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【インドネシアその49】方向によって見え方が違うガトッカチャ像
インドネシア旅行記(速報版)の最終回はデンパサールの『サトリア・ガトッカチャ公園』(Taman Satria Gatotkaca)」のガトッカチャ像。
Googleレンズの説明によれば、この像は、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」に登場する英雄ガトッカチャとカルナの戦いの場面を再現しており、空から攻撃するガトッカチャと、6頭の馬が引く戦車から弓で応戦するカルナの姿が描かれている。バリの芸術家I Wayan Wintenによって制作され、1993年10月30日に公開された。
この像の周りを回ってみると、方向によって描かれているものが違っているように見えた。早速ChatGPTに尋ねたところ、この像は「一方向からの正面像」ではなく、見る方向によって異なる神話的瞬間が浮かび上がるように設計されているという回答があった。具体的には以下の通り。
- ### @ 空港方面から(南側から接近)
- **正面に見えるのはガトートカチャの巨体と飛翔する姿**
- 背景に広がる空を背にして「空の守護者」として映ります。
- バリに降り立った観光客が最初に見る角度で、歓迎と守護の意味を込めていると考えられます。
- ### A 市街地・クタ方面から(北側から接近)
- **カルナの戦車がよく見える角度**
- 戦車に乗ったカルナが弓を引き絞り、天空のガトートカチャに狙いを定めています。
- 「戦いの緊張感」を感じさせ、物語的にはクライマックスを象徴。
- ### B 東側(サヌール方面)から
- **ガトートカチャが戦車を押し潰すように見える角度**
- 巨大な腕や脚の動きが強調され、「力の象徴」「魔除け」のイメージを持ちます。
- バリ彫刻特有の「ラウンド彫刻(どこからも物語性がある群像表現)」が最も分かりやすい角度です。
- ### C 西側(ジンバラン方面)から
- **二者の戦いの全貌が一望できる角度**
- ガトートカチャとカルナ、双方の姿勢が対称的に見え、観る人に「戦争の二面性(勝者と敗者、光と影)」を思わせる構図。
- バリのヒンドゥ的価値観(善悪のバランス=ルワ・ビネダ)を象徴的に表現しています。
- ## ◆ まとめ
- この像は「一方向からの正面像」ではなく、**見る方向によって異なる神話的瞬間が浮かび上がるように設計**されています。
- それは単なる造形の工夫ではなく、
- バリの信仰(ガトートカチャ=空の守護者)
- 神話(カルナとの最期の戦い)
- 芸術性(群像劇的立体構成)
を融合させた意図的表現です。
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