は、そこに何らかの対応策が必要かどうか、一度は検討してみる価値があるだろう。

 そんな問題意識をもちながらランキングリストを眺めてみると、上位であることがあまり名誉でないランキングというのがいくつかありそうだ。
  • 学生1人あたりの校地面積の狭さ:北大のように1人あたり58682平米という1つの大学の敷地面積より広い面積を有する大学もある反面、1人あたり10平米以下という大学が3校もあった。1人あたりの校舎面積をみると、何と0.9平米というところまである。
  • 定員を大幅に越える学生を受け入れている大学:Topは定員640人に対して3751人も入学させているが、これは問題だろう。
  • 定員より多めに合格者を出す大学・学部:そのまま入学すれば上記の過積載ということになるが、逆に合格しながら入学辞退する比率が高いところというのは、第一志望が不合格となったために滑り止めでやむを得ず入学してくる学生が多いことを意味する。これでは最初から勉学の気勢がそがれるというものだ。もっとも、立命、関西学院、同志社など関西の有名大学も上位に顔を出しているので、いちがいに滑り止め受験校ばかりとは言えないようだ。
  • 教官1人あたりの学生数:せいぜい20人が限度で、それを越えれば個別指導は難しくなる。私立大の場合は、法学部系で114人、経済学部系で161人、文学部・外国語学部系で72人など。100人を越えたら、提出されたリポートをちゃんと読んでコメントを付けて返却するのも困難になるだろう。
  • 初年度納付金が高い大学:医歯系が高いことは昔から言われていたが、ランキングでは安い順に44位までしか並べていなかった。高い順に並べると何かしら支障があるのかもしれない。もっとも、いちばん安い医科大でも321万円、44位の歯科大が1264万円。それよりさらに高い大学もありうるわけだから、私立の医歯大に入学させるのはたいへんな負担であることが分かる。納付金が高いことは必ずしも不名誉というわけではないが、金持ちの子弟しか入学できないということでは機会均等に反するし、人間的な面を含めて医師として求められる人材に門戸を閉ざしてしまう恐れが多い。

 上位であることが不名誉であるようなランキングの指標は他にもいろいろ考えられるはずだが、調査のコスト、客観性への疑問などがあるためか、なかなかおもてに出てこない。いずれ「こんな指標も欲しい」という提案もしてみたいと思っている。
【新しく知ったこと】
    6月9日の日記でとりあげた「怒りの鉄拳某短大編:haizyoかhairyoかの選択」に関連して、小テストの得点分布をグラフにしてみた。興味をおもちの方は、こちらをどうぞ。ピンク色の棒グラフのほうが短大生、水色は看護学校生である。今年から担当することになった看護学校のほうはあまり私語が無いのでよく聴いていると思っていたら、何と全員が50点未満(満点は100点)となってしまった。レベルを下げて、ゼッタイに伝えたい内容だけを繰り返し教えるか、動機づけで工夫するか、現在思案中。
【リンク情報】
【生活記録】
【家族の出来事】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 97年度のGDPは前年度に比べてマイナス0.7%成長。個人消費はマイナス1.2%。戦後最悪。
  • 予防接種被害訴訟で、最高裁は12日、「不法行為が原因で権利行使が不可能になった場合にも、単に時の経過で、加害者の賠償義務を免れさせるのは著しく正義・公平の理念に反する」と述べ、除斥期間の適用について初の例外判断を示した[6/13朝日]