じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 8月20日放送のNHK朝ドラ『あんぱん』第103話で、柳井嵩がNHKの番組『まんが学校』に出演するというシーンがあった。
 こちらの記事ウィキペディアに紹介されているように、『まんが学校』は1964年4月6日から1967年3月27日まで、毎週月曜日18時〜18時25分にNHK総合で放送された番組であり、やなせたかしは「マンガの先生」というポジションでレギュラーで出演していた。
 私自身はちょうど小学校6年から中学2年だったため、自分の年齢より低い子ども向けという印象を受けたものの、ほぼ毎週視聴していた。
 記憶に残っているのは、クイズ番組にもかかわらず、正解が示される前にやなせさんがうっかりその答えの「××」を口にしてしまったというシーンであり、生放送だったこともありやり直しはきかない。しまったという表情で「××かな?」と言い直していた。もっとも「××」がなんであったのかは思い出せない。

 左の写真はウォーキングコース沿いにあるこども園の園庭。以前からアンパンマンのキャラで埋め尽くされている。ちなみに我が家の子どもたちが幼稚園に通っていたのは1990年代前半であったが、これほどまでにアンパンマン一色にはなっておらず、絵本やおもちゃを買ったりアニメを視たことも殆ど無かった。

2025年08月21日(木)




【小さな話題】ケンボー先生と山田先生〜辞書に人生を捧げた二人の男〜(3)『新明解」のユニークな語釈/はせじぃ版の語釈

 昨日に続いて、8月16日にNHK-BSで再放送された表記の番組のメモと感想。

 昨日の日記で取り上げたように『新明解』はユニークな語釈があることで知られている。そこで放送内容から外れるが、ChatGPTに、

三省堂『新明解』(新明解国語辞典)はユニークな語釈があることでしばしば話題になります。特にユニークであるとして話題になった語釈を10個紹介してください。

と尋ねたところ、以下の10例を紹介してもらった。
  1. 恋愛
     「特定の異性に対して他の人にはない特別の愛情を抱き、相手もまたそれに応えるという状態をいう。多くは、性的な欲望を伴う。」
  2. 結婚
     「男女が夫婦となること。――一生の間に何度もする人もある。」

  3.  「夫に生命を捧げて、その平和な生活を守るのを本分とする女性。」

  4.  「一家の主人で、妻と子を養う義務を負っている男性。」
  5. 友達
     「互いに心を許し合っている人。――ただし、相手の生活にあまり立ち入らない。」
  6. 団地
     「同じような形の家が、整然と立ち並んでいる所。――住んでみると、意外に隣人との交際が少ない。」
  7. 昼寝
     「昼間に短時間眠ること。――とりわけ、仕事をさぼってするのをいう。」
  8. ぜいたく
     「身分不相応に金をかけて、なくてもよい物を持ったり使ったりすること。――多くは本人には心地よい。」
  9. デート
     「男女が二人きりで会って、親しく語り合ったり、食事や遊びをともにしたりすること。多くは、恋愛感情を伴う。」
  10. 未亡人
     「夫に死なれた女性。――本来は『まだ亡くなっていない人』の意だが、女性に限って使う。」
こうした語釈は、単なる「中立的な定義」ではなく、編者の人生観や価値観がにじみ出ているのが特徴で、しばしば「辞書なのにエッセイのよう」と話題になります。


 ChatGPTでは続いて「ご希望があれば」として更なる情報を提供してくれるが、その中に「時代ごとに変化したユニークな語釈」というのがあったので以下に転載させていただく。

いいご質問です!
『新明解国語辞典』は初版(1972年)以来、版を重ねるごとに語釈が少しずつ変わり、「人生観」や「社会観」の変化が反映されるのが面白いところです。特に話題になったものをいくつかご紹介しますね。

