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じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 こちらで計算した岡山と長崎の冬至の日前後の日の出、日の入り、南中の諸数値。
  • 昼間の長さは、岡山では12月21日と22日いずれも9時間50分55秒で変わらず。長崎でも21日と22日はいずれも10時間01分57秒で変わらず。
  • 日の出の方位角は、岡山、長崎いずれにおいても12月22日のほうが大きい(南に片寄っている)
  • 日の入りの方位角は、岡山は両日ともに241.80°で変わらず。長崎は21日が242.5335°、22日が242.5357°で21日のほうが僅かに小さい(南に片寄っている)
  • 南中の高度は、岡山では両日ともに31.9288°で変わらず。長崎は21日が33.8540°、22日が33.8541°で、0.0001°だけ21日のほうが低くなっている。
↓の記事参照。

2025年12月23日(火)



【小さな話題】昼が一番短く太陽が低いのは冬至の日とは限らない

 12月22日は冬至であった。冬至というと
  1. 1日の昼の長さが最も短い。
  2. 北半球では、太陽が真南に来た時の高度が最も低い。
と思われがちであり、ウィキペディアでも
冬至は1年間で太陽高度(太陽の位置)が最も低くなる日であり、北半球では1年間で日の出から日没までの日中が最も短くなる。
と記されている。しかし厳密に言うと、冬至の瞬間が真夜中か真っ昼間か、その国・地域の標準時の基になる経線からどれだけ東西に離れているかによって1日ズレることがある。

 ちなみに天文学で『冬至』とは、太陽の視黄経が270度となる瞬間であり、この瞬間を含む日を冬至日(とうじび)と呼んでいる。2025年の冬至の瞬間は12月22日の0時03分であり、わずか日付が変わった直後であったために、上掲のように、
  • 岡山や長崎では12月21日と22日の昼の長さは同じ。
  • 太陽の高さは岡山では両日とも同じ。長崎では21日のほうがごく僅かだが低い。
という「珍現象」が起こっている。なおウィキペディアの表をザッと見た限り、冬至の瞬間と日付が変わる瞬間(世界時で15時)がこれほど接近する年は1966年~2060年までの間では2025年以外には無い。要するに、2025年は人生において最初で最後、「冬至らしい」日を2日間続けて体験できたと言ってもよさそうだ。

 このことについてChatGPTに、

【質問】今年は冬至の瞬間が12月22日午前0時3分というように日にちが変わった直後であるため、西日本では12月21日のほうが22日より昼の長さが短い地域があるようです。この地域はどこの県より西になりますか?

という質問をしたところ、以下のような回答をいただいた。




まず前提として、**2025年の冬至(太陽の南中高度が最低・昼が短い日)は日本時間で** **12月22日午前0時03分** **の瞬間**に起こります(これは天体現象の瞬間であり、暦の日付としては22日が「冬至」とされています)。
一般的に「一年で昼が最も短い日」はこの瞬間が基準ですが、**暦の日付としての日照時間(実際の日の出〜日の入りで測った長さ)は緯度や経度の位置によって前後することがあります**。たとえば東京では**12月21日と22日の日照時間は非常に近く、辞書的には22日が最も短い日とされるが、実際の昼の長さの差は1分以内程度で、21日のほうが短い場合もある**というデータがあります([Sunrise Sunset][2])。これは**「南中時刻のずれ」「日の出・日の入り時刻の前後関係」**によるもので、経度と緯度および時刻系(日本標準時=UTC+9)の影響です。

### 本件の核心:

**「12月21日のほうが12月22日より昼が短くなる地域」は日本国内では経度(東西位置)の影響が強い**

その理由は下記の通りです:
  1. **冬至の瞬間が午前0時03分に起こるため、**
    • 12月22日(実際の冬至の日)の日照時間は冬至直後の状態
    • 12月21日の日照時間は冬至の前夜〜前日の実際の太陽位置

