じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



06月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る



クリックで全体表示。



 5月29日(木)の夕刻、NHKのローカル番組で『ももちゃり』の話題を取り上げていた。左の画像上段に示すように、岡山市で通勤・通学に自転車を使う人の割合は17.819%で政令指定都市の中では第4位となっている。そのうち一部の人たちは『ももちゃり』の利用者であると紹介された。
 『ももちゃり』というのは、乗り捨て可能なレンタサイクルで
岡山市内に複数設置されているサイクルポート(専用駐輪場)で自転車を借りて、違うサイクルポートへ返すことができるサービスです。
となっている。
1回の利用料金は100円、このほか1か月、6か月契約などがある(こちら参照。)。またサイクルポートは左の画像中段に示す通りだが、岡大構内には4か所も設置されており岡大生や教職員の利用が多いことが分かる。
 左の写真下は岡大西門のサイクルポート。

 1つ気になったのは、この放送の冒頭で岡山駅東口の利用状況の映像が流れた時、利用者は誰一人ヘルメットを着用していなかったことだ。こちらによれば運営本部でヘルメットの貸出をしているとのことだが、わざわざ運営本部に立ち寄ってヘルメットを借りる人はおるまい。といって、ヘルメットを持参して通勤・通学をするのは煩わしい。
 ももちゃりから話題が逸れてしまうが、私がざっと観察した限りでは、岡山市内でヘルメットを着用して自転車に乗っているのは小中高の生徒のみ。ヘルメット着用の意義は十分に理解できるものの、成人一般の着用を定着させるのはなかなか難しい。【←非着用を取り締まるのではなく、ヘルメットを着用しながら運転している人に対して商店街の割引クーポンなどを配布するようなポジティブな強化を実施すれば、着用率はかなりアップするのではないかと思う。

2025年06月7日(土)





【連載】チコちゃんに叱られる! 太田光さんと岡村隆史さんの違い/温泉に入るとき頭にタオルをのせるのはなぜ?

 6月6日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 この日はゲストとして太田光さんが初登場されていたが、冒頭の映像では身長差はあるものの岡村さんによく似たお顔・髪形をしており、岡村さんのお兄さんが出てきたのかと思うほどであった。念のためお二人の情報を調べたところ、
  • 岡村隆史:1970年7月3日生まれ。身長156cm。
  • 太田光:1965年5月13日生まれ。身長170cm。
となっていて、太田光さんのほうが約5歳年上であることが分かった。なお相方の田中裕二さんも1965年1月10日生まれで、身長は岡村さんより低い153.5cm。
 ちなみに私自身の身長は公称161cmであるが【ねずみ男と同じ】、先日特定健診を受けた時には158cmに縮んでいた。いずれにせよ、背の低い芸人さんが活躍されていることは心強い。

 さて、この日は、
  1. 温泉に入るとき頭にタオルをのせるのはなぜ?
  2. 肉まんにはシワがあるのにあんまんがつるつるなのはなぜ?
  3. アニメの登場人物はなぜ髪の毛の色がいろいろ?
という3つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 入浴時に頭にタオルをのせる理由について、放送では「脳をオーバーヒートさせないため」が正解であると説明された。温泉医科学研究所の所長もつとめる早坂信哉さん(東京都市大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 温泉に入る時、何となくの雰囲気や、タオルの置き場所が無くてタオルを頭に乗せている人も多いかと思われるが、実は脳のオーバーヒートを防ぐ意味がある。
  2. 脳のオーバーヒートとは、脳がいつもより熱くなり正常に機能しなくなること、
  3. お湯につかって体が温まると、血管の内側から血管の筋肉を緩ませる一酸化窒素が出る。さらに副交感神経も刺激される。これら2つの要素によって全身の血管が広がり、血流がよくなる。
  4. 体温が上がると分泌される一酸化窒素と、お湯につかると刺激される副交感神経の働きで血流がアップし、酸素や栄養を含んだ血液が全身に行き渡りやすくなり疲労回復や新陳代謝が促進される。温泉に入ると体の調子が良くなるのはこのため。
  5. 一方、入浴で温まった血液が脳に流れ込むと脳の温度が上がるが、脳がオーバーヒートしてしまうと内臓や筋肉を働かせる指令がうまく出せなくなり、だるさやめまいを引き起こす。これが『のぼせ』。
  6. 『のぼせ』を防ぐには、頭に冷たいタオルを乗せて脳を冷やす必要がある。
  7. ぬれた冷たいタオル1枚でも、脳の皮膚の近くを流れる血液を冷まして脳のオーバーヒートを予防できる。なので頭に乾いたタオルを乗せても意味は無い。
  8. 頭にタオルを乗せる習慣を誰が始めたのかについては文献が残っていない。おそらく温泉好きの賢い人が始めたのだろう。
  9. 頭にタオルを乗せることで『立ち眩み』も防げる。立ち眩みは、立ち上がる時に体中の血液が重力によって足のほうにたまることで、脳への血液が一時的に減り、めまいやふらつきを感じること。
  10. 立ち眩みはお湯から出た時にも起こりやすい。お湯につかっている時は水圧によって血管が程よく締めつけられているが(=体温UPで血流が多くなることと水圧で血管が締めつけられて血流が少なくなることのバランスがとれている)、お湯から出ると水圧が無くなるため血管が一気に広がり血液は重力の影響を受けて足のほうへ落ちていってしまう。この時、脳への血液が一時的に減るので『立ち眩み』が起こる。
  11. 立ち眩みを防ぐためには、冷たいタオルで顔や腕を拭き交感神経を刺激するとよい。血管を広げる副交感神経とは反対に、血管を引き締める交感神経を刺激することで立ち眩みを防ぐ効果が期待できる。
  12. 交感神経を刺激してしまうとリラックスできない恐れがある。なので「お風呂から上がる直前」に顔や腕をふくことがポイント。これにより交感神経のスイッチが程よく入り血管が引き締まり立ち眩みが起こりづらくなる。
  13. 放送では、冷たいタオルを頭に乗せることが入浴時とお湯から出た直後の血圧にどのような効果を及ぼすのか、実験が行われた。
    • 頭にタオルを乗せなかった場合:入浴時125mmHg、入浴直後120mmHg。←入浴直後は血管が広がっていて血液が下のほうに落ちて立ち眩みしやすくなる。
    • 頭にタオルを乗せ、顔を拭いてから上がった場合:入浴直後134mmHg。←交感神経が刺激されたことで血管が程よく締めつけられるため、立ち眩みの予防になる。
  14. 【早坂さんの仮説】入浴時に腹が立ったことを話したり考えたりしても交感神経が刺激されるので、立ち眩みの予防になる。放送では被験者となったディレクターが5分間の入浴時に腹の立つ話をしたところ、入浴直後の血圧は134mmHgで、冷たいタオルと同様な効果があることが実証された。



