じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記で、住基カード時代に購入したICカードリーダーでは、マイナンバーカードによる認証ができないという話題を取り上げた。
 そこで今度は、「ICカードリーダライタは不要」、「マイナンバーカードとマイナンバーカード読取対応のスマートフォンを利用」という、「マイナンバーカード方式(2次元バーコード)」を試してみた。といっても私はスマホを一切使っていないので、手持ちのAndroidタブレットを使用。これまでの経験から言えば、Androidタブレットでも通話機能以外の殆どのスマホアプリは使うことができるはずであった。

 しかし、 タブレットでGoogle Playストアから「マイナポータルアプリ」をインストールしようと試みたものの、肝心のアプリが見つからず、似たような名称の別のアプリが並んでいるだけであった。そこで、Googleから直接「マイナポータル デジタル庁」で検索したところ、「お使いのデバイスはこのバージョンに対応していません。」と表示された。どうやらGoogle Playストアでは、その機種に対応していないアプリは検索結果から自動的に排除されているようであった。利用者から見れば、機種が非対応なのか、検索がうまくできていないのかを判別することができず混乱をもたらすように思えた。

 それはそれとして、手持ちのタブレットは、年末年始に帰省先で使用(テザリング機能、LINEによるビデオ通話)したあとは、全く使用する機会が無く、月々960円を払い続けているだけとなっている。新型コロナが収束すれば旅行先で活用できるとは思うが、いつになることやら。

2022年3月08日(火)



【連載】コズミックフロント「“幽霊粒子” ニュートリノの謎」(7)宇宙の成り立ちの解明

 昨日に続いて、2月24日に初回放送された表記の放送の感想・考察。今回で最終回。

 昨日の最後のところでアイスキューブについて取り上げたが、現在、このアップグレード計画が進行しているという。観測可能領域を8立方キロメートルの規模まで拡大、また、検出器は上向きと下向きがセットされており、空からと、北極側からの双方向から飛んでくるニュートリノを検出でき、初号機と比べて2.5倍の感度を持っているとのことであった。

 ちなみにアイスキューブ観測所は、南緯89度59分24秒、西経63度27分11秒という辺鄙なところに設置されているが、研究者たちは別段そこに常駐しているわけではないようだ。ウィキペディアによれば、
これらの検出結果は常にDOM内部の回路でデジタル化され、ケーブルを通って氷表面の施設に集められる。データの一部はさらなる解析のために衛星回線で研究機関へ送られる。また、全データはテープに保存され、年に1回、船で研究機関に送られる。研究者はそのデータを元にニュートリノの運動を空間再構成する。
であるという。

 ニュートリノ研究は、宇宙になぜ物質があるのか?という究極の問題を解き明かす手がかりにもなるという。誕生直後、宇宙には物質と反物質があり、相互作用を起こせば対消滅により宇宙は無になるはずだが、実際には宇宙は物質が大部分を占めている。ニュートリノと、その反物質である反ニュートリノの振動の違いを観測すれば、物質がどのようにして対消滅を逃れて増えていったのかが分かる。これを観測する施設として、スーパーカミオカンデのおよそ10倍の体積、2倍の感度のセンサーを持つハイパーカミオカンデが2027年の実験開始をめざしているということであった。

 放送内容は以上で終わり。ここからは私の感想・考察になるが、まず、反物質の話題については。

又吉直樹のヘウレーカ!「僕らはみんな“あぶれ者”だった!?」(2020年9月16日初回放送)

でも解説されており、ある程度は知っていた。そちらの番組によれば、宇宙の密度を平均した時の1立方メートルのなかに存在する物質は素粒子の数にして1個分程度、いっぽう、光のほうは10億個も存在しているという。つまり、宇宙が誕生した時は、物質が10億1個、反物質が10億個存在していたが、対消滅によって1個だけがあぶれたという計算になる。なので、今の宇宙は、あぶれた物質の世界ということになる。

 宇宙の成り立ちを知る研究についていつも疑問に思うのは、地球から離れた天体であればあるほど、光やニュートリノが到達するまでには長大な時間がかかる。ということは、我々が見ている宇宙というのは常に過去の世界であって、「現在」の宇宙の構造を「瞬間的」に把握することは原理的に不可能ということにはならないか? もしかすると銀河の中心部はすでに消滅しているが、その影響はまだ太陽系に及んでいないという可能性もある。
 また、宇宙が加速膨張しているとすると、遠くの天体ほど速い速度で地球から遠ざかっていることになるが、その際の時間の流れはどうなっているのかも気になるところだ。相対性理論による「時間の遅れ」というのは、どこを基準としてどこを観測している時に生じるものなのか、さっぱり分からない。

 このほか、今回の放送を視て生じた根本的な問題として、

●「物質が存在する」とはどういうことか? 空間の性質や波などとはどう違うのか?

という疑問がある。こういう問題はかつて高校生の時にも考えたが、物理がますます分からなくなり、大学入試の受験科目から外さざるを得ない状況に至ったことがあった。幸い、隠居生活では、その勉強にいくら時間をかけても弊害が出てこないという点がありがたい。