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じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 【2025年10月】オーストラリア南西部・フラワーハンティング(27)遙か彼方の南極海
 オーストラリア南西部を探勝するツアーであったが、道路が海岸から離れていたため、(広義の)南極海を眺める機会は殆ど無かった。写真はオールバニー近郊からの風景。
 なおウィキペディアによれば、
  • 南極海(なんきょくかい、英語: Southern Ocean)は、南極大陸のまわりを囲む、南緯60度以南の海域。
  • 南極海の北の境界は地理学者たちの間でも厳密には合意が得られておらず、太平洋、大西洋、インド洋との間にはどちらに所属するか意見の分かれる海域が存在している。
  • 何人かの学者は南極海は60度で分割されるのではなく、季節によって変動する南極収束線に合わせるべきと主張している。
  • オーストラリアは、オーストラリア南岸以南のすべての海域を南極海に含めるべきと主張している。

 私自身は過去2回、アデレードとタスマニアで(広義の)南極海を眺めたことがあった。但し、アデレードから見える海は入江、メルボルン―タスマニアからは機上から眺めただけであり、今回初めて、南極海(もしくは南極海に直接繋がる海)を間近に眺めることができた。

2026年2月10日(火)



【連載】サイエンスZERO『色彩の科学へようこそ!「青」は調和と革新!?(2)金属錯体による安定した青い着色料

 昨日に続いて、2026年2月1日に初回放送された、

色彩の科学へようこそ!「青」は調和と革新!?

のメモと感想。放送では続いて、青をめぐる3つの研究が紹介された。

 1番目は、吉田久美さん(愛知淑徳大学)の青い着色料についての研究。なおこちらによれば、吉田さんは名古屋大学農学部のご出身で2000年4月から名古屋大学大学院助教授、2010年4月から同・教授、2023年3月に定年退職され2024年4月から愛知淑徳大学のほうに御所属とのことであった。
 吉田さんは青い花の色の不思議を30年以上も研究されており、リンク先では最近の業績としては以下のような著作・論文が紹介されていた。
  • 2023年11月:なぜ青いバラは咲かないのか、︱アントシアニンによる多彩な花色の発現機構︱「植物の超階層生物学:ゲノミクス×フェノミクス×生態学でひもとく多様性」種生物学シリーズ(種生物学会編)(共著) 文一総合出版
  • 2024年:Chemical and biological study of flavonoid-related plant pigment: current findings and beyond. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 88(7), 705–718.

 吉田さんが青い着色料の材料として注目したのは赤キャベツ。刻んだキャベツを有機溶媒に入れるとしばらくして『アントシアニン』という赤い植物色素が溶け出す。この色素は、リンゴやイチゴの赤、ブドウやナスの紫色の元にもなっている。赤色や紫色の色素としては使われてきたが青色は不安定で長持ちしなかった。アントシアニンは酸性の時は赤、中性の時は紫、というように水素イオン濃度(pH)の量によって色が変わるため安定させるのが難しい。
 吉田さんたちが注目したのは、青が不安定であるにもかかわらずなぜ青い花が存在するのかということであった。青い花の殆どは、金属イオンとアントシアニンが結合した金属錯体の形になっていたことから、アントシアニンを金属錯体にすれば非常に美しい青色を安定的に保てるのではないかと考えた。
  1. 吉田さんの研究によれば、ツユクサの花の青色は、アントシアニン分子3個と、助色素の分子3個が、マグネシウムイオンを中心として結合することで安定化していた。
  2. そこで、赤キャベツから抽出したアントシアニンと色々な金属イオン(マグネシウムイオン、鉄イオン、リチウムイオン、銅イオン、亜鉛イオンなど)を結合させる研究を6年かけて行ったところ、アルミニウムイオンが最適であることを突き止めた・
  3. これにより、青色1号の誕生からおよそ100年後、それに引けをとらない天然由来の青色色素が開発された。
  4. アントシアニンは赤キャベツなど食経験の長い食べ物の色素であるため、体によい安全な色素として期待される。


 アントシアニンの話は「リンゴはなぜ赤いか?」のところでも取り上げたことがあった。赤色の果物は色々あるが、真っ青な果物は見かけない。空色朝顔の花も時間が経つと紫色に変色してしまう。ツユクサの花のように安定した青を保つには金属錯体という構造が必要であることが分かった。

 次回に続く。