じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



09月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

クリックで全体表示。



 【インドネシアその49】方向によって見え方が違うガトッカチャ像
インドネシア旅行記(速報版)の最終回はデンパサールの『サトリア・ガトッカチャ公園』(Taman Satria Gatotkaca)」のガトッカチャ像。
 Googleレンズの説明によれば、この像は、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」に登場する英雄ガトッカチャとカルナの戦いの場面を再現しており、空から攻撃するガトッカチャと、6頭の馬が引く戦車から弓で応戦するカルナの姿が描かれている。バリの芸術家I Wayan Wintenによって制作され、1993年10月30日に公開された。

 この像の周りを回ってみると、方向によって描かれているものが違っているように見えた。早速ChatGPTに尋ねたところ、この像は「一方向からの正面像」ではなく、見る方向によって異なる神話的瞬間が浮かび上がるように設計されているという回答があった。具体的には以下の通り。

  • ### @ 空港方面から(南側から接近)
    • **正面に見えるのはガトートカチャの巨体と飛翔する姿**
    • 背景に広がる空を背にして「空の守護者」として映ります。
    • バリに降り立った観光客が最初に見る角度で、歓迎と守護の意味を込めていると考えられます。
  • ### A 市街地・クタ方面から(北側から接近)
    • **カルナの戦車がよく見える角度**
    • 戦車に乗ったカルナが弓を引き絞り、天空のガトートカチャに狙いを定めています。
    • 「戦いの緊張感」を感じさせ、物語的にはクライマックスを象徴。
  • ### B 東側(サヌール方面)から
    • **ガトートカチャが戦車を押し潰すように見える角度**
    • 巨大な腕や脚の動きが強調され、「力の象徴」「魔除け」のイメージを持ちます。
    • バリ彫刻特有の「ラウンド彫刻(どこからも物語性がある群像表現)」が最も分かりやすい角度です。
  • ### C 西側(ジンバラン方面)から
    • **二者の戦いの全貌が一望できる角度**
    • ガトートカチャとカルナ、双方の姿勢が対称的に見え、観る人に「戦争の二面性(勝者と敗者、光と影)」を思わせる構図。
    • バリのヒンドゥ的価値観(善悪のバランス=ルワ・ビネダ)を象徴的に表現しています。
  • ## ◆ まとめ
    • この像は「一方向からの正面像」ではなく、**見る方向によって異なる神話的瞬間が浮かび上がるように設計**されています。
    • それは単なる造形の工夫ではなく、
      • バリの信仰(ガトートカチャ=空の守護者)
      • 神話(カルナとの最期の戦い)
      • 芸術性(群像劇的立体構成)

      を融合させた意図的表現です。


2025年09月13日(土)




【連載】チコちゃんに叱られる! 絵文字

 9月12日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日の話題は以下の通り。
  1. なぜ絵文字ができた?
  2. なぜ横浜に中華街がある?
  3. アスファルトってなに?
本日はこのうち1.について考察する。

 さてそもそも絵文字とは何か?ということだが、ウィキペディアには、
  • 主に古代に用いられたロンゴロンゴ文字などの絵を利用した古い文字
  • 象形文字以降に用いられた複数の絵を文字とした表語文字の意味も含んだマヤ文字などの文字
  • ナスカの地上絵などに見られる意味がありそうな絵
  • 中世以降に用いられた文字が読めない人のために絵を組み合わせて文章を表したもの
  • 標識などに使用されるピクトグラム
  • 説明書などで文字ではなくアイコンで意味を示したもの
  • 通常の言語の文章中で文字に該当する役割で使用される絵や記号
  • 携帯電話で用いられUnicodeでも採用された文字コードに含まれるEmojiともよばれる絵
という多様な意味が挙げられている。とりわけ、
  1. 小さなアイコン
  2. 顔文字;メールなどで〕文字や記号を組み合わせて、顔の表情をあらわしたマーク。フェイス マーク。例、(^o^)。【三省堂国語辞典】
  3. Unicodeでも採用された文字コードに含まれるEmoji
という3つのタイプでは、それぞれ成立の経緯や現在での使われ方が異なっているはずだ。今回はあくまで3.に関する解説であった。なお顔文字については2021年1月22日の日記にも考察がある。

