じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 農学部構内のヒイラギの花。ずっとギンモクセイの変種だと思っていたが、ある時「ヒイラギ」の看板が取り付けられた。ヒイラギというと、鋸歯のようなトゲトゲの葉が思い浮かぶが、ウィキペディア
学名の種小名は「異なる葉」を意味し、若い木にある棘状の葉の鋸歯が、老木になるとなくなる性質に由来する。
と記されている通りで、花の咲いている枝の葉と、根元から新しく出てきた枝の葉(写真下)は形が異なっていることが分かる。


2022年11月15日(火)



【連載】太陽系の基本知識を更新する(20)土星(1)

 すっかり間が空いてしまったが10月12日に続いて、NHK「コズミックフロント」:

●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」

についての備忘録と感想。今回からは土星を取り上げる。

 他の惑星の場合と同様、まず、私自身が子どもの頃、土星がどのように語られていたのかを調べてみた。小学生の頃の愛読書『宇宙のすがた』(鈴木敬信、1967)には「輪をはめた土星」という節があり2ページちょっとにわたって説明があった。要約抜粋すると、
  1. 土星の輪は1枚の板のように見えるが、内側部分と外側部分ではまわるスピードが異なっている。輪の直径はおよそ27万km。厚さは15km。輪は3つの部分に分かれており、外側から順にA環、B環、C環と呼ばれる。A環とB環の間には幅約5000kmの隙間があり、カッシニのすきまと呼ばれている。
  2. 土星本体の中心部には半径約6000kmの中心核があり、それを津づんで厚さ3万4000kmの氷と水の層、その上に厚さ1万9000kmの水素とヘリウムの大気、その上層に固体アンモニアの密雲がある。
  3. 土星の重さは地球の約95倍だが、平均比重は水の0.67倍。土星の表面温度は氷点下150℃。内部は木星のように噴火しているかもしれない。
  4. 衛星は9つあるが、5個は氷でできている、もしくは氷に包まれている。
  5. 一番内側のミマスは平均比重が水の0.2倍しかないうえにたいへんよく光るのでざくざくした雪のかたまりではないかと考えられている。
といった内容であった。これらの記述をウィキペディアの最新の項目と比較対象してみると、
  1. 土星の環の厚さは上記では15kmと記されていたが、現在は20mとされている。
  2. 土星内部については、2004年の分析によれば中心核の質量は地球の9-22倍、その直径は約25,000km。この核は濃い液体状の金属水素の層に覆われ、続けてその外側にヘリウムが飽和した水素分子の液体層があり、高度が増すにつれて気体へ相を変えてゆく。最も外側の層は厚さ約1000kmのガスの大気から成るという。なお今回の放送でも新たな情報が伝えられていた。
  3. 質量、平均比重、表面温度は最近の観測値でも1960年頃の数値とあまり変わっていないようである。
  4. 衛星の数は上記では9個となっていたが、現在では少なくとも83個、うち53個には正式な名称がつけられているという。
  5. ミマスについては、こちらに独立項目があり、2010年にカッシーニが撮影した写真も掲載されている。1960年代に考えられていたような「ざくざくした雪のかたまり」では無かったようだが、新たにいろいろな特徴や見つかり、また謎めいたところもある。

 次に私が子ども時代に読んだSF冒険小説の中で土星を扱った作品としては、消えた土星探検隊(P・レーサム、塩谷太郎訳、少年少女宇宙科学冒険全集17、岩崎書店、1964年)がある。この小説の主人公は、地球宇宙学校を抜群の成績で卒業したデイルが、最新鋭の宇宙船ではなくてなぜかオンボロの宇宙船に配属され、政府の指令書により遭難した土星探検隊の消息を追うといった内容であり、デイルの心境や人間関係の変化がイキイキと描かれているという点で興味深い傑作であると思う。この作品の中ではオオサンショウウオのような形をした土星人が出てくるが、もちろん本物の土星は生命が生息できるような環境ではない。また重力が重すぎて動き回ることさえ困難であろう。もっとも土星の衛星の中には生命の存在が期待される星もあり、その可能性は1960年代当時よりも高まってきているように思われる。

 次回に続く。