じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 3月2日の日記に、岡山市で開始されたプラスチック資源ゴミ回収の初日の写真を掲載した。3月8日は2回目の回収日となっていたが、ウォーキング中に眺めた限りでは新ルールはほぼ守られているようであった【写真下】。いっぽう、3月1日の時点ではまだ残っていた公民館の発泡トレイ回収ボックスは撤去されており、「資源化物拠点回収所:空き缶・スプレー缶・びん・蛍光管」と掲示されていた【写真上】。


2024年3月9日(土)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「古い硬貨が光らなくなる理由」と金属光沢、硬貨の希少性、五百円硬貨

 3月8日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この回は、以下の5つの話題が取り上げられた。
  1. 硬貨が古くなると光らなくなるのはなぜ?
  2. 万華鏡が出来たのはなぜ?
  3. 【CO2削減のコーナー】全種類見る!キツネ20種類
  4. 床に落ちた髪の毛が「汚いもの」に見えるのはなぜ?
  5. 【お便りコーナー】調味料の少々の量が分からなくて困ります。なぜ具体的に量を言わないの?
という5つの話題が取り上げられた。本日はこのうち1.について考察する。

 さて「硬貨が古くなると光らなくなるのはなぜ?」については、私自身は、
  1. 財布の中でこすれあうことでキズがつく。
  2. 手垢などで表面が汚れる。
  3. 湿気などで錆びる。
という3つの原因が複合的に働いたものであると思っていたが、放送では「電子が動けなくなるから。」が正解であると説明された。川村康文さん(東京理科大学)によれば、古くなった硬貨が光らなくなるのは以下の通り。
  1. 金属には電子の粒がたくさんあり自由に動き回っている。
  2. 電子は光をいったん吸収し、その直後に光として放出する。つまり光を跳ね飛ばす性質がある。
  3. その結果、私たちの目には、ピカピカと光るように見えている。
  4. 金属が濡れたりして水分に触れると、一部の銅【←銅製の硬貨の場合】の原子が水に溶け込み電子もそれに引っ張られていく。
  5. 銅の原子が水の中にある酸素原子とくっつくと電子は自由に動けなくなる。
  6. その後水が乾いたあとも酸素原子につかまえられた原子は動けない状態で、結果として光を十分にはね返せなくなる。
  7. 酸素とくっついた金属は酸化物になり電子が動けなくなって光らなくなる。これが一般的にサビると呼ばれる現象。サビ取りは酸化物を取り除いて輝きを取り戻すこと。
ということで、スタジオゲストの回答の「硬貨が錆びるから」や「空気に触れた金属が化学反応を起こすから」でも正解であったように思われた。但し、これらの回答では、新しい硬貨、あるいは金属がなぜ光るのかを説明できていなかった。

 念のため、Bingに「金属はなぜ光るのですか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。

**金属光沢**とは、金属のよく磨いた表面や切断面などの滑らかな部分が光を反射する性質を指します。多くの金属がこの性質を持っており、その色は金属ごとに異なります1。
金属が光沢を持つのは、金属内の**自由電子**が関与しています。金属原子はたくさん集まると価電子を放出し、正電荷を帯びた金属イオンとなります。放出された価電子は金属中を自由に移動できるようになり、これが自由電子です。金属中の自由電子は特定の振動数で振動し、光の振動数と一致する場合、自由電子は光を再放出します。この自由電子によって跳ね返された光が金属光沢を生み出しているのです1。 【以下略】
(1) 金属光沢ってどんな現象?特徴やその原理を現役の研究者が .... https://study-z.net/100187086.
(2) 金属の金属光沢はなぜ生まれるの? | ねこでもわかる化学. https://bing.com/search?q=%e9%87%91%e5%b1%9e%e3%81%af%e3%81%aa%e3%81%9c%e5%85%89%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%a7%e3%81%99%e3%81%8b%ef%bc%9f.
(3) 金属は何故光るのか | MY隠れ家 - 楽天ブログ. https://plaza.rakuten.co.jp/6qjqe1245222/diary/201502090000/.
(4) なぜ金属は輝くのか? - ログミーBiz. https://logmi.jp/business/articles/254034.
(5) 金属元素の性質・特徴|なぜ光る?伸びる?電気を通す?炎色 .... https://xn--ols97e46f0m4a7qr.xyz/2016/04/22/post-679/.
 なお、鏡が光を反射する原理については以下のような説明を」いただいた。

はい、鏡やガラスが光を反射する原理は同じですが、微妙な違いがあります。
まず、**鏡**について説明します。鏡は、透明なガラスの裏側に薄い銀の反射膜が塗られています。この銀膜は湿気などから保護するため、さらに銅膜や特殊膜が塗られて鏡が製造されます。鏡のオモテ側はガラスで、光が透過してガラスの奥にある銀が反射することで像を映しています。鏡反射をつくるためにガラスを使用する仕組みです123。
一方、**ガラス**は表面が平滑でなめらかな部分で光を反射します。ガラスの裏側には銀膜がないため、鏡のように銀による反射は起こりません。ガラスの反射は、屈折率の異なる物質の境界で起きるもので、約2%の反射率を持っています。また、ガラスは完全に透明ではなく、わずかに緑色が含まれているため、鏡には緑色(青み)を足したような色が映し出されています??。
簡潔に言えば、鏡は銀膜による鏡反射を利用しているのに対して、ガラスは表面反射によって光を反射しています。どちらも光の反射を利用して物を映す仕組みですが、微妙な違いがありますね。

