じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 2月25日の朝はよく晴れ、久しぶりに、雲が全くかからない日の出を眺めることができた。しかし、すでに日の出の方位は左側(北側)にずれており、備前富士の山頂からの日の出(ダイヤモンド備前富士現象)は終わっていた。

2022年2月25日(金)



【小さな話題】カズレーザー vs. NHK高校講座 その1「コーナーキューブ」「チューブ式絵の具」「stop to」「バネ電話」「インドネシア」「ひげ税」

 2月16日と2月23日にEテレで放送された表記の番組を録画再生で視た。ウィキペディアによれば、この不定期番組は、これまで、2021年2月27日、7月2日、 7月9日、2月28日、2022年1月2日に放送されており、今回が#6と#7になるということだが、これまでそういう番組があることは全く知らなかった。NHK高校講座で放送されている内容からの出題ということだが、実質的には雑学クイズ番組。

 本日はこのうち2月16日に放送された#6について考察する。なお問題文の前の○×はカズレーザーさん自身の正解不正解を表す。
  1. ○ アポロ11号が地球と月との距離を測るために月面に設置した「あるもの」とは?
  2. × 画家たちが屋外で絵を描くようになった「あるもの」の発明とは何でしょう?
  3. ○(おまけで正解) “Please stop to feed a cat here.”はどのように伝わってしまったでしょうか?
  4. ○ 【開成高校のクイズ研究部からの出題。糸電話の糸の代わりにバネを使った】バネ電話を使うとどんな風に聞こえる?
  5. ○ 【インドネシアの公立中学で行われている授業では開始時に数人の生徒が教室から出て行ったが】何の授業が始まるのでしょうか?
  6. ○ 【17世紀後半、ピョトール1世は社会慣習を西欧化するため「あるもの」に課税したが】その「あるもの」とは


 まず1.は、コーナーキューブ・ミラーという特殊な鏡が正解であった。この鏡は「光や電波を反射する性質を持った3枚の平面の板を互いに直角に組み合わせ、立方体の頂点型にした装置」ということで、レーザー光をあてると入射光と反射光が同じ向きになるという特徴があるという。ウィキペディアのリンク先によれば、この原理を応用した反射板は、道路、自転車では、後部の他、ペダルや車輪のスポークに、自動車ではテールランプやブレーキランプのレンズと兼用で取り付けられているという。
 問題になったアポロ11号の実験は、月レーザー測距実験としてウィキペディアに紹介されていた。単にミリ単位で正確に距離を測ったばかりでなく、
  • 月は、年間3.8cmの速さで、地球かららせん状に遠ざかっている。
  • 月は、恐らく半径の20%程度の液体の核を持つ。
  • 万有引力理論は非常に安定している。この実験では、1969年以降、ニュートンの重力定数Gの上限を、1011分の1引き上げただけである。
  • ノルドベッド効果は、高い確度で排除され、強い等価原理の妥当性が示唆された。
  • アインシュタインの一般相対性理論は、月の軌道を高い精度で予測した。
といった新たな発見をもたらしたという。




 次の2.の「あるもの」はカズレーザーさんは「カメラ」と解答したが、正解は「チューブ式絵の具」であった。確かにチューブ式絵の具があれば簡単に携行できる。

 続く3.の英語問題は、私自身も高校の時に習っていたので知っていた。「ここでタバコを吸わないでください」のつもりで「Please stop to smoke.」というと、「ここで立ち止まってタバコを吸ってください」という意味になってしまう。




 4番目の「バネ電話」の問題は、今回の6問の中では最も興味深いものであった。元の問題は
  1. 高い音と低い音が繰り返される。
  2. 音が大きくなったり小さくなったりする。
  3. エコーがかかっているように聞こえる。
という3択になっていたが、カズレーザーさんは1.と2.は音の性質は対になっていて3.だけ別の内容になっていることから制作者の意図を見抜いて3.であると推理し正解となった。
 エコーがかかる原因は、「バネ電話は糸電話より音が伝わる速度が非常に遅く、また紙コップで何回も反射を繰り返すので音がずれて伝わりエコーがかかったように聞こえる。糸電話の場合は音が伝わる速度が非常に速いため、もし反射があったとしてもエコーのようには聞こえない。」と説明された。家の中のどこかにバネがあれば自分でも試してみたいところだ。




 5番目のインドネシアの話は、「宗教別に別の授業が行われるから」ということで特に疑問はなかった。
 なおインドネシアに関連して、「ネシア」とはどういう意味かという話題が取り上げられた。正解はギリシャ語で「島々」という意味。余談だが、「インドシナ」は「インドと中国(支那)に挟まれている地理的特徴からフランスによって名付けられた」。

 6番目の「あるものに課税」については、問題に使われた絵の中にハサミが描かれていること、絵の顔の部分が隠されたクイズになっていたことなどから「ヒゲ」と解答し正解となった。当時ロシアではヒゲを長く伸ばしている男性が多かったため、長いあごひげを切らせるために「ひげ税」を導入したという。ウィキペディアによれば、税額は、
ひげ税によって徴収される税額はその人物の身分によって異なり、宮廷、軍、政府の関係者は年間60ルーブル、裕福な商人は年間100ルーブル、その他の商人や町人は年間60ルーブル、モスクワ市民は年間30ルーブル、農民は都市に入るときと出るときにそれぞれ半コペイカ銅貨1枚ずつを徴収された。
であったという。

 ということで2月16日放送分のクイズはすべて解決した。複数の回答者が正解数を競うという従来のクイズ番組とは異なり、カズレーザーが出題者の意図を推測するというところがなかなか面白かった。

 次回に続く。