    の関係で、特に**経度が東よりではなく西側では21日の昼の短さが22日より実測で短くなる**現象が生じ得ます。
  2. これは、**日の出・日の入り時刻が「日の出が遅くなる日」が冬至後にずれ込み、日の入りが早くなる日が冬至の少し前にある**という太陽時と標準時とのズレの影響です。こうしたズレの大きさは、**経度が東に進むほど影響が少なく、西に進むほど大きくなる**傾向があります。


### 結論:
**12月21日のほうが22日より昼の長さが短い可能性がある地域は、日本国内では「関西以西(近畿地方より西)」に位置する県より西側の地域で顕著になります。**
具体的には、**以下の西日本の都道府県より西側で顕著な傾向が出やすい**と考えられます:
  • **兵庫県(東部を除く)**
  • **岡山県**
  • **広島県**
  • **山口県**
  • **四国(徳島・香川・愛媛・高知)**
  • **九州各県(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)**

※ 関西東部(たとえば京都市付近)では21日と22日の日照時間差は非常に小さく、どちらが短いかは地域ごとの時刻データでほぼ同じになりますが、**西に行くほど21日のほうが明確に短くなる傾向**が強まります(これは経度による太陽時と標準時のズレの影響).


### 要点まとめ
  • 2025年の冬至の瞬間は**12月22日午前0時03分**であり、通常は**22日が「昼がもっとも短い日」として扱われる**。
  • しかし**実際の昼の長さ(日の出〜日の入り)の測定では、経度が西にある地域ほど「22日」よりも「21日」のほうが昼が短くなることがあり得る**。
  • **その境界は概ね近畿以西(岡山府県域より西側)**であり、特に中国・四国・九州地方でその傾向が顕著になります。





 なお、以上の現象は韓国でも起こるはずだと思いこちらで計算したところ、ソウルの日の出、日の入り時刻は、
  • 12月21日:07:43:02~17:17:09
  • 12月22日:07:43:32~17:17:39
となっていて秒単位まで の比較では昼間の長さは同じという結果になった。

 もう1か所、日本最西端の与那国島(緯度 : 24.449371、経度 : 122.933715地点)について計算したところ、
  • 12月21日:07:27:34~18:04:59
  • 12月22日:07:28:04~18:05:28
となり、22日は日の出が30秒遅くなったのに対して日の入りは29秒遅くなっており、22日のほうが1秒だけ昼が短いという意外な結果になった。

 与那国島は西のほうにあるのに1秒差とはいえ22日のほうが昼が短いということについてChatGPTに説明を求めたところ詳細な回答をいただいた。長くなるのでまとめの部分のみ引用させていただく。
与那国島で12月22日のほうが1秒だけ昼が短いのは事実

原因は
冬至が0時03分という極端な時刻
日の出と日の入りの変化が非対称
均時差の影響が最大級に出る位置
「西=必ず21日が最短」という単純規則は成り立たない

与那国島はその境界条件が最も露わに出る地点
非常に鋭い観察であり、暦と天文学のズレの本質を突いた好例です。


ということで長々と書いてきたが、「昼が一番短く太陽が低いのは冬至の日とは限らない」という主張自体は、「昼が一番短く太陽が低いのは必ず冬至の日に限る」ということに対して反例を1つでも示せばよいので正しい主張と言ってよいだろう。但し、その差は予想外に小さいので生活上は冬至の日が一番だと言ってしまっても支障は無さそうだ。
 もしその差がもっと大きかったとしたら、「冬至日とは、冬至の瞬間を含む日」という定義を改め、
  1. 冬至日とは1年中でいちばん昼が短い日(冬至の瞬間を含む日とは限らない)
  2. 冬至日とは冬至の瞬間と南中時刻の間の時間間隔が最も短い日
というように定義を変えることも一案である【1.と2.はたぶん同じ日になる】。但しそうすると日本のような狭い国土の中でも場所によって冬至日が1日ズレることがあり混乱をきたす恐れがある。