【連載】チコちゃんに叱られる! 高速道路の案内標識の背景色/国・地域による違い
昨日に続いて11月28日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- 二度寝が気持ちいいのはなぜ?
- 高速道路の案内標識が緑色なのはなぜ?
- 関西の人が「お」や「さん」をつけるのはなぜ?
という3つの話題のうち2.について考察する。
放送では「高速道路の案内標識【の背景色】が緑色なのは「青が緑に見えたから」が正解であると説明された。国の道路づくりについて研究している石田東生さん(筑波大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 現在の案内標識が、一般道では青バックに白文字、高速道路では緑バックに白文字となっているのは、法令で決められている。通称『標識令【道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和三十五年総理府・建設省令第三号)】』には
(三) 色彩
1 案内標識
(1) 高速道路等に設置するもので、「入口の方向」、「入口の予告」、「サービス・エリア、道の駅の予告((116の2―C))」、「非常電話」、「待避所」、「非常駐車帯」、「国道番号((118―A))」、「高さ限度緩和指定道路((118の5―C・D))」及び「まわり道」を表示するもの以外のものについては、文字、記号、矢印及び区分線を白色、地を緑色とする。ただし、「方面及び距離((106―B))」、「出口の予告」、「方面及び出口の予告」、「方面、車線及び出口の予告」、「方面及び出口」及び「出口」を表示するものの出口番号を表示する部分並びに「サービス・エリア、道の駅の予告((116の2―A・B))」及び「サービス・エリア」を表示するものの施設名を表示する部分については、文字を緑色、地を白色とし、「出口の予告」、「方面及び出口の予告」、「方面、車線及び出口の予告」、「方面及び出口」及び「出口」を表示するものについて、別表第二備考一の(一)の15の規定によりETC通行車専用出口を表す旨を表示する場合には当該ETC通行車専用出口を表す旨を表示する部分の文字を白色、地を紫色とし、同表備考一の(一)の16の規定により方面を表示する場合には当該方面を表示する部分の文字を白色、地を青色とし、「サービス・エリア、道の駅及び距離((116))」を表示するものの道の駅を表示する部分並びに「方面及び出口の予告((110―A))」及び「方面及び出口((112―A))」を表示するものの国道番号((118―A))を表示する部分については、文字を白色、地を青色とし、「サービス・エリア、道の駅の予告」及び「サービス・エリア」を表示するものについて、同表備考一の(一)の22の規定によりETC通行車専用出口及び出口番号を表示する場合には当該ETC通行車専用出口を表示する部分の文字を白色、地を紫色とし、出口番号を表示する部分の文字を紫色、地を白色とする。
と定められている。これは高速道路が初めてできた時に決められたルール。
- 1961年、高速道路の建設に合わせて『高速道路調査会 標識分科会』が誕生。高速道路の標識の大きさや設置場所などについて日夜熱い議論が交わされた。
- 当時、アメリカのインターステートハイウェイでは緑、一方、世界各国の高速道路のモデルになったドイツのアウトバーンでは青の標識が使われていた。
- 高速道路の標識に関する会議は合計33回で23か月にも及んだ。中には1回の会議が10時間を超える長丁場もあった。
- 話し合いでは結論が出ず、性能検査で決着させることになった。標識分科会の記録【高速道路調査会『高速自動車国道等の標識の研究』1963年6月、34ページ】。しかし以下の点ではどっちつかず。
- 【文字の見易さ】昼夜間共に僅かな差であるが緑良い【青が】見易い。
- 【景色との調査】緑の方が環境との調和がよく美しいとの意見が多い。
- しかし夜間に車のヘッドライトをあててどちらがより見易いか比較したところ、青の背景色は緑に見えてしまうことが分かった。すなわち、
●【夜間(全面反射】ヘッドライトの照明で緑に見えてしまい,昼夜同じに見える必要のある標識の原則から欠点となる。
と結論され、この検証が決め手の1つとなり、高速道路は緑に決定。緑色の標識は1963年に日本で最初に誕生した名神高速道路から現在に至るまで使い続けられている。
- 【補足説明】高速道路の標識が緑色に決まった後、一般道では青い標識が使われるようになった。
- 【補足説明】車のヘッドライトや標識の反射材が技術的に進化したこともあって、現在の青い標識に車のライトをあてても基本的には緑に見えることはない。
ここからは私の感想・考察を述べる。ちょうど昨日も蒜山方面への往復のため一部区間で高速道路を利用したところであったが、高速道路走行中に目に入る案内標識については緑色でも青色でも大して変わらないように見えた。しかし一般道から高速のICに入る際には、一般道に設置されているICへの案内標識は大きく役立っている。ICへの入口が分からない時など、遠くに緑の標識が見えるとホッとするものだ。
では海外ではどうなっているのか? ChatGPTに尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
結論から言うと、**高速道路案内標識の背景色は国によって大きく異なり、日本のように“緑”を使う国もあれば、“青”を使う国も多数あります。**
以下にわかりやすく整理します。
## ■ 高速道路案内標識が「緑色」の国・地域
日本と同様に高速道路を緑色で示す国は多数あります。
### **緑色系を採用する代表例**
- **日本**
- **アメリカ**(州ごとに違いはありますが、一般的に高速・フリーウェイ案内標識は緑)
- **カナダ**
- **中国**
- **韓国**
- **台湾**
- **イタリア**(アウトストラーダは緑)
- **スイス**
- **オーストリア**
- **ポルトガル**
- **ブラジル**(場所による)
これらの国では、「高速道路=高速で流れる専用道路」というイメージから、一般道路とは異なる配色を採用しています。
## ■ 高速道路案内標識が「青色」の国・地域
一方で、高速道路の案内が **青色** の国も多くあります。
### **青色系を採用する代表例**
- **ドイツ**(アウトバーン)
- **フランス**(オートルート)
- **オランダ**
- **ベルギー**
- **イギリス**
- **スウェーデン**
- **ノルウェー**
- **フィンランド**
- **デンマーク**
- **チェコ**
- **ポーランド**
- **スペインの一部**(スペインは複雑で青と緑を道路種別で使い分け)
**特徴として:**
- 多くのヨーロッパ諸国では、高速道路の標識が青色になっています。
- 一般道路は白地に黒文字など、国によってバラつきはありますが、高速道路は「青」がかなり一般的。
## ■ 地域別のざっくりした傾向まとめ
| 地域 | 高速道路の典型的背景色 |
| ----------- | ------------------------------ |
| **日本・東アジア** | 緑(日本・中国・韓国・台湾) |
| **北米** | 緑(米・カナダ) |
| **西ヨーロッパ** | 青(ドイツ、フランス、英国など) |
| **南欧・中欧** | 国によって緑・青が混在(イタリアは緑、スペインは青+緑混在) |
## ■ なぜ国によって違うのか?
- 交通標識の国際条約(ウィーン条約)では、高速道路標識の色までは厳密に統一していないため、**「高速道路案内は青でも緑でもよい」** と解釈される。
- 国ごとの道路文化や歴史、見やすさ・識別のしやすさの基準で配色が決まっている。
## ■ まとめ
- **日本の高速道路の緑色は世界的には“標準の1つ”。**
- **特にヨーロッパでは、高速道路案内は青色が多数派。**
-
背景色は世界共通ではなく、地域ごとに大きく異なる。
とのことであった。
次回に続く。
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