じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 今年の岡山大学前期試験(一般選抜・前期日程)で気になっていたのが、教育学部・中学校教育コース文系の志願状況であった。こちらに公表されているように、募集人員11人に対して志願者は12人で志願倍率は1.1倍。教育学部は後期日程の募集がゼロとなっているので、この志願者数がすべてとなる。
 でもって、実際の実施状況はこちらに公表されている通りで、受験者数は8人、合格者数は7人となっていて実質的に大幅な定員割れとなった[]。

 大学入試では原則として、入学手続段階で入学確定数が募集人員に満たない場合は追加合格(補欠合格)、それでも満たせない場合は追加募集を行うことになっているが、教育学部全体で募集人員148人に対して158人の合格者を発表していることから、全体としては定員割れにはなっておらず、入学手続辞退者が大量に出ない限りは追加募集には至らないと思われる【あくまで長谷川個人の見解】。

 それにしても、教育学部・中学校教育コース文系で志願者や受験者が少なかったのはなぜだろうか? ま、中学生は体がデカいし、反抗的な生徒もいれば、イジメ対策や不登校対策、悩み相談など、授業以外の面でもさまざまなトラブルに直面する恐れがあって、やりがいはあるかもしれないが、私のようなストレスに弱い者が勤め上げるられるような職場ではない。
 とはいえ、もし来年以降も中学校教員の希望者が少ない傾向が続くと、中学校教育が成り立たなくなってしまう。今年度の岡大に限定した傾向であれば問題ないのだが。

募集人員に対する志願者数だけで見ると中学・文系以外の志願倍率は1.4倍以上となっているが、実際に受験した人数と合格者数をチェックしてみると、
  • 中学校・理系 受験者13人に対して合格者11人
  • 中学・実技 受験者8人に対して合格者7人
  • 特別支援教育 受験者12人に対して合格者11人
  • 幼児教育 受験者11人に対して合格者10人
となっていて、志願者255人の中で受験を欠席した人が52人にものぼっており、全入状態になりつつあるようにも見える。いずれ合格者の最低点が公表されれば、このことは検証されるであろう。初等中等教育の崩壊に繋がらなければいいのだが。

2022年3月11日(金)



【小さな話題】最近視た番組から「シスコ・バラダイス」、「死の絵本」、「白血病ユーチューバー」

 最近視た番組の備忘録と感想。
  • 【2月20日初回放送 NHK-Eテレ】日曜美術館「シスコ・パラダイス〜塔本シスコの人生“絵日記”〜」
     絵画作品の中には、一目見て好きになる絵もあれば、いろいろな解説を拝聴してやっと価値が分かるという作品もあるが、このシスコさんの絵は、パッと見て好きになれる作品が多かった。特に、色の配合、いっけん稚拙に見えるような単純化された人物【素朴派と呼ばれるらしい】、陰影をつけない浮世絵ふうの明るい描写、いろいろな角度からの視点の複合、不思議な形などが魅力。近場で企画展があればぜひ拝見したいと思う。
  • 【2月12日初回放送 NHK-Eテレ】ETV特集「「ぼくは しんだ じぶんで しんだ 谷川俊太郎と死の絵本
     90際になった詩人・谷川俊太郎さんが、出版社の取り次ぎのもと、イラストレーターの合田里美さんと頻繁に連絡を取り合いながら完成した絵本。3月13日には、

    闇は光の母シリーズ『ぼく』(岩崎書店)刊行記念オンライントークイベント  谷川俊太郎さん×合田里美さん×筒井大介さん

    というイベントも開催されるようだ。
     合田さんの絵はとても素晴らしいのだが、登場人物と同じ子どもがこういう絵本を読んだ時にどういう反応を示すのか、絵本があまりにも美しく、詩的に描かれているために、自死に憧れてしまうようなことにならないのかが少々気になった。
  • 【2021年9月26日初回放送 (2022年3月10日 NHK-BS1で再放送 3月13日まではNHKプラスで視聴可能】)】目撃にっぽん「いま僕にできること ”白血病ユーチューバー"の挑戦
     にゅーいんさんの最近の活動を紹介。白血病というと最近では池江璃花子さんの闘病・復帰があり、以前に比べると治る確率が高まってきたような印象を受けていたが、実際はいろいろなケースがあるようだ。にゅーいんさんの場合も、3度目の移植が成功したものの、医師からは肺機能年齢が95歳で、5年後には肺の機能が失われると告げられているという。
     にゅーいんさんが心の支えにしているのはウルトラマンとか仮面ライダーといった特撮ヒーローであり、3度目の入院直前の動画でも「心の中にヒーローを作ってください」というアドバイスを発信していた。本当に苦しい時、精神的にきつい時でも、逆転するヒーローの姿、これが支えになるということであった。放送の中では白血病で4歳の時に亡くなった男の子のエピソードも紹介されたが、この男の子もウルトラマンが好きで、体調が良い時には、お父さんとウルトラマンごっこをしたという。神仏ではなく身近に接してきたウルトラマンこそが心の支えになるというあたりは、高齢者とは異なる斬新な視点である。
     なお、直近の動画(2月27日)では、再び入院されるとのこと。新型コロナの関係で、御家族との面会もできないという厳しい状況が続く。