じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 岡大・津島東キャンパス南東端の金網に繁茂するヤブガラシ。今の時期、花の蜜を求めて蝶や蜂が集まっているが、他家受粉でしか結実出来ないため、種は少ないという。


2021年9月26日(日)



【連載】#チコちゃんに叱られる!「コンセントの2つの穴」「お刺身の菊」

 9月24日(金)に初回放送された、NHK「チコちゃんに叱られる!』の感想と考察。
 その前に、今回出演された夏菜さんは1月に結婚され、9月14日には第一子妊娠を発表されたということでめでたいめでたい。私は芸能人のお名前や私生活には殆ど無関心なのだが、夏菜さんは『純と愛』のヒロインを演じておられたのである程度存じ上げている。あの作品は、これまでのところ、私が唯一熱中した朝ドラであった【←ま、ふだん朝ドラも大河ドラマも全く視ない私が熱中するくらいだからよほど風変わりだったとも言える】。

 さて、番組の内容に戻るが、今回は、
  1. コンセントの穴が2つなのはなぜ?
  2. なんでお刺身に菊がついているの?
  3. 【目指せ寝正月!働き方改革のコーナー】鉄道ジャーナリストの梅原淳先生がもう一度乗ってみたい鉄道BEST3
  4. なんでレインコートをかっぱっていうの?
という4つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.と2.について考察する。

 まず1.のコンセントだが、番組では特には言及されていなかったが、「コンセント」というのは和製英語であり、英語では「outlet」、「plug」、「socket」などと呼ばれる点に留意する必要がある。正式には配線用差込接続器と呼ばれるらしいが、日常会話のなかで、「そこの配線用差込接続器に繋いでくれない?」という言い回しは全く使われないように思う。 <
 そのコンセントの穴が2つある理由だが、番組では「入り口と出口が必要だから」と説明された。小学校の理科の実験でも学んだように、電気は回路が繋がらないと流れない。なので、入口と出口が必要であるという説明自体は分かるのだが、私は高校時代から物理が大の苦手で、大学入試の時は物理と化学ではなく、地学と化学で受験したほどであった。なので、いまだに「交流」とか「アース」という概念がよく分からない。

 番組によれば、交流のコンセントの穴のうち少し長い方がアース側(接地側、コールド)、短い方がホット側と呼ばれる。交流の場合は、「右の穴から入って左へ出る」と「左の穴から入って右へ出る」を交互に繰り返しているという。しかし、であるならば、左右の穴の役割は全く対称的であって、何ら違いが無いはずだ。
 しかし更なる説明によれば、左の穴(アース側)は0Vに固定されており、右の穴(ホット側)は常にプラスとマイナスで行ったりきたりしているという。そうであるなら確かに左右の穴は非対称と言えるが、ここでまた「電圧」という概念がよく分からない。電圧の最小値はゼロボルトのはずで、であるなら電圧がマイナスになるはずがない。水位の差のように相対的なものであることはある程度理解しているのだが、であるならエネルギーも相対概念になりそうな気がする。

 コンセントの左の穴(長いほう)、つまりアース側の対地電圧は0Vであるという。この点もよく分からないのだが、アース側の穴に針金を突っ込んだり裸線の端を触ってもビリビリッと感電することは無いのだろうか。確かめればすぐ分かることなのだが、感電すると怖いので一度も試したことがない。
 また、アース側が0Vであるとするなら、電線は1本だけで配線し、もう1本は地面につなげても電流は流れるように思われる。そう言えば、卒論研究の頃、ICを基盤に半田付けして作ったことがある。助手の先生が作ってくれた回路図に基づいて工作するので難しくはなかったが、回路図の至るところにアースの記号が記されていたので、「このアースというのは、水道管につなげという意味ですか?」と質問したところ、マイナスの意味だと笑われたことがあった。

 今回の番組ではもう1つ、「音響機器ではプラグの向きが音質などに影響するといわれており、製品によっては正しい向きで差せるように印がついています。」という理由が分からなかった。というか番組では何の説明もなかった。ネットで検索したところ、「接地側(コールド)はAV機器で発生したノイズも、アースと一緒に逃がすこともできるという記述があったが、なぜそれがコンセントの左右と関係してくるのかはイマイチ分からない。
 なお、番組ではベートーベンの交響曲第五番と、ビートルズの歌を再生するのにあたって、オーディオ機器をコンセントに正しく挿した場合と、左右反対に挿した場合でどちらが良い音になるのか、という実験が行われていたが、私には、その違いは全く分からなかった。そろそろ聴覚の衰えにも留意する必要がありそうだ。
 番組ではさらに、世界各国・地域のコンセントの形状が紹介された。私自身も、海外に出かける時は必ず、事前にコンセントの形状を確認し、必要なアダプターを持参するようにしている。




 2.の「なんでお刺身に菊がついているの?」については、番組では「お刺身をしょうゆで食べるようになったから」と説明された。冷蔵庫や保存技術が無かった時代、上流階級の人は、生魚を酢につけることで食中毒を防いでいたが、当時の酢は高価であった。その後、江戸時代になると一般市民もカツオなどの刺身を食べるようになったが、(酢が高価であったため)醤油をつけて食べる習慣が一般化した。その際、食中毒を防ぐ方法として、昔から漢方薬にも使われていた菊の花が用いられるようになったという。菊の花が咲く頃には気温が下がり食中毒も減ったようである。なお、菊に含まれるビタミンEには免疫機能を高める効果があるほど、岡山大学で行われた菊の解毒作用に関する研究によれば、菊エキスをヒト由来細胞に添加したところ、毒を分解する物質であるグルタチオンが約2.5倍に増加することが確認されたという。

 もっとも、菊の解毒作用を利用するためには、刺身と一緒に菊を食べる必要があるが、スーパーで売られている刺身についている菊はプラスチックのものであったり、またホンモノの菊の花であっても食用に適するかどうかは不明。番組では食用菊を普通の菊とは区別しており、「食用でない菊は食べられません」という字幕が出ていたが、普通の菊の花に有毒成分があるのか、単に不味いだけなのかは確認できなかった。同じキク科のタンポポについても、食用と非食用があるのかどうかは未確認。

 次回に続く。