 ここからは私の感想・考察を述べる。
 まず、私自身も、温泉旅館や温浴施設などでは、頭にタオル(手ぬぐい)を乗せて入浴することが多い。理由はタオルの置き場所が無いためで、脳のオーバーヒートについては考えたことがなかった。通常、入浴時にはタオル1枚を持ち込むが、タオルをお湯の中に入れることは禁じられているので、お湯に浸かる時には頭の上に乗せるか、もしくは浴槽の淵に置くことになる。洗い場に置きっぱなしをするとその場所を占有することになり他の利用者に迷惑をかけるからである。

 6月3日に、「子どもはなぜ内緒話をするのか」に関連して述べたように、
  • ある行動がなぜ起こるか?
  • ある行動にはどういう効果があるのか?
という2つの疑問は必ずしも同一ではない。今回のケースでも、
  • タオルを頭に乗せる行動がなぜ起こるか? →タオルの置き場所が無いから。
  • タオルを頭に乗せる行動にはどういう効果があるのか? →冷たいタオルであれば脳のオーバーヒートを防ぐ効果がある。
というように区別する必要がある。

 なお、上記では「行動の原因」と「行動がもたらす効果」は必ずしも同一ではないと述べたが、オペラント条件づけの強化の原理として知られているように、環境への適応という観点から見ればこれらは同一であったほうが適応的になる。とはいえ、例えば甘いものを食べ過ぎたり、ゲームに熱中するといった場合のように、現代社会では、その行動を直接強化している要因と、その行動を続けた場合の中長期的な効果は必ずしも一致しない場合も少なくない。

 もとの話題に戻るが、上記では立ち眩みの原因や予防についても解説があった。このことでふと思ったが、サウナ風呂から出た時には立ち眩みは起こらないのだろうか。今回の説明によれば、

お湯から出ると水圧が無くなるため血管が一気に広がり血液は重力の影響を受けて足のほうへ落ちていってしまう。この時、脳への血液が一時的に減るので『立ち眩み』が起こる。

とのことであったが、サウナから出ても水圧の変化は無いため、血管が一気に広がることはないと思う。とはいえサウナの中で血管は十分に広がっておりしかも水圧による適度なバランスがとられていないため、出た瞬間に「血液は重力の影響を受けて足のほうへ落ちる」という現象は同様に起こるのではないかと思われる。

 余談だが、今回の話題の中で、
  • 彼女と念願の温泉旅行に出かけたのに連日連夜のAD業務で疲れ果て温泉も入らず部屋でずっと寝ていたせいで彼女に振られた、と昔話をしてくれたスタッフがいた。
  • 【ディレクターの昔話】昔つきあっていた彼女に1か月家を追い出されたのに、その間の家賃を請求された。原因は、絶対起きられないのに毎朝6時にアラームをかけていて迷惑でしょうがないと言われたため。
というエピソードが紹介されていたが、これらはいずれも、結婚前の男女が結婚相手とは別の異性と一緒に温泉に泊まったり同棲していたという話であり、私のような昔人間から見れば、そんなに大っぴらに語れるものでもないし、公共放送NHKで紹介できるような内容でもないと思うのだが、いまは過去の性体験を気軽に語れる時代になったということだろうか。

 次回に続く。