じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 4月14日、妻がドラマを視ていた。明治初期の小学校で女の子が英語で「授業がつまらない」と言って学校をやめるシーンであった。あとで調べたところ、英語を喋っていたのは女の子ではなく男の子であり、4月から始まったNHK朝ドラ『らんまん』であることが分かった。
 4月から牧野富太郎をモデルにした朝ドラが始まることは知っていたが、私は原則として朝ドラを視ないことに決めており録画していなかった【朝ドラを見始めると生活時間が拘束されるため、というのが主な理由】。
 とりあえずNHKプラスで#6〜#10を視聴したが植物の話題が豊富で私好みの内容であった。しかもまことにラッキーなことに、4月15日の深夜に#1から#10までが一挙再放送され無事に録画することができた。
 もしこの『らんまん』を最終回まで視ることになったとすると、朝ドラとしては2012年10月から2013年4月まで放送された『純と愛』以来10年ぶりということになる。

 写真は高知県立牧野植物園。これまで2回訪れたことがあるが面積は17.8ヘクタールで、私が毎日ウォーキングしている半田山植物園の11ヘクタールの1.6倍もあって、じっくりと見学する時間がなかなか無い。

2023年4月15日(土)



【連載】チコちゃんに叱られる!「竹に節がある理由」「めちゃめちゃ」の多用

 4月14日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日は、
  1. 竹に節がいっぱいあるのはなぜ?
  2. ソースってなに?
  3. 【週刊チコニュース】なぜ地震の予知は難しい?
  4. 人の数え方で「人」と「名」はなにが違う?
という4つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 まず1.の竹の話題であるが、放送では「めちゃめちゃ早く成長するため」が正解とされた。殆どの樹木では成長点が枝や茎の先端だけにあるのに対して、1本の竹には約60個の節があり、その節ごとに成長点があるため2カ月で高さ10mに成長することができる。林野庁のホームページには1日に121cm伸びたという記録が紹介されている。
 竹がなぜこんなに早く成長するのかについては、放送では、タケノコが柔らかく野生動物に食べられてしまうため、食べられないうちに早く成長する必要があると説明された。

 放送ではこのほか、
  • 竹は内部が空洞であるため変形しやすく、横から力が加わっても折れにくい。
  • 竹の節の間隔は、真ん中の高さと比較すると根っこの部分のほうが短くなっており、真ん中の部分は「力を受け流す」、根っこの部分は丈夫な構造であることで折れにくい構造になっている。
  • 内部が空洞であるため、自分の重さで折れることがない。
という特徴が紹介された。さらに、竹を3日間、蛍光塗料に浸すことで「竹を光らせる」という実験を行ったが、残念ながら失敗した。

 ここからは私の感想・考察になるが、放送では、竹が早く成長するのは野生動物に食べられないためと説明されていたが、野生動物が食べようとするのはタケノコが柔らかいためであり、タケノコがなぜ柔らかいかと言えば早く成長するためであるからに他ならない。要するに、竹が早く成長することとタケノコが柔らかいことはトレードオフの関係になっているのではないかと思われる。ではそれにもかかわらず竹が早く成長する方略で進化したのはなぜかと言えば、おそらく他の植物より早く伸びることで光合成の機会を獲得することが繁殖に有利に働いていたためではないかと考えられる。あと、竹はそれぞれが地下茎で繋がっているため、成長に必要な水や養分を獲得しやすいというメリットもあるように思う。なので、放送で正解とされた「めちゃめちゃ早く成長するため」自体はその通りだと思うが、なぜ早く成長しなければならないのか(淘汰されてしまうのか)という理由については、野生動物説ではなく光合成説のほうが妥当であるように思われる。

 余談だが、少し前から私は「驚くほど程度が著しい」という意味で「めちゃめちゃ」が肯定的に使われることに抵抗を感じている。いちばんよく耳にするのは『ポツンと一軒家』の番組であり、数えたことはないが、3分間に1回ぐらいの割合で「めっちゃめちゃ」が使われているように思う。私の世代の感覚から言えば、「滅茶滅茶」や「目茶目茶」はあくまで何かが破壊されたり乱雑でエントロピーが増大している状態を表現することばであって、否定的な印象が強い。「あなたの書いているWeb日記はめっちゃめっちゃスゴいですねえ」と言われたら、「Web日記の内容はデタラメ、雑多で支離滅裂ですねえ」と批評されたような気になる。ま、じっさいこのWeb日記の中身がめちゃめちゃであることは否定しないけれど。

 次回に続く。