◆ 時代ごとに変化したユニークな語釈例
  1. 恋愛
    • 初版(1972年)
       「特定の異性に対して、他の人にはない特別の愛情を抱き、相手もまたそれに応えることをいう。多くは性的な欲望を伴う。」
    • 第7版(2019年)
       「特定の相手に強くひかれ、心を奪われること。多くは性的欲求を伴う。」
      ◆「異性」に限定していたのが、時代に合わせて「特定の相手」へと修正されました。同性同士の恋愛も視野に入れたと見られています。
  2. 結婚
    • 初版
       「男女が夫婦となること。一生の間に何度もする人もある。」
    • 第7版
       「男女またはそれぞれの意思によって夫婦となること。」
      ◆「何度もする人もある」という皮肉っぽい語釈が削られ、同性婚の可能性もにらんでジェンダーに中立的な表現になっています。
    • 初版
       「夫に生命を捧げて、その平和な生活を守るのを本分とする女性。」
    • 第7版
       「結婚した女性が配偶者のことをいう場合の称。」
      ◆家父長的な価値観をにじませた定義から、ニュートラルで実用的な表現に変化しました。
    • 初版
       「一家の主人で、妻と子を養う義務を負っている男性。」
    • 第7版
       「結婚した男性が配偶者のことをいう場合の称。」
      ◆「主人」「養う義務」といった表現が削除され、こちらも性別役割を前提としない表現に。
  3. 友達
    • 第2版(1977年)あたり
       「互いに心を許し合っている人。――ただし、相手の生活にあまり立ち入らない。」
    • 第6版(2005年)以降
       「互いに心を許している人。」(※ただしの一文が削除)
      ◆「立ち入らない」という生活感のある一文がなくなり、より一般的な表現に。
  4. 団地
    • 初版
       「同じような形の家が整然と立ち並んでいる所。――住んでみると、意外に隣人との交際が少ない。」
    • 第7版
       「集合住宅を多数まとめて建設した住宅地。」
      ◆当初は生活実感がにじむ一文があったのに、最新版では簡潔で客観的に。
  5. 未亡人
    • 初版
       「夫に死なれた女性。――本来は『まだ亡くなっていない人』の意だが、女性に限って使う。」
    • 第7版
       「夫に先立たれた女性。」
      ◆「本来は?」という語源説明がカットされ、より簡潔に。


◆◆ まとめ
初期(1970年代?80年代)の『新明解』は、編者の個人的な生活観や社会観(特に性別役割や人間関係に関する実感)が濃く出ていて、「辞書なのに辛口エッセイ」と話題になりました。
一方、近年の版(特に第6版以降)は社会の変化(ジェンダー意識、多様な家族形態、同性婚への配慮など)を反映して、より中立的・簡潔な定義に修正されています。


 AIばかりに頼っているのはどうかと思うので、私も自力で上掲以外のいくつかの語釈について取り上げてみることにする。なお私のところにあるのはATOK搭載の第七版。
  1. 平和
    【新明解】(一)心配・もめごとなどが無く、なごやかな状態。(二)戦争や災害などが無く、不安を感じないで生活出来る状態。
    【はせじぃ版】自分たちの利益のために他者を屈服させようとする集団や国家が互いににらみ合うなかで一定期間戦闘の無い均衡をたもっている状態。なお、友好的な交流を広げることで根本的な平和を実現しようとする人々もいるが、多くの場合、短期的な成果にとどまる。
  2. 行動
    【新明解】何かをしようとして、実際にからだを動かすこと。
    【はせじぃ版】動物が環境の変化に対応して自身の生理的機能を変化させたり、自らの働きかけで環境を変えたりすることで、より効果的に適応すること。但し進化上の不都合による非適応的な行動もある。
  3. お金→金(かね)
    【新明解】(三)金銭。貨幣。
    【はせじぃ版】衣食住にかかわる資源を占有(私有)し、それを必要とする人に与える対価として自分のために働いてもらうためのツール。歴史的には、人を働かせるツールとして強制(奴隷や家来を働かせる)、目標達成(計画経済のもとで目標達成のために働かせる)などがあるが、お金は現代の資本主義体制のもとで最も有効なツールとして機能している【講義録参照】
  4. 遊ぶ
    【新明解】自分のしたいと思う事をして、楽しみながら時間を過ごす。
    【はせじぃ版】行動の一種。「その行動をしないと何かを失う、または何か有害な事象がおこる」という状況の下で起こる義務的な行動に対比し、「その行動をしなくても平穏な状態は続くが、行動をすれば何か楽しい結果が生じる」という状況のもとで遂行される行動。遊びになるかならないかは行動の種類ではなく、その行動をする場合としない場合でそれぞれどういう環境変化が起こるのかによって決まる。
  5. 生き甲斐
    【新明解】生きていることに意義・喜びを見いだして感じる、心の張りあい。
    【はせじぃ版】日常生活においてひとまとまりの行動(活動)を続けていくことに対して、その人にとって望ましい結果が適切な頻度と大きさで伴い続けていること。
  6. 自己
    【新明解】自分自身。
    【はせじぃ版】人が環境に働きかけたり、他者との視点の違いに応じて行動したり、自身の生育歴を考慮しながら物語化していく過程で感じる特別の感覚。

  7. 【新明解】(一)人間の血や、燃える火に代表される明るい色。 〔三原色の一つ。植物学では、花の色の二大区分として青と対比させる〕
    【はせじぃ版】3色型の色覚型を持つ人たちが共通して弁別できる約625〜740 nmの波長の可視光のこと。
 上掲の7例にも見られるように、『新明解』だからといってどんな言葉に対してもユニークな語釈がつけられているわけではない。多くは他の国語辞典と大差のない平凡な語釈にとどまっているように思える。

 次回に続く。