じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 11月8日朝の岡山はよく晴れ、月齢13.4の月が半田山に沈む瞬間を眺めることができた。この月は、【岡山の場合】同じ日の16時57分に東北東の空から出現し、19時16分〜20時42分に皆既月食となる。なお皆既月食は月そのものが光を失う現象なので、そのの始まりと終わりの時刻は、全世界どこでも同じ瞬間となる【時差による現地時刻表示では異なるが】。
 この日はまた天王星食が見られる。こちらの時刻は観測場所によってズレており、大阪では20時31分から21時30分頃、福岡では20時22分から21時17分頃となっている。また岡山では20時28分〜21時20分。『天文年鑑』によれば、天王星自体に4″ほどの大きさがあるため、潜入・出現とも10〜17秒の時間がかかる。
 皆既月食の生中継は各地で配信される。【国立天文台ライブ配信】皆既月食+天王星食はこちら


2022年11月08日(火)



【小さな話題】「100分de名著 エドガー・アラン・ポー」

 2022年10月24日〜10月27日にNHK-BSPで再放送された、

●100分de名著 「エドガー・アラン・ポー

のメモと感想。初回放送は2022年3月7日〜3月30日。

 エドガー・アラン・ポーについて私が知っていたのは伊集院さんと全く同じで「江戸川乱歩」のペンネームの元になった作家ということぐらいであり、実際に読んだことがある作品も、『モルグ街の殺人』程度であってそれも青少年向けに書き換えられたものであった。

 今回の放送によれば、ポーはSF冒険小説、ホラー、推理小説の原型を創り上げた天才であり、その後のさまざまな作家に多大な影響を及ぼした。
 ポーが幅広いジャンルの作品を書いたのには彼が雑誌の編集者であったことが背景にあるという。当時、印刷技術が向上し、多くの雑誌が出版された。ポーは、同時代の読者が何を要求しているか、作家は何を打ち返せばいいのかを熟知していた(=マガジニスト)。ポーは幼い頃に孤児になり、その後南部リッチモンドの裕福な貿易商アランが養父となった。28歳の頃には『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』を連載、29歳〜34歳の頃に数々の傑作を完成させるが、38歳の時には妻ヴァージニアが亡くなる。40歳の時に自分の雑誌の創刊を目ざすが、路上で意識不明の状態で発見され死去。ポーのミステリー小説そのまま、彼自身のの死因については、未だに謎めいているという。

 今回の4回シリーズでは、
  1. 『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』
  2. 『アッシャー家の崩壊』
  3. 『黒猫』
  4. 『モルグ街の殺人』
という4つの作品が取り上げられていたが、全般に陰鬱で残酷な展開が含まれており、放送を視聴した上でぜひとも読みたくなったという作品は1つも無かった。
 ウィキペディアによれば、1.の『アーサー・ゴードン・ピムの物語』はジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズに少なからぬ影響を与えているということだが、カニバリズムなど気味の悪いシーンが出てくるということであまり読む気になれない。しかも結末は読者の想像に任せられているという。カニバリズムの部分は無しにして、地球空洞説を映像化したような映画を創れば、ヒットすると思われる。
 4.の『モルグ街の殺人』の真犯人がオランウータンであるというのは、オランウータンの習性が謎めいていた当時であれば納得できたのかもしれないが、今の時代では通用しないだろう。作品に登場する『デュパン』は後のシャーロック・ホームズはじめ後の名探偵の人物像に少なからぬ影響を与えているという。もっともポーの作品の中でデュパンが登場するのは短編小説3編のみであるという。デュパンのモデルとしては、フランソワ・ヴィドック(フランスの元犯罪者、のちにパリ警察の密偵として活躍)が挙げられていたが、デュパンはエドガー・アラン・ポー自身であるという見方もできるという。
 4回目の終わりのところで、ポーはゼロから創作するということではなく、雑誌編集者という立場を活かして集まってきたいろんな素材を巧妙に混ぜ合わせて創るというとこにオリジナリティが発揮されており、ポー自身の言葉を借りれば「Chemical Combination」(化学的結合)ということになる。伊集院さんからは、「編集者」を自称する、いとうせいこうさんにも共通性があり、「角度を変えることで面白がり方を変える」というという点で近いところがあると言及された。