じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 小学校高学年の頃に愛読した、『宇宙のすがた』(1962年、偕成社)。↓の記事参照。


2022年7月21日(木)



【連載】太陽系の基本知識を更新する(1)

 7月9日〜10日の深夜に、NHK「コズミックフロント」で、太陽、水星、金星、...冥王星に至る最新の話題を取り上げた「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」シリーズを一斉再放送していた。6月30日放送の「太陽と水星」と合わせて、(たぶん)全ての回を録画することができた。これを機会に、放送内容を参考にしながら、
  • 太陽系のそれぞれの天体は、いまどこまで解明されているか。
  • それぞれの天体で何が興味の対象となっているのか。
  • 私が生きているうちにどこまで解明が進むと期待できるか。
といった点をまとめておきたいと思う。

 ちなみに、私自身が宇宙について学んだのは、小学校高学年の頃に買ってもらった何冊かの科学本が最初であった。もちろん、中学や高校の頃に、当時の発見によって知識は塗り替えられてきたが、歳をとるにつれて、子ども時代にインプットされた記憶のほうが強く定着し、中高生以降の上書きされた部分の記憶が減衰してしまい、また各種の新説が飛び交うなかで、太陽系のそれぞれの天体について何が分かっているのか、何が謎になっているのかが錯綜してしまった部分もある(例えば木星、土星、海王星の衛星の特徴)。そんなわけで、今回の一斉再放送は、最新の情報を整理する上で大いに役に立った。

 まず、今回の一斉再放送のリストは以下の通りである。(1.のみが6月30日、それ以外は7月9日深夜からの一斉再放送)。
  1. 【2021.1.28】グランドツアー(今回は再放送されず? 録画できなかった)
  2. 【2021.2.25.】太陽と水星
  3. 【2021.3.18.】金星
  4. 【2021.4.15.】火星
  5. 【2021.5.13.】木星
  6. 【2021.6.10.】小惑星、彗星
  7. 【2021.7.15.】土星
  8. 【2021.9.2.】冥王星(天王星、海王星、トリトン、カイパーベルト天体を含む)
 ところで、私が小学校高学年の頃に愛読した1960年代の科学本では、太陽系はどのように紹介されていたのだろうか。上掲の『宇宙のすがた』を参照すると、最新の知見との間にいくつか大きな違いのあることに気づく。
  • 水星:水はない。表面はからからに乾いた砂漠。
  • 金星:大気の温度は100℃、地面の温度はおよそ300℃
  • 火星:わずかな水分により、コケ類や地衣類のような下等な植物がはえている。富士山のような高い山や、アルプスのようなけわしい山脈は見つかっていない。
  • 木星:衛星が12個ある。大赤点(大赤斑)は大噴火による。
  • 土星:衛星が9個ある。輪の厚さは15kmで3つに分かれている。
  • 天王星:衛星が5個ある。自転軸が軌道面に対して8℃しか傾いておらず横倒しになって公転している。
  • 海王星:衛星が2個ある。ルベリエとアダムス【←最近では、ガレに置き換わっている?】によって発見。トリトンについては記述なし。
  • 冥王星:日光がそのまま反射されていることを示す淡黄色なので、大気は殆ど無い。


次回に続く。