じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 4月9日の岡山は最低気温が4.0℃まで、また県北の上長田や千屋では氷点下まで下がったという。もっともこの寒さは一時的なものであり、各所で美しい新緑が見られるようになった。
 写真は、岡大・文法経グラウンドから眺める半田山(繋ぎ写真)。


2023年4月10日(月)



【連載】AIの進歩で仕事を奪われる人と、新たなビジネスチャンス(5)AIで失業する人たち、生成AIと著作権

 4月6日の続き。

 それにしても最近はAIの話題が多く、TVのニュースやネット上の新着記事は到底把握しきれないほどに溢れている。ま、私のような隠居人にとっては、対話型AIに話し相手になってもらうだけで十分とも言えるが、孫たちが仕事選びをする15年〜20年先には世の中もずいぶんと代わってしまいそうな気がする。なりたいと思っていた職業がAIに奪われてしまうこともあれば、新たなビジネスのチャンスが到来するかもしれない。隠居人としても、時代の流れに乗り遅れないようにしたいものである。

 さて、昨日、ツイッター経由で閲覧した記事の中に、

ChatGPTなどの言語モデルに仕事を奪われる危険性がある職業ベスト20

というのがあった。この記事では、AI全般ではなく、言語モデルに限定して仕事が奪われそうな職種がリストアップされていた。なので、例えば、警備員、タクシー運転手、銀行員、倉庫作業員、ホテルのフロントや受付係などは、AIに仕事が奪われる職種ではあるが、言語モデルAIではないので含まれていない。

でもって、AIの影響を受けやすいとされる職業Top20は、
  1. 電話勧誘業者(Telemarketers)
  2. 英語(国語)と英文学の教師(English language and literature teachers)
  3. 外国語と外国文学の教師(Foreign language and literature teachers)
  4. 歴史の教師(History teachers)
  5. 法律の教師(Law teachers)
  6. 哲学と宗教の教師(Philosophy and religion teachers)
  7. 社会学の教師(Sociology teachers)
  8. 政治学の教師(Political science teachers)
  9. 刑事司法と法執行機関の教師(Criminal justice and law enforcement teachers)
  10. 社会学者(Sociologists)
  11. ソーシャルワークの教師(Social work teachers)
  12. 心理学の教師(Psychology teachers)
  13. コミュニケーションの教師(Communications teachers)
  14. 政治学者(Political scientists)
  15. 文化研究の教師(Cultural studies teachers)
  16. 仲裁人、調停者(Arbitrators, mediators and conciliators)
  17. 裁判官(Judges, magistrate judges and magistrates)
  18. 地理の教師(Geography teachers)
  19. 図書館学の教師(Library science teachers)
  20. 臨床心理医、カウンセリング、学校心理学者(Clinical, counseling and school psychologists)
となっていた。英語を機械翻訳したせいか、職種の呼称の中には聞き慣れないものもあるが、ま、日本の関連職種もそれなりに考慮しておいたほうが良いかもしれない。もっとも、こうした関連職種の人たちが丸ごと仕事を奪われるとは到底思えない。むしろAIを活用してさらに質の高い仕事を提供できる可能性があるように思う。




 次に、4月10日朝の日経モーニングプラスFTでは、

●生成AIのブーム到来 著作権はあるのか

という話題を取り上げていた。

 今回取り上げられたのは、テキストで指示を入力するとイラストなどを自動で生成する『画像生成AI』と著作権の問題が取り上げられていた。現在、画像生成AIとしては、『ミッドジャーニー』、『ステーブル・ディフュージョン』、『ダリ2』などがあり、3月にはアドビが『ファイアフライ』を公開。また先週、メタのCTOが生成AIを年内に商用化する計画を明らかにしたという。
 これらのアプリ・ソフトは著作権侵害に配慮しており、例えば「月にいるミッキーマウス」の画像生成を依頼しても、実際にはミッキーマウスとは異なるマウスが生成されるという。
 日本の著作権法30条の4では、AIの開発目的で許可無く著作物を利用できるが、著作権者の利益を不当に害する場合は例外とされているという。念のためこちらを参照したところ、正式の文言は、
(技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用)
第30条の4
公表された著作物は、著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合には、その必要と認められる限度において、利用することができる。
となっており、特定の画家の作品を機械学習して画風を取り込むこと自体は違法にはならないようである。但し、30条の3のところには「ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。」というように制限が設けられている。

 いっぽう外国の法律は少々異なっており、イギリスで係争中の裁判では、AIの学習目的のために許可無く複製することが「公正な利用かどうか」が争点になっているという。

 著作権侵害が認められるには、
  • 類似性:既存作に表現が似ているか
  • 依拠性:既存作を元ネタとしているか
が基準となっている。なお、損害賠償が請求できるのはAI利用者の故意または過失が条件となっており、それに該当しない著作権侵害では、コンテンツ利用の差し止めの措置が行われるという。

 グレーゾーンの多い状況ではあるが、現時点で注意すべきポイントとしては
  • AIで作ったものを著作物とするには:人の手で加工を加え、AIの画像を下地にオリジナルを作る。
  • 他人の著作物を侵害しないためには:似たものがないか確認。AIへの指示文に特定の作家やキャラクター名を入れない。
  • 開発企業:非営利目的に限定。利用者への本人確認。
が挙げられていた。
 放送の終わりのところでは、合法か違法かという軸と直交する形で「社会的にアウト」か「社会的にセーフ」か、という軸を加えて2×2の二次元平面が示され。
  • 合法かつ社会的にセーフ:公式が認めた二次創作
  • 違法かる社会的にセーフ:同人誌などの二次創作
  • 合法かつ社会的にアウト:リスペクトに欠ける作品
  • 違法かつ社会的にアウト:ファスト映画、無断転載サイト
という分類が行われていた。このほかディープフェイクが広まると、何がホンモノで何がフェイクかが区別できなくなる危険性も指摘されてきた。

 不定期ながら、次回に続く。