じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 10月22日の夕刻は、自然の雲の中にで何本かの飛行機雲が輝き、銀河鉄道999のトレーダー分岐点のような立体的な夕焼けになっていった。岡山市上空は、九州方面や国際線(西向き)の航路になっていて、上空に寒気があると飛行機雲ができやすい。なお、私が見る限りでは、東方向への飛行機は、岡山空港発羽田行きの便以外には通らないようだ【たぶん、四国上空のほうを通る】。なので飛行機雲も大部分は天頂から西の空のほうに引かれていく。



2023年10月23日(月)




【小さな話題】「涙」のトリセツ(1)マイボーム洗顔

 10月19日にNHK総合で放送された、あしたが変わるトリセツシ ョー

「涙」のトリセツ

のメモと感想。加齢によりますます視力が低下し、またパソコンのモニター画面を見つめているうちに目がショボショボしてきて度数の異なる老眼鏡をどのようにかけ替えてもハッキリ見えなくなることが増えた私にとってはいくつかの朗報となった。
 今回の放送で取り上げられたドライアイについては、私自身も年相応の症状があり、一度、行きつけの眼科でムチン入りの目薬を処方してもらったことがあった【2013年1月26日の日記参照】。もっとも、目薬による効果は限定的であり、また隠居人となった現在は論文査読で時間に追われることもないので、最近は何の対策もとっていなかった。

 放送によれば、国内のドライアイ患者は推定2000万人以上で、もはや国民病となっているが、2023年2月に発行された『日本眼科學會雜誌』(第127巻第2号)に毎日たった10秒で自宅できる驚きの改善法が掲載された。
 159人のドライアイ該当者の涙を調べた研究によれば、
  • 14%:涙の水分が不足
  • 50%:「物質A」が不足
  • 36%:水分と「物質A」が不足
ということが明らかになった。この「物質A」は「アブラ」であると種明かしされた。ブラジルの獣医学の研究者によれば、多くの動物は涙に含まれる油によって乾燥を防いでいる。そのため、ドライアイになることがないという。

 放送によれば、私たちの目(角膜)は3つの層によって守られている。
  • いちばん内側はムチン。ネバネバした性質で、角膜と水をくっつける役割。
  • 真ん中が水。目の健康に必要なビタミンや栄養素を含む。
  • いちばん外側がアブラ。涙の1%未満。
 このうちアブラが乾燥を防ぐことは実験でも確認された。目を保護するアブラは高齢者ばかりでなく、若い世代でも不足するようになっている。目の疲れや乾きを感じる20〜30歳代若者30人を調査したところ、涙のアブラ層の厚みは、正常値75ナノメートルであるが、15人の測定値がこれを下回っていた。
 目を守るアブラは、マイボーム腺から分泌される。マイボーム腺はまつげの生え際のやや内側のあたりにあって、涙が出る場所とは別になっている。目のアブラが少なくなる原因としては、
  • アブラ詰まり:アブラの多い食生活が主な原因
  • まつげの周りのフケや皮脂など
  • アイメークの残り
などが考えられるという。なので、脂っこい物を食べるのは逆効果。また目薬にアブラ混ぜて目に注ぎ込んでも改善できるわけではなさそう。

 ではどうすればよいか。今回『日本眼科學會雑誌』で紹介されたのは以下の2つの方法であった。
  1. 温罨法(おんあんほう):40℃ほどのタオルなどで5分間、目元を温めてマイボーム腺のアブラ詰まりを解消
  2. 眼瞼清拭(がんけんせいしき):ぬるま油で人差し指を湿らせ、目を閉じ、まつげの根元を優しく5回ほど左右になでる(「マイボーム洗顔」)
 上掲のアブラ層不足の若者たちに、朝晩2回、毎日10秒の「マイボーム洗顔」を2週間実践してもらったところ、アブラの量の増加が確認されたという。

 この「マイボーム洗顔」の詳しいやり方は公式サイトでも紹介されている。私も試してみたが、「洗う」というよりマッサージしただけでも目がぱっちりするような感触があった。実際に効果があるかどうかはしばらく試してみないと何とも言えないが。汚れた指でこすったりして結膜炎などにならないよう注意したいと思っている。

 次回に続く。