(1) 【鏡の構造・仕組み】映り方・反射の3つのトラブルを解決. https://www.e-kagami.com/column.html?no=107.
(2) 鏡が光を反射する理由 | Arts and Sciences. https://bing.com/search?q=%e9%8f%a1%e3%81%aa%e3%81%a9%e3%81%ae%e3%82%ac%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%81%8c%e5%85%89%e3%82%92%e5%8f%8d%e5%b0%84%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%82%82%e5%90%8c%e3%81%98%e5%8e%9f%e7%90%86%e3%81%a7%e3%81%97%e3%82%87%e3%81%86%e3%81%8b%ef%bc%9f.
(3) 鏡の仕組みについてです。 -鏡にものが映ったり光を反射させ .... https://oshiete.goo.ne.jp/qa/7937200.html.
(4) 光は曲がる?(くっせつと反射) | キヤノンサイエンスラボ .... https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_01_02.html.
(5) 鏡はどうして物を映すの?│コカネット. https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5311/.


 放送ではさらに、2021年に新しくなった五百円玉の製造工程が紹介された。
  1. 新五百円硬貨は、外側は黄銅、内側は白銅と銅で出来ている。
  2. 最初に銅を最高1,200℃で溶かす。材料の一部には金属の切れ端や古い硬貨も再利用される。
  3. 溶けた金属を決められた大きさにカットし再び加熱し薄く伸ばす。これを繰り返し薄い黒い板になる。
  4. 黒い表面を削り取ってさらに薄くのばすとコインの元となる板が出来上がる。
  5. 広島支局で作られた板を大阪本局にへ運んで専用の機械で打ち抜くとコアとリングが出来上がる。
  6. コアとリングを機械にセットし模様づけ。機械の中でリングにコアをはめて強い圧力でくっつけると同時に上下とフチに模様を押し付ける。
 さらに新五百円硬貨の偽造防止技術が紹介された。
  1. 外周部分に“JAPAN”と“500YEN”の小さな文字が刻まれている。
  2. 側面の斜めに入った線の幅に変化がある。この繊細な技術はお金がかかり偽造しても元が取れない。
  3. 3つ目は「500」の数字の「0」の中に見る角度によって“JAPAN”と“500YEN”の文字が浮かび上がる潜像という技術。



 ここからは私の感想・考察になるが、上掲の新五百円硬貨は、時たまおつりとして受け取ることがあるが、硬貨がたまると財布が膨れてポケットに入りにくくなるため、すぐに使ってしまうことが多い。念のため財布の中を調べたが、現時点では五百円硬貨は1枚も入っていなかった。
 財布の中で光っていた硬貨は、令和四年の百円玉と、平成三十一年の十円玉であった。平成三十一年発行というのがどれだけ珍しいのかは不明。Bingによると、令和元年の一円玉は1000枚しか発行されておらず、プレミア硬貨として取引されており、3000円前後で高値で取引されているというが、十円玉については情報は得られなかった。

 五百円硬貨についてはかつて偽造・変造硬貨が出回ったことがあった。ウィキペディアによれば、
1982年(昭和57年)に五百円硬貨が導入された同年、韓国でも500ウォン硬貨(朝鮮語版)が導入された。当時の為替レートで日本円で約170円の価値であったが、材質も大きさも五百円硬貨と全く同じ、直径26.5mmの白銅製であり、量目のみ7.7gとやや重いだけであったため、表面を僅かに削ったりドリルなどで穴を空けたりすることで0.5g質量を減らし、自動販売機で7.2gの五百円硬貨として通用させる例が続出した。
主な手口としては、変造した500ウォン硬貨を投入して「返却レバー」を操作し、自動販売機に蓄えられていた真正の五百円硬貨を取り出すというものである。投入した硬貨とは別の硬貨が返却口に出るという自動販売機の設計上の仕組みを悪用し、500ウォンと500円の為替レートによる差額利益を得る。また、真正な五百円硬貨を盗むほかに、変造した硬貨を500円として通用させて自動販売機から500円相当の商品や切符、あるいは釣銭を盗む手口もある。
という犯罪があった。それ以降も規模は小さいが偽造事件が散見されるようだ。
 硬貨の偽造・変造は、技術的には可能であっても、原材料のコストが額面を上回れば犯罪としては成立しない。また、同一場所で大量に使用されれば防犯カメラなどから使用者が特定されやすくなることから、滅多に起こらないのではないかと思われる。

 次回に続く。