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6月9日(火)

【思ったこと】
980609(火)[教育]怒りの鉄拳某短大編:haizyoかhairyoかの選択
 きょうは1コマ目と2コマ目が学外の非常勤講師、4コマ目と5コマ目が2回生向けの実験実習、そのあと17時半からは曜日別に分かれた班が行う動物実験の指導ということで、一日中授業でクタクタになった。
 このうちの学外の非常勤講師に関連して、先日、他学科のA教授とちょっと話したことがある。A教授の場合は某女子大で非常勤講師をしておられるのだが、とにかく騒がしくて困るとのこと。出講日の朝はそのことを考えるので憂鬱な気分になり、来年からは断ろうと思っていると話しておられた。さらにA教授は、B教授も同じところで非常勤講師をされておられるのだが、あまりにも私語がやかましいのでとうとう怒鳴ったと話しておられた。文学部随一の温厚な性格な持ち主として知られるB教授が怒鳴るとは、その騒しさは並大抵のものではあるまい。
 そのA教授に、「先生のところはどうですか?」と聞かれた。「いや、静かですよ。しかし....」というのが私の答えであった。

 なぜ静かなのかと言えば、私の場合はセンター試験の座席指定のように学生を通路側だけに座らせているため、隣同士の会話が物理的に阻止されている。それでも前後や席を隔ててしゃべる学生が居た場合には、強制的に前のほうの席に移動させる(今年はこれまでに4人)。このほか、最初のころに何度か、演説をぶった。「授業中に居眠りをするのは大いに結構。だが私語はやめてもらいたい。私語は、真剣に授業を受けている者に対する妨害行為である。教育の破壊者だ!」などと叫べば、さしものおしゃべりどもも、しゃべりかけの口を大きく開けたまま、何事かと思ってこちらのほうに目を向けるというものである。
 しかし、私の授業も万全というわけではない。先々週と本日、授業内容についての小テストを実施してみたところ、話をゼンゼーン聞いていないと思われる学生がかなりの数にのぼっていることが判明したのだ。授業が難しすぎるというのであればこちらにも責任があるが、出題した内容は、授業で1時間もかけて説明した基本概念を挙げさせるだけの簡単なものばかりだったのに、10〜30点というような答案(満点は100点!)がかなり目立つ。手前味噌になるが、岡大の一般教育で同じ問題を出したら、70〜90点は楽々とれるような問題だ。月並みだが、授業中何を考えているのだろうかと首を傾げたくなってしまう。
 もしこのまま小テストの点を合計していくと、平均60点に達しない学生が過半数に達してしまう。規定では60点未満は不可、この授業は選択必修扱いになっているので、そうなれば留年となりその年に卒業できなくなるわけだ。とはいえ、大量の留年が発覚すればその学校の経営基盤そのものにかかわってくる。そこでやむを得ず9月に追試を行って救済していくわけだが、そもそも授業に出ていないような学生が追試だけ受けて合格できるはずがない。そういう者を「排除」すべきなのか、それとも学校側の要望を受けてかなりの程度で「配慮」すべきなのか、頭の痛いところである。
 パフォーマンス・マネジメントという観点から、より望ましい授業参加行動の形成のための方策をいろいろ考えている最中であるが、ひょっとして何人かの学生は、単位も卒業もどうでもよいと思っている可能性がある。あるいは過去の例からいって、小テストでどんなに悪い点をとっても最後は追試験で救ってくれるという甘えがあるのだろうか。授業で話す内容を工夫すれば...という気もするけれど、最初から来ない者、来るなりおしゃべりを始め、注意されると脱走してしまうような学生には、その効き目は薄い。

 A教授は「岡大生は少なくとも学ぼうという姿勢で大学にやってくるが、某女子大生にはそういう雰囲気が感じられない」と言っておられた。少子化の影響もあるのだろうが、女子大の中には定員割れで実質全員入学になっている所もあるらしい。高校をギリギリでも卒業していれば無条件に入学できるというわけだ。たぶん親の意向とか世間的な体面、あるいは当面就職したくないという気持ちで入ってくるのだろうが、そこまでして高等「教育」をする必要があるのか少々疑問に思う。また、「何もしなくても最後は追試験で救ってくれる」などという甘えに応じてしまうことは、卒業後の社会生活でも同じ行動をとらせるきっかけになりはしないか、と心配になってくる。

ところで、いま上で「岡大生は少なくとも学ぼうという姿勢で大学にやってくる」と書いたが、ただ勉強をすればよいというものでもない。5月29日の日記の「怒りの鉄拳:某大学編」(写真はこちら)で取り上げたように、いくら勉強をしっかりやっても、他の授業中に教室のすぐ外で大きなエンジン音をたてて車やバイクを乗り回したり、タバコの吸い殻や空き缶を平気でポイ捨てするような学生をそのまま世間に送り出してよいものか、むしろこっちのほうが問題かもしれない、と思ってみたりする。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
  • 6/9の「たけしの万物創世記」によれば、脊椎動物でシッポが殆ど無いのは人間とカエルぐらいのもの。ウシガエルのオスが糸をつけて動かすコンニャクを交尾対象と間違えてしがみつくのは面白かった。ただ、あの行動を条件反射と説明していたのは間違いで、あれは「無条件反射」と呼ばなければならない。「条件反射」とはレスポンデント条件づけによって後天的に形成される反射のこと。
  • 6/10朝日新聞記事等をもとにまとめたカシミール問題の経緯。
    • 独立時にカシミール藩王がインドへの帰属を決める。パキスタンは住民の多数はパキスタン帰属を望んでいたと主張。第一次印パ戦争後に、国連調停で住民投票の裁定。
    • ネール首相時代にインドの側から1度だけ住民投票を提案したがパキスタンが拒否。
    • 第三次印パ戦争後の72年のシムラ協定に二国間協議がもりこまれる。インドはこれを盾に国連介入を拒否。
【リンク情報】
【生活記録】
【家族の出来事】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 北海道苫小牧市の樽前山で、ケルン(石文字を含む)撤去。高山植物と自然の景観を守るため。