 ということで放送内容に戻るが、「Unicodeでも採用された文字コードに含まれるEmoji」という意味での絵文字については放送では「ハートマークをどうしても送りたかったから」が正解であると説明された。大手IT企業の役員、栗田穣崇さん&ナレーションによる解説は以下の通り。
  1. 携帯電話の絵文字を開発したのは栗田さんご自身。当時絵文字は挑戦的なプロジェクトだった。
  2. 絵文字は日本で誕生した。開発に挑んだのは入社3年目、25歳だった栗田さん。
  3. 1995年、Windows95が発売されインターネット時代が到来。栗田さんはその年に入社。
  4. 当時携帯電話を持っていたのはごく一部。当時の通信手段はポケットベル(ポケベル)。
    • 最初は表示された電話番号に(公衆電話から)折り返し電話してコミュニケーションをとっていた。
    • 次に数字を語呂で読ませてメッセージのやり取りが行われるようになった。例えば「14106」は「1(あい)4(し)10(て)5(る)。
    • 1995年にはカタカナ、平仮名が表示できるようになった。その際「ハート」「電話」「時計」の絵文字が初めて採用された。こうしてポケベルは高校生や20代がブームを牽引し爆発的に契約者数を増やした。
    • 1997年、栗田さんの会社【画面には「画像提供:NTTドコモ」の文字あり】は漢字まで表示できるポケベルを発売。しかし売れなかった。漢字を入れる時にハートを外してしまったのがその理由であると栗田さんは述べていた。これは「ハートマーク事件」と呼ばれており、競合他社に顧客がだいぶ流れた【こちらに関連記事あり】。
    • ハートは最強の絵文字。例えば「バカ」と送れば誹謗中傷のネガティブなイメージになるが、「バカ◆」(◆はハートの絵文字)というように◆をつければポジティブなイメージにしかならない。
  5. 携帯電話でインターネットに接続してサービス提供する「iモード」では、携帯電話からメールのやり取りができるようになった。栗田さんはその際の文字の使用文字に絵文字を含めることを提案し受け入れられたが、実際の開発作業は栗田さんに丸投げされた。
  6. 携帯電話の表示文字は12×12ドットだったため、左右対称の絵文字は左1列を空けて11列、11×12で表すしかなかった。
  7. 作業が行き詰まっていた時、漫画に使用されている「怒り」や「汗」、「キラキラ」などが参考になった。但し「ウンチ」は却下された。
  8. 1999年2月22日、iモードがサービス開始。栗田さんの作った絵文字176種類が世界で初めて世に放たれた。
  9. 2016年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)に176種類の絵文字が展示された。


 ここからは私の感想・考察を述べる。といっても私自身は絵文字には全く縁がなかった。今は
  • 2008年3月13日最初に使っていた携帯は白い犬に囓られた。
  • 2022年6月7日「スマホ無し老後」からの脱却(1)「スマホは一切使わない」方針を撤回した理由、注文の経緯
というような経緯で一応スマホを使っているが、そもそも決断のきっかけはコロナ禍で海外渡航にスマホが必要だったことであり絵文字には縁が無かった。今でもスマホの主な用途は、各種スマホ認証、スマホ決済などに限られており、Eメールのやり取りは旅行先以外ではもっぱらデスクトップパソコンを使用しているため絵文字を使用することはない。

 上掲の解説の中に出てきたポケベルについては、NHKスペシャル、

●1996年11月3日初回放送:ベル友―12文字の青春?

についてどこかに感想を書いた記憶があるのだがざっと検索した限りでは見つからなかった。

 あと、絵文字ではないが小型のアイコンは、このWeb日記でごくわずかだけ使用している。その1つはハムスターのボタン。そのほかこちらに栗鼠蔵と洋子のアイコンがある程度。

 次回に続く。