じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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【インドネシアその34】イジェン山登山のためのメディカルチェック
 ジャワ島のイジェン山登山では、前日に血圧や血中酸素濃度などのメディカルチェックを受けることが義務づけられていた。但し、血圧が多少オーバーしている人でも、注意を受けるだけで登山不許可にはならなかった。また、登山口にはおびただしい数のアジア系観光客が訪れており、メディカルチェックを受けたかどうかの点検は個別には行われていなかった【現地ガイドが参加者リストを提出していた可能性はある】。
 もっともツアーの登山で参加者に事故が起こった場合、その時点でメディカルチェックを受けていなかったことが分かるとその旅行社や現地ガイドは厳罰を受けるだろうから、いくらノーチェックといってもごまかすわけにはいかない。

 なお、ChatGPTになぜイジェン山登山でメディカルチェックが義務づけられているのかを尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。


 イジェン山(Gunung Ijen)の登山前に**血圧や血中酸素濃度などのメディカルチェックが義務づけられている理由**は、以下のような**安全面・環境面からの必要性**によるものです。
  1. 【有毒ガスによる健康リスクへの対応】
    イジェン山の火口湖は**強酸性のカルデラ湖**で、特に有名なのが**ブルーファイア(青い炎)**現象を生み出す**硫黄ガスの噴出**です。
    • 噴き出すガスには**二酸化硫黄(SO?)**などの有毒成分が多く含まれ、吸い込むと**呼吸器系に深刻な影響**を及ぼします。
    • 酸素濃度が低くなることもあるため、**高血圧や呼吸器疾患のある人**にとっては**命に関わるリスク**となります。
  2. 【夜間登山の危険性】
    ブルーファイアを見に行く登山は、**深夜〜早朝にかけて**行われます。
    • 真っ暗な中、**火口付近の不安定な足場を下る**必要があり、体力・健康状態が万全でないと危険。
    • 心臓や血圧に問題がある登山者は、**転倒や過労、酸欠による事故**のリスクが高まる。
  3. 【過去の事故・健康被害の発生】
    過去には、イジェン登山中に**呼吸困難や体調不良で倒れる観光客・登山者**が出るケースがありました。
    • 外国人観光客の中には、登山に不慣れな人も多く、事前の健康チェックが行われていないことで**緊急搬送や死亡事故**に至る事例も。
    • こうした事例を受けて、**地元行政や観光当局が安全対策を強化**する目的で、**メディカルチェック制度**が導入されたと考えられます。
  4. 【持続可能な観光管理】
    観光資源としてのイジェン山を守るため、**安全管理の徹底=観光の信頼性の維持**という側面も。
    * メディカルチェックにより、観光客の質を担保し、無理な登山による**環境破壊や救助コスト増加を防ぐ**目的もあると考えられます。
  5. まとめ
    イジェン登山におけるメディカルチェック制度は、以下のような理由で始まったものです:
    **「有毒ガス・酸欠・夜間登山の危険から登山者の命を守り、持続可能な観光を実現するため」**
    特に外国人観光客にとっては慣れない条件下での登山となるため、現地では**厳格な健康管理**が求められるようになっています。


2025年08月8日(金)




【小さな話題】『決断』と『選択』(1)ドラマの決断シーン、『ポツンと一軒家』での『遊房』の決断

 さいきん、『決断』について考える機会が複数あった。

 1つめは、視聴を続けているNHK朝ドラ『あんぱん』の中に出てくる様々な決断シーンであった。
  • 嵩がのぶに結婚を申し込むシーン
  • 健太郎とメイコが結婚するシーン
  • 嵩が会社を辞めて専業の漫画家になることを決断するシーン
などなどであった。

 もう少し具体的に語られていたのは7月27日(日)に放送された、テレ朝系『ポツンと一軒家』、

愛する亡母の形見…山奥のペンション!母が遺した最期の言葉に涙…

であった。この回に登場したのは、群馬県の山奥で27年前からペンション『おやど 遊房(あそぼう)』を経営している小藤真由美さん(56歳)であった。
  • 真由美さんは下関出身で、業界紙の新聞社に勤めていた父の転勤で3歳のとき関東に移った。
  • 両親が倒れたことで中学卒業後は魚屋でアルバイトをしながら両親の面倒をみていたが、20歳過ぎで父が亡くなった。
  • 10代の男の子が山小屋で暮らしているのをテレビで見た母親の誘いで、山小屋で暮らすことを決めた。
  • 相続の問題を起こさないために土地代は真由美さんが払い、建築費のほうは母親が工面した。母は23年前に他界。現在は90歳の叔母と同居している。
 なお、放送を視聴した限りでは真由美さんには結婚歴は無い。ペンションは1日1組限定となっており、土日の予約は年内満室となっている。

 この放送では、ペンションを始めるかどうかを決断するにあたって亡母(当時25歳)が発した、

●「やらなかった事の言い訳なんか聞きたくない。やって失敗した愚痴なら聞いてあげる

という言葉が印象に残った。新しい行動を始めるかどうかを決断する際にはいろいろな迷いが生じるがそのことに囚われていると時機を逸してしまう。人生では慎重な検討も大切だが、行動しない言い訳ばかりを探してリスクの少ない地道な道を選ぶより、1つや2つは大きなことに挑戦してみるという決断もあってよいのかもしれない。ちょうど、8月8日放送の『あんぱん』でも嵩が退職願を出すシーンがあった。ま、ドラマというのはたいがい、日頃の努力と重大な決断が織りなすストーリーとして構成されており、ハッピーエンドで終わるようにできているが...【現実はそんなにうまくは行かない】。

 『ポツンと一軒家』で真由美さんはまた、今の生活や過去について、

  1. 【上掲の続き】だからやろうと思った事はやる 全部
  2. その時その時がいつも楽しい
  3. 大ごとで半べそかく時でもそれもまあ楽しい
  4. 【今の生活は?】いや もうそれこそ100%満足
  5. 高校進学しなかった事とかレール外れた感じかもしれないけど、ここに来るための道だった そう思えるからやっぱり幸せ
というように語っておられた。5.の「すべてここに来るための道だった」という過去の捉え方は、過去に大きな失敗体験がある人には有用な「自己の物語化」になるように思う。例えば、
  • 大学入試で不合格になったことで、翌年の受験の際により自分に合った進路を選択できた。
  • 高校時代に失恋したことで、もっとステキな配偶者に巡り会うことができた。
  • 大病にかかって体の一部が不自由になったことで、新たな感覚を磨けるようになった。
などなど。但し、こうした物語化で自分を納得させるためには、今の生活を肯定的に捉える必要がある。今の生活上での困難を過去の失敗体験に結びつけてしまうと、逆に「自分は過去にこんな嫌な体験をしたために今も不幸であり続けている」といた「負の物語化」になってしまう。

 さて、以上は最近耳にしたエピソードであったが、実は『決断』というのは、

●ある行動をするか、しないか?

ではない。すでにある行動Aが続けられており、そこで、

●行動Aの代わりに新たに行動Bに移行するか、しないか?

という形で問題設定すべき場合も少なくない。例えば、
  • 職場Aから職場Bへの転職
  • いまの住居Aから住居Bへの転居
  • 独り暮らしAから結婚生活Bへ(もしくは結婚生活Aから離婚して独り暮らしBへの移行)
などがある。これらの決断では、「行動Bをするかしないか」に加えて「行動Aを続けるか、やめるか」についても精査する必要がある。

 次回に続く。