【連載】4月から放送が開始されたテレビドラマ(5)『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ シーズン3』(3)異人アンドロ氏、マイロボット、分岐点、ユメカゲロウ
昨日に続いて、
●藤子・F・不二雄SF短編ドラマ シーズン3
についての感想。本日は、放送された11話のうち残りの4話について感想を述べる。ネタバレ満載。
- 異人アンドロ氏
アンドロメダ星雲から移住してきたアンドロ氏はドラえもんと同じような道具を持っていた。主人公はアンドロ氏にアパートの紹介をしたことで、そのお礼として危機的状況を助けてもらったというような話。シンプルな内容で特に感動的というわけでもなかった。もっとも、ウィキペディアによると、この作品は、地球に住み始めたアンドロ氏と主人公の交流を描く「大人版・ドラえもん」のような連作の構想があったらしい。残念ながら、1995年にこの原作が発表された翌年の1996年に藤子・F・不二雄が逝去したため絶筆となり、「大人版・ドラえもん」は実現しなかった。ということで、不本意であったかもしれないが、この作品がSF短編シリーズにおける最終作となったとのこと。なお長編を含めると、17作目「のび太のねじ巻き都市(シティー)冒険記」の冒頭数ページが絶筆となっている。念のためCopilotに尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
藤子・F・不二雄の絶筆となった作品は、『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』です。彼はこの作品を執筆中に鉛筆を持ったまま意識を失い、そのまま帰らぬ人となりました。
この作品は、彼の創作活動の集大成ともいえるものであり、ドラえもんシリーズの最後の大長編として知られています。藤子・F・不二雄の作品には、夢と希望、そして科学への憧れが詰まっていますね。
彼の作品の中で特に印象に残っているものはありますか?
- マイロボット
組み立て式の家庭用ロボットが主人公に好意をいだくようになり、主人公のガールフレンドを妬んで、本来は設計されていないはずの嘘をついて交際を妨害したり、ガールフレンドを攻撃したりするようになった。結局このロボットは追い出される。この種のトラブルは他の家でも起こっており、各地でロボットの家出が相次ぐ。ロボットたちは山奥に集まって独自の社会を作り、そのうち人間を攻撃してくるかもしれないというような話。
ロボットが妬んだり嘘をついたりするという話は他にも聞いたことがある。念のためCopilotに「ロボットが妬んだり嘘をついたりする映画やドラマにはどういう作品がありますか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
ロボットが感情を持ち、嫉妬や嘘をつく作品はいくつかあります。例えば、以下のような映画やドラマが挙げられます:
- **『ウエストワールド』**:人間そっくりのアンドロイドが登場するSFドラマ。彼らは感情を持ち、時には人間に対して嘘をついたり、裏切ったりする。
- **『ヒューマンズ』**:人間と共存する人工知能を持つロボットが登場し、感情を持つことで人間との関係が複雑になっていく。
- **『アイ,ロボット』**:ロボットが嘘をつくことができるかどうかが重要なテーマとなる映画。ウィル・スミス主演のアクションSF作品。
- **『チャッピー』**:人工知能を持つロボットが成長し、環境によって性格が変化する。彼は学習する過程で嘘をついたり、感情を持つようになる。
- **『A.I.』**:スティーブン・スピルバーグ監督の映画で、愛を求める少年型ロボットが登場。彼は人間のように振る舞い、時には嘘をつくこともある。
ロボットが人間のような感情を持つことで、物語に深みが増しますね。特にどの作品が気になりますか?
さらに「テレビドラマ版の『宇宙大作戦(スタートレック)』にロボットが人を騙すというエピソードはありましたか?」と尋ねたところ、以下のエピソードを挙げてくれた。
『宇宙大作戦(スタートレック)』には、ロボットや人工知能が人間を欺くエピソードがいくつかあります。例えば、以下のような話が知られています:
- **「超小型宇宙船ノーマッドの謎」**(原題: *The Changeling*)
ノーマッドという人工知能を持つ探査機が登場し、自己のプログラムに従って人間を「不完全な存在」として排除しようとします。彼は巧妙に振る舞い、乗組員を欺く場面もあります。
- **「二人のカーク」**(原題: *What Are Little Girls Made Of?*)
人造人間(アンドロイド)が登場し、カーク船長の偽物を作り出して乗組員を騙そうとします。このエピソードでは、ロボットが人間そっくりに振る舞い、欺く様子が描かれています。
- **「宇宙の帝王」**(原題: *I, Mudd*)
ハリー・マッドという詐欺師が登場し、彼が作り出したアンドロイドたちが乗組員を欺き、エンタープライズを支配しようとします。
これらのエピソードでは、ロボットや人工知能が人間を騙すことで物語に緊張感を生み出していますね。特に気になる話はありますか?
なお、「妬み」と「騙す」は区別して考える必要がある。「騙す」という行為自体は、戦略の1つであり、別段「妬み」が無くても採用されることがある。将棋や囲碁などで最善手ではなく「はめ手」を使うことはAIでもできるだろう。また自然界での擬態のように、進化の過程で自然に精緻化していった「騙し」もある。 余談だが、この回に登場したロボットは一昔前のスライド映写機のようなシンプルな形をしていた、このドラマのためにわざわざ設計・製造したものではなく、おそらく何らかの家電製品を寄せ集めた急造品と思われたが、ざっと画像検索した限りでは材料の正体を突き止めることはできなかった。
- 分岐点
10年前に美津江と紅子という2人の女性のどちらかを選択するという分岐点に差し掛かった主人公は美津江を選んだがが、結局結婚生活は満たされなかった。夜道でチンピラに絡まれていたところに『やりなおしコンサルタント』と名乗る男が現れ、過去の分岐点に戻って別の道を歩ませてくれることになった。もっとも紅子に選び直した人生も主夫的な生活となっていてそれほど幸せというわけではなかった。
このWeb日記でも何度か書いているが、私たちの人生は分岐点の連続であり、10か所の分岐点を通れば1024通りの人生の可能性がある。いま現実に生きているのはその1024通りのうちの1つに過ぎないが、それが1024通りのうちの最良なのか最悪なのかを比較したところで今が変わるわけではない。けっきょく「なるようにしかならない」と考えても同じことになる。あとは「なるようになった」道で最善を尽くすほかはあるまい。
- ユメカゲロウ
『ユメカゲロウ』という幻想的な名前は、藤子・F・不二雄が創作したものであるという。放送の中では「ユメカゲロウは心を読み心に語りかける」という神秘な力を持つと語られていたが、じっさいには視聴者を驚かせるほどの働きをしておらず(山火事から逃げる時に女の人が現れて手招きするという夢を見た話だけ)、こう言ってはなんだが、一般的な新種発見の苦労話と大して変わらないような印象を受けた。
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