じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 1月28日の岡山は最高気温が13.2℃まで上がり、平年値では3月7日頃の暖かさとなった。写真は文法経講義棟南に咲くオキザリス・バリアビリス。この時期は、サザンカの落ちた花びらとのコラボで鮮やかな彩りになっている。


2022年1月29日(土)



【小さな話題】最近起こった事件について思うこと「共通テスト問題撮影流出」「東大前での切りつけ」「ホテルで82歳男性刺殺」「埼玉立てこもり、医師殺害」

 最近世間を騒がした事件について思ったこと。
  • 共通テストの問題流出

     今月15日と16日に行われた大学入学共通テストのうち、初日の15日の午前中に行われた「地理歴史」の中の世界史の問題用紙が、試験中に撮影され、インターネットを通じて外部に送られていたことが分かりました。
     この問題で大阪府内に住む19歳の女子大学生が27日、香川県内の警察に出頭し関与を認めたことが捜査関係者への取材で分かりました。
     女子大学生は「スマートフォンを上着の袖に隠して撮影しました。1人でやりました」などと話し、大阪府内の試験会場で受験したと説明しているということです。【1月28日07時11分配信のNHKオンラインニュースから】
     この事件が不正行為にあたることは明白であるが、こういうやり方で正答率を上げるようなカンニングができるとは到底思えない。監督の目をかすめて撮影し外部に送信することはできるだろうが、それを受信した者が解答するには一定の時間が必要。カンニングをするためにはスマホに送られてきた返信内容を見なければいけないのだが、撮影と違ってスマホの画面を見ることは試験会場ではまずできない。トイレに行って閲覧することはできるだろうが、解答された選択肢を一目で暗記するのは特殊なイメージ記憶能力を持っていない限りは不可能。だいいち、それができるほどイメージ記憶に優れている受験生であれば、共通テストの問題くらいはすらすら解けるはず。
     なお、大学入試の不正行為として最も警戒すべきなのは替え玉受験であろう。大学教員のような素人が顔写真1枚と本人の顔を正確に照合することは難しい。髪型や眼鏡などが似ていると特にそうである。もっとも、今の時代は大学入学後の成績評価が厳しくなっているので、仮に替え玉受験で医学部や薬学部などに入っても、入学後に授業について行けず留年を繰り返したり、最終的に国家試験で不合格になるということは十分にありうる。

  • 共通テスト当日の切りつけ事件

     15日午前、大学入学共通テストの会場になっている東京大学の門の前で受験に来ていた高校生の男女など3人が刃物で切りつけられてけがをし、警視庁は名古屋市に住む高校2年生の17歳の男子生徒を殺人未遂の疑いで逮捕しました。調べに対して「勉強がうまくいかず事件を起こして死のうと思った」などと供述しているということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
     警視庁によりますと、大学入学共通テストの受験に来ていた18歳の男子高校生と17歳の女子高校生、それに72歳の男性が切りつけられてけがをし、病院で手当てを受けています。【1月15日15時52分配信のNHKオンラインニュースから】
     この事件では、「医者を目指し東大に入りたかったが、約1年前から成績が振るわず自信をなくした。事件を起こして死のうと思った」と供述しており東大理V志望であったようだが、私がよく分からないのは、共通テスト受けるために東大本郷の会場にやってくる受験生は、たまたま在籍する高校が本郷の近くにあるというだけのことであって、東大志望とは関係が無いという点である。例えば、岡山大学の試験場には、岡山県内の一部の高校の受験生がやってくるが、その中には東大理V志望者もいれば、北大や琉球大の志望者も含まれている。なので、自分が東大志望だからといって、わざわざ東大の試験会場までやってきて、東大志望とは必ずしも関係のない受験生をなぜ切りつけなければならないのかよく分からない。

  • ホテルで82歳男性刺殺 パパ活・24歳女性

     「よかったらホテルに行きませんか?」
     東京・池袋の繁華街路上で、女性は82歳の男性に声をかけた。2人は近くのラブホテルへ。男性が遺体となって発見されたのは、その約1時間半後のことだーー。
     1月22日、警視庁は殺人の疑いで住所、職業不詳の藤井遥容疑者(24)を逮捕した。前日21日の夜8時から9時ごろ、池袋のホテル客室で埼玉県さいたま市に住む●●●●さん(82)を刺殺したとされる。【1月26日10時02分配信のYahooニュース。出典はFRIDAY DIGITAL】
     この事件で驚いたのは、被害者が82歳という高齢であったことだ。ネットで検索したところではこの男性は
    池袋の“アンダーグラウンド”な世界では知られた存在だった。風俗業界に詳しい関係者が明かす。 「パパ活などを使い、週に何度も様々な女性とデートを楽しんでいるおじいちゃんとして有名でした。『〜ちゃん』って愛称で呼ばれるくらい、この界隈では親しまれていた。奥さんを先に亡くしてしまったとのことで、きっと寂しかったのでしょう。年齢が年齢なので、密室の中で女性と話すだけで満足していたのかもしれません。【 出典はデイリー新潮】
    ということであるが、実名が晒された上にこういう形で殺されてしまってまことに気の毒である。
     多くの男性は82歳になる頃までには、ホルモンの減少や泌尿器系の疾患などによって去勢化されてしまい、若い女性には興味を失っていくのではないかと思うのだが(私もそのうちの一人だが)、一定の比率で、性欲が旺盛な方もおられる。高齢者のセックスの問題についてはこちらにもあるように、心理学でもある程度研究されているが、一部タブー視されることもある。私も以前、高齢者のQOL向上に関する研究会で「高齢者施設の利用者がアダルトビデオを観たいと要望した場合、それに応じるのは是か非か」という質問をしたことがあったが、つっこんだ議論には至らなかった。

  • 埼玉立てこもり、医師殺害


     27日夜、埼玉県ふじみ野市の住宅で猟銃を持った66歳の容疑者が医師を人質にとって立てこもった事件で、警察は28日朝、身柄を確保し、殺人未遂の疑いで逮捕しました。医師は心肺停止の状態で病院に運ばれましたが死亡し、警察は詳しいいきさつを調べています。
    ...
     これまでの調べによりますと、容疑者の92歳の母親は数年前から鈴木医師が在籍するクリニックを利用し、訪問診療を受けていましたが、栄養をチューブで送る「胃ろう」を在宅で受けられないことに強い不満を抱き、医師会に何度も苦情を寄せていたことが捜査関係者への取材で分かりました。【2022年1月28日15時36分、および1月29日06時08分配信のNHKオンラインニュースより抜粋】
     起こったばかりなのでまだ詳細は不明だが、老老介護の中で加害者の思い込みが逆恨みとなり事件を引き起こしたように思われる。60歳代の男による殺人事件としては、昨年12月17日に発生した大坂北区の雑居ビル内でのクリニック放火事件があり、この加害者(死亡)は61歳であったという。いずれの事件についても、孤独な高齢者の特殊な環境が犯罪の原因の1つになった可能性があり、再発を防ぐにはどうすればよいか、詳細な分析が求められる。